http://www5a.biglobe.ne.jp/~hhhp/prom/prom.htm
まず未熟児についてですが、この原因の多くは母胎の前期破水にあり、
前期破水の原因の多くは炎症や感染症などによる影響、
あるいは重い物を持ったり激しく咳き込んだり、
お腹を打ったりすることなどによる急激な腹圧に起因します。
そのほか、最近ではタバコの伏流煙や大気汚染など、
化学物質の影響なども指摘されています。
このように、早産の多くは遺伝とは無関係の要因ですから、
未熟児の子供がまた未熟児になる、といった因果関係は
ほとんど無いものと考えられます。
したがって、未熟児を医学的対処で正常に育てていくことと、
人類の種としての生存能力の低下とはほぼ無関係、
と言えるものと思われます。
「病弱」というのも多くの場合後天的要因によるもので、
病弱な人の子供が同じように病弱になるとは限りませんから、
そうした子供を積極的に治療していったり
体質の改善を図っていったりすることと、
人類の種としての生存能力の低下には、
あまり関連性はないものと考えられます。
むしろ生物の生存能力というものは、群生の質に左右されます。
たとえば環境が悪化すると群生の質が低下して
繁殖力や新生仔生存率などが下がってきますし、
外的環境が変わらなくても個体の密度が極度に上がってしまうと、
やはり同じような現象が見られがちとなります。
人間も動物の一種ですから、やはりその生存に適した環境が失われたり、
極度に過密になってきたりすると、どうしても群生の質が低下し、
種としての生存能力も低下を免れないことになってくるでしょう。
したがって、医学・医療の発達と人類の生命力との関係を考えるならば、
現代人は環境の悪化や一部地域への人口の集中によって
すでに生存能力は低下していると。
そして、その危機的状況に対処する必要性から、
医学・医療が発展してきたと。
そう考えるのが自然ではないかと思われます。
つまり、医学・医療が人類の生存能力を低下させるのではなく、
順序が逆なのだ、ということです。