ヒズボラとイスラエルが停戦してから出てきても遅いと言うか、お前らなにしてたん!と言う感じなのですが・・・ヒズボラってアンタッチャブルなのでしょうか?
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これはおそらく、「作られた国家」というレバノンの特殊事情が大きく絡んでいるでしょう。
そもそもレバノンという所は第一次世界大戦後の中東戦略において、英仏両国がこの地域における長期支配を狙って勝手に線引きして作った地域です。要するに多数派であるイスラム教徒がこの地域を統一することがないように、ユダヤ教徒にはイスラエルの地を、マロン派キリスト教徒などにはレバノンの地をそれぞれ与えて、対イスラム緩衝地帯にしようとしたわけですね。
その後、第二次大戦中にレバノンは独立を達成するわけですが、結束の強いユダヤ人国家として成立したイスラエルに対して、レバノンはマロン派キリスト教徒、シーア派イスラム教徒、スンニ派イスラム教徒がそれぞれ約30%前後ずつ、さらにここに正教徒(キリスト教)、ドルーズ派イスラム教徒などが無視できない割合存在するという、まさに民族のモザイク状態でした。
そこから、シーア派の武装組織であるヒズボッラーが登場してくるわけですが、とにかくこの組織はイスラエルと戦うために生まれたような組織ですから、のべつまくなしイスラエルと戦っています。
そして、イスラエルの側には、ヒズボッラーさえ叩けば再びレバノンは非イスラム地帯に出来る、イスラム勢力とイスラエルが直接対峙することを避けるための「緩衝地帯」として使えるという目論見がありますから、とにかくしつこくヒズボッラーを叩いてくるわけです。
ま、そんなこんなで、今回の戦闘も、レバノン政府は全く蚊帳の外。完全にヒズボッラーとイスラエルだけの戦闘だったわけですよね。
で、レバノン政府としては、国土防衛の見地でいけばイスラエルを撃退しなければならない。かといってヒズボッラーの鎮圧に動けば、今現在自国の領土を武力攻撃している「外患」を利することになる、どうにも動けない、という窮地に追い込まれていたわけです。
ついでに、元々英仏の傀儡的に作られた地域がレバノンのそもそもですから、その後を受けて中東に覇権を及ぼしたアメリカの意向がハッキリしないと動くに動けないという事情もあったものと思われます。
ま、大国の都合で勝手に線引きして作られた国の悲哀がにじみ出ていると考えれば、わりと理解しやすいのではないかと思います。