このことについて、経緯や事実が明確に示されている文献(ソースが示されている場合は、サイトでも可)を知りませんか?
もし知っていたら、ぜひ教えて下さい。お願いします。
「ヴァチカンが認めた」というと満州国を連想するのですが。。。私が勘違いしすぎかもしれませんが、質問者さんの知り合いの外国人の方は、ひょっとして満州国と勘違いされているということはありませんか? あるいは、1920年代、昭和天皇が皇太子だったころの欧州歴訪でヴァチカンを訪問していることが、1930年代の日独伊の関係およびヴァチカンと欧州のファシスト政権の関係とごっちゃになっているとか。。。?
ともあれ、
> もしかして、「ヴァチカンに認められた」っていう言葉の解釈が違っているんじゃないでしょうか。
私もそう思います。「認めた」は本来は英語でいうrecognizeの翻訳で、「アフガニスタンのタリバン政権を認めていたのは、パキスタンなどわずか3ヶ国だった」というときの「認める」である可能性が高いのではと思います(その場合、その国家に対し、国際法上の国家としての地位を認める、ということです)。
試しにGoogleで「vatican emperor recognize」で検索したところ、次のページが見つかりました。検索結果から50件くらい、サマリーだけ目を通したのですが、「ヴァチカンが認めた(ヴァチカンによって認められた)」という記述は次のページと、それによく似た内容の記述を含むページだけでした。
http://www.fsmitha.com/h2/ch18.htm
In 1934, Pu-yi, China's former boy-emperor (of Last Emperor fame) was officially crowned as monarch of Manchukuo - while Manchukuo remained recognized only by Hitler's Germany, Mussolini's Italy, a few rightist Latin American regimes and the Vatican.
概要:
1934年、正式に溥儀が満州国君主となったが、満州国はヒトラーのドイツとムッソリーニのイタリアといくつかの南米の右派政権とヴァチカンにしか承認されぬままであった。
もう1件、「ホワイト・タイ」についてです。(元の質問とはズレてしまうのですが、興味を持ったので。)
1970年の天皇訪米の際のホワイト・タイの写真を探してみました。空港での写真は、既に別な回答者さんがリンクしているもの(ダークスーツに色ネクタイ)のほかには見つけられませんでしたが、ホワイトハウスでの晩餐会のものがありました。(1975年の昭和天皇訪米の際のホワイトハウスでの晩餐会の折のものです。)
http://www.whitehouse.gov/history/photoessays/crosshalls/06....
http://www.isop.ucla.edu/eas/images/hirohito-ford.htm
写真では2点とも、その場にいる男性全員が制服の人を除いてはホワイト・タイですので、単に「最もフォーマルな形」、つまり形式として天皇を国家元首として待遇した(State visit)ということではないでしょうか。(「象徴」天皇が外国では「国家元首」として待遇されている、したがって日本でも・・・という主張は、私も見たことがあります。ネットがなかったころのことです。多分選挙公報だったと思います。)
ところで、男性のホワイト・タイ(燕尾服に白い蝶ネクタイ)は基本的に女性のイヴニング・ドレスと対応するもので、晩餐会や舞踏会などの非常にフォーマルな催しの際に身につける礼装です。よって、その服装で空港に出迎えというのは考えづらいように思います。
Wikipediaにはwhite tieについて、英国と米国での事情が次のように説明されています。State dinners(国賓を迎えての晩餐会)は筆頭で挙がっていますが、Arrival Ceremony(到着時の出迎えの式典)で着用するという記述はありません。
Appropriate occasions
Like black tie, evening dress is generally only worn after 6 p.m. *snip*. Occasions that require white tie are increasingly rare, but in the United Kingdom these still include:
* State dinners (e.g. dinners with visiting heads of state)
* Some Commemoration balls and May balls at the Universities of Oxford and Cambridge
*長いので英国での例は略*
The situation is similar in the United States, where "white tie" must be specified on the invitation. Occasion that may still require white tie in the US include:
* State dinners
* Balls and cotillions
* Weddings
* Artistic premiers or the opening of an art season in large cities, such as the Opera or Ballet.
