初めまして。E.A.Poe(知のくずかご)と申します。
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主題:合気会2段の立場から「無重力状態では使用できる技はかなり限定される」と考える
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小生は上述のように考えます。
概論等は既に出ていると思いますので、思い切って細かい技法について考えます。
※全て小生のわずかな経験からの推論ですのでその点をご承知いただけると幸いです。
合気道の技は、大まかに言って「投げ技」「固め技(≒関節技)」当たりに分類できると思います。
#小生も開祖の言葉「合気道は当身が七分で投げ三分」は存じ上げておりますが
#小生のレベルでは、有効な当て身技を教えてはもらえないようです
さて、投げ技(入り身投げ・四方投げ)等は、非常におおざっぱに言うと相手のバランスを崩して投げる技なので、無重力状態では運用がかなり難しいと思います。
宇宙船の中等で、壁に足をかけて壁との摩擦を利用すれば投げられるかも知れませんが、威力はかなり低いものになるのではないでしょうか。
次に固め技ですが、これは「相手を自分で押さえておいて関節を決める技」と「相手を畳に這わせておいて関節を決める技」とあるように思います。
「相手を自分で押さえておいて関節を決める技」ならば、無重力状態であろうがなんであろうがさしたる問題もなくかけられると思いますが「相手を畳に這わせておいて関節を決める技」になると、どうしても相手の体重と自分の体重を無意識にでも利用していると思うので、威力は半減するのではないかと思います。
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ある師範の先生は、稽古の最中に
「立ち方に注意してください。正しく立つということは非常に難しいことなのです」
とおっしゃっていました。
立つという状態を維持するのは、どうしても重力がないとできないですし、おそらくその師範の言いたかったことが
「正しく立って正しく技を運用すれば、合気道が上手になる(≒有効に技をかけられる)」
だとすれば、無重力状態では合気道の技を有効に使うのは難しいのではないかと思います。
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しかし、同じ師範に「体裁きの重要性」のデモンストレーションで、突撃する小生を紙一重でかわして小生の死角に入りながらほいほいと当て身を(寸止めで)入れて下さる(笑)、という離れ業も喰らったことがありますので、上手になれば
「ちょっとした摩擦さえあれば相手の死角に入れる。入ったが最後、むちゃくちゃ有利な状況で好き勝手に攻撃を仕掛け放題」
となりうるかも知れません。
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さらに飛躍して、七段の師範に技をかけてもらうと、
「Poeくん、好きなようにかかってきなさい」
と言われてとりあえず殴りかかると吹っ飛ばされ、裏をかいてやろうと思って下段回し蹴りをカマしたらやっぱり足を取られてひっくり返され
「なんで飛ばされるのかわからない」
「どこを攻撃しても相手に触ったが最後、必ず相手の好きなようにやられてしまう」
という体験も、一応持っています。
このレベルになると、小生は信じてませんが
#ヤバイ、言っちゃった(爆)
「気の力」「呼吸力」
等という、一般には知られていない特殊な力の使い方を専門的に訓練している一群の合気道関係者がいる可能性も否定できません。
こうなると、もう「触ったが最後」なので、「無重力状態であろうがなんであろうが、接触点さえあれば合気道の技をかけることができる」
当たりまで到達している可能性はあります。
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長くなりましたが、小生の個人的意見としては
・一般道場生は、無重力状態で使える技はかなり限定される
・師範クラスになると、体捌きを上手に使うことにより、わずかな摩擦さえあればなんとか戦える
・とても上手になると、接触点さえあれば合気道の技をかけられる
という感じになるのではないかと思います。
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お役に立ちますかどうか。