「平仮名の作文、『八つ』を『はちつ』=国語力低下、教師9割が実感-岩波書店調査」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007120800203
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071208-00000048-jij-soci
および10日付けの同じく時事通信記事:
「国語力低下、教師9割が実感=岩波書店調査」
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071210-1
この記事にある「岩波書店が行った調査」について、より詳しいことのわかる記事などはないでしょうか。(記事の詳しい内容はコメント欄にメモしました。)
岩波書店のサイトを見てみたのですが、特に何も見つけることができませんでした。ひょっとしたら『文学』など、岩波書店の雑誌に掲載の予定なのかなと思うのですが……。
http://www.nichibun-g.co.jp/magazine/topics/008.html
こちらのサイトの記事には、別の具体例が書かれていました。
この発表と共に岩波書店が、東京大阪の小学校教師100人に「児童の国語力」に関して調査した結果に注目。国語を5年以上教えていることを条件にした結果がとても興味深い。
最近の児童の「国語力」の低下の程度について「非常に低下」15%、「やや低下」73%で9割近い数字が出ている。調査結果には、児童の日本語の使い方、漢字の使い方のエピソードも出ている。
・作文を書かせると「そして~しました」「そして~しました」と単純な文章が続く。
・ケガをしたとき、体の細かい部分の名前を知らなくて、口で説明できない。
・数を表すのにすべて「○個」の単位でしか表現できない。
・「きもちい」「きもちかった」と表現することが多い。
・作文が「~で、~で、~で」と続き、最後まで「~。」とならず終わらない。
また、児童の国語力が低下している原因としては、「本を読まなくなった」が78%と8割近くの人があげている。子どもの国語力を向上させるために望ましいこととして、「家族との会話が多い環境」89%、「本が家にあり、いつでも読書ができる環境」68%(複数回答)と続いている。
どうやら、広辞苑の改訂に伴って行われた調査のようです。
http://book.asahi.com/news/TKY200711270266.html
11月25日付けの記事によれば、調査の名称は「児童の国語力と辞書に関する調査」であるようです。
「平仮名の作文、『八つ』を『はちつ』=国語力低下、教師9割が実感-岩波書店調査」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007120800203
および10日付けの同じく時事通信記事:
「国語力低下、教師9割が実感=岩波書店調査」
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071210-1
記事には:
- 調査は9月下旬から10月上旬にかけ、東京都と大阪府で実施
- 対象となった教師は国語を5年以上教えている100人
- 国語力について「非常に低下」が15人、「やや低下」が73人、「全く低下していない」はゼロ
- 4年生が「八つ」を「はちつ」と誤読したという具体例
- 3年生が全部平仮名で作文を書いてきたという具体例
- 数え方を知らずに、何でも「個」とするという具体例
といったことと、調査に答えた教師による原因分析や感想が紹介されています。
これ以上の詳細がわかれば、と思っています(例えば「一つ、二つ、三つ……」はどこまで読めるのか、「九つ(ここのつ)」は読めるのに「八つ」は「はちつ」になるのか、など)。
なお、関連する質問を「いわし」でやっていますので、そちらもよろしくお願いします。
http://q.hatena.ne.jp/1197162694
「日本教育技術学会」の漢字習得度調査はご存知でしょうか
http://mobile.seisyun.net/cgi/read.cgi/news21/news21_dqnplus_1178542043
>調査は、平成16年4、5月、約3万8000人を対象に、前の学年の小1-6年での履修漢字の
「読み」と「書き」をテストした。
小1の「書き」では全体の正答率は89%だが、「ひとつ」は71%、「いつつ」は83%で、「人つ」などと
間違える例が多かった。
小1の「読み」の平均正答率は全体で95%と高かったが、「八つ」は56%と低く、「ハチつ」と
誤答する例が目立った。
他
http://www.raichosha.co.jp/mm/00565.html
(日本教育技術学会、小学生が苦手な漢字のランキングより)
「八つ(やっつ)」は、1年生で習う漢字だが、正答率は56%、
誤答の例として「はちつ」。
日本の数の数え方は、中国の漢音(音読み)の
「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、ナナ、ハチ、キュウ、ジュウ」と
大和ことばの「ひとつ、ふたつ、みっつ(みつ)、よっつ(よつ)、
いつつ、むっつ(むつ)、ななつ、やっつ(やつ)、ここのつ、とお(とを)」
があるので混乱しやすい(括弧内は古語)。
現在の中国語の発音(「イー、アル、サン」)と音読みが違っているが、
日本に伝わった頃は中国語でも「イチ、ニ、サン」と発音していたと考えられる。
有益なURLのご紹介をありがとうございます。
http://mobile.seisyun.net/cgi/read.cgi/news21/news21_dqnplus_1178542043
で紹介されている今年5月の調査の報道、記憶にあります。
「ひとつ」→「人つ」のケースは、
「ひとつ」という言葉を知らず、「いっこ」しか使わないのでは、
と思いました。
そもそも「ひとつ、ふたつ、みっつ……、ここのつ」が読めるかどうかが
「国語力」の指標になるのかどうかが個人的にはわからないのですが。 (^^;
この「調査」についての報道についてのお見事なツッコミ:
http://shibuken.seesaa.net/article/72145355.html
この「調査」よりも、多くのことを示唆される大学の先生の調査など:
http://www.otsu.icl.keio.ac.jp/event/2007-12-symposium.html
特に、2.窪薗晴夫(神戸大学教授)、3.森山卓郎(京都教育大学教授)、
両先生のレジュメ。