貸倒引当金戻入と貸倒引当金繰入の違いを教えて欲しいです。
例:売掛金に対し5%の貸倒を見積もる。貸倒引当金の設定は差額補充法によること。
今までは【貸倒引当金戻入】の科目で記入していたのに、なぜか日商になってから【貸倒引当金繰入】になっている意味と違いがわかりません。
素人の質問ですいません。
どなたかご存知の方は教えてください。
●知ってるかも知れませんが、念の為、前提知識を解説します。
まず、資産、負債、資本、収益、費用の位置を図的にイメージして覚えます。
(左) (右) | 負債 資産 | | 資本
(左) (右) 費用 | 収益
※左側、右側とは、簿記の用語では、借方、貸方といいます。
※左側の科目は、発生や増加は左側に、減少は右側に書きます。
※右側の科目は、発生や増加は右側に、減少は左側に書きます。
●では、本題。
貸倒引当金は、負債(右)の科目です。
貸倒引当金戻入は、収益(右)の科目です。
貸倒引当金繰入は、費用(左)の科目です。
[A]貸倒引当金を500増加させるには、次のように書きます。
(左) (右) 貸倒引当金繰入 500 貸倒引当金 500
[B]貸倒引当金を500減少させるには、次のように書きます。
(左) (右) 貸倒引当金 500 貸倒引当金戻入 500
[問題]
では、期末現在の帳簿上の貸倒引当金の額が500だします。
問題文で設定するように支持された額を計算すると750だとします。
●差額補充法
(1)現在の貸倒引当金の額を確認する。500
(2)問題文で設定するように言われた貸倒引当金の額を計算する。750
(3)差額250足りないので、貸倒引当金を増加(上記[A])させる
(左) (右) 貸倒引当金繰入 250 貸倒引当金 250
※イメージ
貸倒れの危険が増加したので、
その危険な分、損した(=費用が掛かった)と考える
だから、費用の科目である貸倒引当金繰入を使う。
もしも、問題文で設定するように言われた貸倒引当金の額が300だったら、
差額200多すぎるので、貸倒引当金を減少(上記[B])させる
(左) (右) 貸倒引当金 200 貸倒引当金戻入 200
※イメージ
貸倒れの危険が減少したので、
損したと思って前期に費用にした分が戻ってきたと考える。
つまり、得した(=収益が上がった)と考える。
だから、収益の科目である貸倒引当金戻入を使う。
●洗替法
(1)現在の貸倒引当金の額500分、貸倒引当金を減少(上記[B])させて一旦0にする。
(左) (右) 貸倒引当金 500 貸倒引当金戻入 500
(2)改めて、問題文で設定するように言われた貸倒引当金の額750分、貸し倒れ引当金を増加(上記[A])させる。
(左) (右) 貸倒引当金繰入 750 貸倒引当金 750
●このように、
差額補充法は、
差額を計算して、足りなければ、差額分、貸倒引当金を増加(上記[A])させる。
差額を計算して、多すぎれば、差額分、貸倒引当金を減少(上記[B])させる。
洗替法は、
一旦、全額、貸倒引当金を減少(上記[B])させ0にして、改めて、貸倒引当金を増加(上記[A])させる方法。
どちらの方法でも、処理した後の貸倒引当金の残額が問題文で設定するように言われた貸倒引当金の額になる
以上、どうでしょうか?
※回答受付中に「この質問・回答へのコメント」ができなくなっていますが、できるように設定変更できます。
できるようにして頂ければ、コメントにて分からない部分を解説できるかも知れません。
(誤)貸倒引当金は、負債(右)の科目です。
(正)貸倒引当金は、仕分けをする上では、負債(右)の科目だと思うと分かり易いです。
→貸借対照表上では、資産からマイナスする金額の項目です。
(より性格には、資産の評価勘定という性質のものです。)