大小2サイズで、利用者による加工・再利用を想定しています。全てWin上で製作します(CG等で音声なし)。
Webやデスクトップ、テレビ(DVD±R、ビデオ、PCと接続等)等の用途への利用が考えられる場合、どんな規格で製作するのがよいですか?
1.小サイズは320x240で問題ない?
2.大サイズは? 640x480? 720x480? 720x486?
3.フレームレートは? 29.97fpsがいい? 30fpsでも問題ない?
4.ピクセル縦横比は1:1で問題ない? 1:0.9にして映像サイズも調整が必要?
5.インターレースを考える必要は? ノンインターレース映像で問題ない?
6.ファイルはAVI+MPEG等でいい?(Macも考えるとQuickTime?)
最適なファイル形式に変える必要があれば、ファイル数は増えてもかまいません。
CM / バイラル(WEB) / 企業VP の映像制作業の者です。
>1.小サイズは320x240で問題ない?
現状(2008年初頭)のYouTube レベルを想定するのであれば問題ないでしょう。
>2.大サイズは? 640x480? 720x480? 720x486?
720x486 は、昨今では CM や本編(TVドラマなど)に使われることの多い規格です。具体的に言えば、納品形態が βCAM や Digital-βCAM の場合は 720x486 で制作されます。
今回はおそらく 720x486 は必要ないでしょう。
DVDを想定する場合は、720x480 が適当です。
PC上でのファイル再生を想定する場合は 640x480 にした方が安全です。
クライアントによりますが、Media Player Classic などの高性能ビデオプレーヤでは、720x480(720x486)のファイルを再生する際に、AVI(MPEG)ファイルのピクセルアスペクト情報を参照して再生時にアスペクト補正してくれるのですが、Windows Media Player 9 などのちょっと古い標準プレーヤーでは、ピクセルアスペクトを参照してくれません。Windows Media Player をバージョンアップするようなリテラシーのあるクライアントは稀かと思いますので、PC 上での再生を考えるなら 640x480 にリサイズしてあげたほうがより親切です。
そのため、作業段階では 720x480 で作業を行い、DVD には 720x480 をそのまま使う。PC 再生用ファイル納品があるようであれば、640x480 に別途リサイズするのが最も顧客の立場に立った対応と思います。
>3.フレームレートは? 29.97fpsがいい? 30fpsでも問題ない?
日本のTVで使用される NTSC は 29.97fps です。
PCは 29.97 と 30fps 両方とも大丈夫なので、TV に映すことが想定されているなら、29.97fps の方が無難でしょう。
>4.ピクセル縦横比は1:1で問題ない? 1:0.9にして映像サイズも調整が必要?
ピクセル縦横比=ピクセルアスペクトとしてご説明します。
これは規格に沿う限り、解像度によって自動的に決まってきます。
先の「PC上でのファイル再生を想定する場合は……」の部分でご説明したように、PC 上で再生するファイルはピクセルアスペクト「1」の方が安全です。
DVDの場合、規格上ピクセルアスペクトが「0.9」になりますので、必ず 720x480 にする必要があります。
ここについてはあまり深く考えずに、解像度を決めたらピクセルアスペクトは自動的に決まってしまうものと覚えても、問題にはならないでしょう。
>5.インターレースを考える必要は? ノンインターレース映像で問題ない?
今回は全て PC 内で制作される CG ということで宜しいでしょうか?
もしビデオカメラによる撮影画像が全くないのであれば、明示的にノンインターレース(プログレッシブ)を選ぶべきです。
編集ソフト、エンコードソフトなど、複数のソフトを使用される場合は、必ず一貫して同じ設定を利用してください。
ここで編集ソフトでインターレース、エンコード時にノンインターレース、などの設定違いをすると非常に画質が劣化します。
インターレースの概念の詳細は以下のサイトにに詳しいです。
http://www.ayatoweb.com/tv_design/tvd02.html
>6.ファイルはAVI+MPEG等でいい?(Macも考えるとQuickTime?)
クライアントが再加工を行う素材として考えるなら QuickTime が安全です。
AVI は、Codec をどうするのかが複雑になりがちですし、MPEG は再編集には向きません。
今回 Codec の話題が出ていませんが、CM 品質を狙わないのであれば QuickTime の NTSC DV が良いかと思います。
まとめますと、
お役に立てましたら幸いです。
0.9:1の間違いです。
これは使用しているPremiere Pro CS3の設定と混乱してました。
ピクセル縦横比は変更できないのが普通なので、この質問は意味不明なので無視してください。
やっぱりプロじゃないとわからないですよね、反省。
可能です。但し、QuickTime の 中でも Codec の種類によって可能なものとそうでないものがあります。
通常、CG ですと「アニメーション圧縮(Animation)」の、画質100(最高) が利用されることが多いです。
アニメーション圧縮はαチャンネルに対応しており、最高画質時に可逆圧縮となります。
>QuickTimeが好まれているのはどういった理由なのでしょうか?
これは一概には言えませんが……
Windows環境の AVI ですと、標準で入っている Codec に選択肢が少なく、DivX や VP6 など、サードパーティの Codec をそれぞれのマシンに個別にセットアップしなければなりません。
また、AVI は元々制作者向けの機構としては設計されていないように思われます。
非圧縮ならまずありませんが、何かしら圧縮をした際に Codec の有無や互換性で問題が起こることもあります。
対して QuickTime では、標準である程度の種類の Codec が選択でき、様々なプロ用システムが対応しています。
QuickTime 一つ入れれば様々な用途に対応できるという点が業界で受け入れられてきたところではないかと。
そのおかげで、Codec が入っていない、ですとか互換性の問題で読み込めない、ということは少ないように思います。
元々 Apple がプロ向け、という観点を重視していた結果かと思います。
たしかに、AVIは標準のCodecが少ない上に画質も悪いので悩みどころでした。
周りにWinユーザが多いということもあり、QuickTimeにはあまり目を向けていませんでしたが、
制作関係者向けだということで、また色々と調査してみます。
今回は大変丁寧な回答をしていただき感謝しています。ありがとうございました。