なぜ?と聞かれると「特に理由はない」と答えるしかないような気がします。割安度合いをみるのなら別に営業利益でも経常利益でもかまいません。実際、割安度を測るには、株価と純資産価値を比べたり(PBR)、キャッシュフローと比べたり(PCFR)、あるいは売上と比べたり(PSR)もします。
敢えて理由を挙げるとすれば、当期利益=株主に帰属する利益だから、といえるでしょう。
ざっくり言って、営業利益からさらに営業外の損益や利子利息の受払い、連結子会社の収益、そして税金などを引いたものが当期利益となります。
つまり営業利益には、その企業に金を貸している債権者の取り分や、徴税権を有する政府の取り分などなどが含まれています。
それに対し、当期利益は純粋に株主帰属する利益といえます。
そういう意味で、PERとは株主に帰属する利益とその企業の市場価値を比べたもの、であります。
ただし、成長性・リスクなどを勘案した指標ではありませんので、PERが10倍だから安い50倍だから高いとは一概には言えないことには要注意。
投資家が注目するPERは、分母となるEPSには実績ではなく予想を使うのが一般的。アナリストのコンセンサス予想を使ったり東洋経済の数字を使ったりします。
余談ですが、PERを「パー」と読むヒトがいますがそれは素人です。かっちょわるいのでやめましょう。「パー」だとPERなのかParなのかわからないので、欧米ではP/Eあるいは単ににPEと書いて「ピー・イー」と読むのが普通です。
基礎からしっかり証券分析を学ぶなら、こんな本が有名。いや、読んだことないけど(笑)
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