blogに引用を行う場合ですが、まず、引用先の文章が著作物でなくてはなりません。
もとのニュースが著作物であるかですが、参考になるものとしては、最近の裁判例だと、
平成17年10月6日の知財高裁のものが参考になります。
http://www.ip.courts.go.jp/search/jihp0030?action_id=dspDetail&a...
ご存知かも知れませんが、これは読売オンラインの見出し記事を
Yahoo!が引用したのですが、この裁判例の理由中において、
その一般論で
ニュース報道における記事見出しであるからといって,直ちにすべてが著作権法10条2項に該当して著作物性が否定されるものと即断すべきものではなく,その表現いかんでは,創作性を肯定し得る余地もないではないのであって,結局は,各記事見出しの表現を個別具体的に検討して,創作的表現であるといえるか否かを判断すべきものである。
と述べています。
よって、ニュース報道だからだといって、著作物性がすぐに否定されることにはなりません。
また、本件では、文章をそのまま
(例えば「マナー知らず大学教授,マナー本海賊版作り販売」のこれだけをホームページに掲載していました)
掲載したために、民法709条の不法行為が認められました。
さて、質問者の方の趣旨からすると、本文を引用するようですから、
著作物性は認められやすくなります。だとすると、引用先は著作物であることを前提に検討する必要性があります。
では、引用の成立要件はどのようなものかということですが、
引用ついては著作権法32条1項に定められています。
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
この点、判例は最判昭和55年3月28日から、
①明瞭区別性
②主従関係
③著作者人格権を阻害しないこと
この3点が求められます。
①はどこからどこまでが引用であるかを明確にしなくてはいけません。
②はあくまで引用している側がメインであることつまりほとんど全文引用して、自分の文章が申し訳程度であるような場合はこれが認められなくなります。
また、この部分から、自分の引用している文章は著作物でなくてはなりません。
③は引用部分を勝手に変えないこと。
一応、現在の判例法理からすると、blogに引用する場合にもこれらが求められることになると考えられます。
以上が、裁判になった場合の考え方です。
ただ、通常は差止めを求める場合でも、当然、引用元からクレームなり何なりがつきますし、
非営利行為ですから、損害額があるのかどうかが問題となります。
個人がblogに掲載する場合は、全文丸々掲載して、ご自分の文章がほとんど無い
というような極端な場合を除いては、あまり問題になることは無いのではないかと考えます。
文字数が とか 数字で言うような基準はありません。
ニュースの場合、事実の羅列部分には著作権はありません。
引用というのは、自分の創作や評論活動に伴う無断複製手段です。
その事を理解して行えば、裁判で負けるようなヘマはしないと思います。