さらにご参考までに、2003年にブッシュ大統領が英国を訪問した際(State visit)、バッキンガム宮殿での女王の晩餐会はホワイト・タイです。(写真を見ると、女王夫妻はサッシュをつけていますし、エジンバラ公は勲章をつけてます。)
http://www.whitehouse.gov/infocus/england/photoessay2/03.htm...
しかし晩餐会ではなく「ようこそ」式典のときは、女王夫妻もブッシュ大統領夫妻も「ダークスーツに色ネクタイ(女性はひざ下丈のワンピースまたはツーピース:コートも同じ丈)」です。
http://www.whitehouse.gov/infocus/england/photoessay2/06.htm...
ちなみに、空港への出迎えはエリザベス女王ではなく皇太子が行なっており、皇太子も大統領も「ダークスーツにネクタイ」です。
http://www.whitehouse.gov/infocus/england/photoessay2/11.htm...
※1998年の天皇訪英のときの写真があれば比較できるのですが、見つかりませんでした。
ともあれ、天皇訪米(1975年)でフォード大統領がホワイト・タイで出迎えた、という説は、私には疑問です。30年前と今とではドレスコードが変わっているかもしれませんが(段々略式になってきている)、「ホワイト・タイ(燕尾服)」は最もフォーマルな場で身につけるものであり、出迎えのセレモニーは「最もフォーマル」な場とはいえませんし。。。この点は、服装やマナーの専門家に訊いてみるのがもっと確実かと思います。
こういう話はなるほど、探してみるとこんな所にも出てくるので、結構出回っている話なのですね。
天皇家はヴァチカンが認めた現存する唯一の皇室で、靖国参拝も教皇庁公認である。
これについては、たとえば神道の一問一答ページにこんな記述がありました。
カソリックの最高峰であるヴァチカン法王庁が、異教(神道)の施設である神社参拝を公認することは、本来は考えづらいことです。にもかかわらず、現在そうなっているのは何故なのでしょうか。
明治以降、神道が日本の国教になるに伴って、靖国参拝も国民の義務になりましたが、日本人キリスト信者にとってそれは大きな問題でした。異教の施設を参拝するのは背信行為になるのではないかという懸念です。
ヴァチカンは昭和7年、当時の文部大臣に質問状を出しました。文部省が推進している神社参拝について、日本のカソリック学校関係者が苦慮しているが、それはいかなる物なのか。教育的理由であるなら良いのだが──と。
返事はすぐにあり、愛国心育成のための、教育的理由であるというものでした。
ヴァチカンに対して日本の教会は、神社が事実上の宗教絡みの物であることと、天皇は現人神とされていることは伝えていませんでした。公式には「神道は宗教にあらず」が日本政府の見解であったというのが、その言い訳です。
そのこともあり、「宗教目的ではないと日本政府が断言した。天皇を敬うのも問題ない」ということで、ヴァチカンは承認の返答をしてしまったのです。
戦後に事情を知った今でも、その承認は生き続けています。一度発した訓令を、容易く撤回するべきではないというヴァチカンの意思です。よって、天皇はヴァチカン法王庁公認の唯一のエンペラーであり、靖国を含めた神社参拝は、ヴァチカン法王庁公認の行為となっているのです。
というわけで、この昭和7年の質問状をめぐるやり取りがその根拠とされ、戦後もそれが撤回されずに来ている…ということのようですが、この間の事情を更に詳しく述べてあるのがこちらのサイトで、これを見ると単に平穏に「質問」をし、それに文部省が「返答」した…というよりも、上智大学の学生の行動をめぐる事件の収拾策として、苦し紛れに出された見解というのが真相のようです。
というわけで、これを読むと、この事実をもって「天皇家は法王庁のお墨付き」みたいに喧伝するサイトというのが少々恥ずかしい感じがしますね。過去に起こったことの経緯などを冷静に考え、今改めて政治に左右されない信仰のあり方のようなものをそれぞれが見つめ直すべきではないかと個人的には思います。(別に私はカソリック信者でもなんでもありませんが。)