共産主義、社会主義、資本主義、民主主義の違いについて簡単に教えて下さい。
共産主義と資本主義、社会主義と民主主義がそれぞれ対立する概念と考えてよいのでしょうか?
であれば共産民主主義や社会資本主義も成立しうると考えてよいのでしょうか?
ウィキペディアの紹介はいりません、念のため。
共産主義と資本主義は概念的に対立します.
資本主義は,私有財産を前提として,財産の(生産活動への)投資から利潤を得ようとする資本家の行動が経済活動の基本であるのに対し,共産主義では財産は共同体により「共有」され(私有財産は禁止される,もしくは非常に限定される),その活用から得られる利益も共同体で共有されることを原則とします.
ただ,純粋な共産主義というのは実現が非常に難しい(人間の欲を経済活動に有効に活かせない)ため,私有財産の保持を大幅に認めた共産主義(たとえば現代中国)みたいな形態になることもあり,線引きはなかなか難しいところもあるのかな,と思います.
社会主義と民主主義は対立しません.
民主主義は,国民が主権を持つべきという主権の所在に対する考え方であるのに対して,社会主義は,富の分配を市場原理にまかせてしまうのではなく,皆がなるべく公平・平等になるように国や社会が富者から貧者へと富を(強制的に)再分配するべきだ,という富の分配に対する考え方です.そのための代表的な手段が累進課税(収入が多い人ほど高率な税を納める)であり,現代の民主主義国家は,大なり小なり社会主義的な性格を持ちます(社会主義的な色が濃い民主主義は社会民主主義と呼ばれたりします).
以上のことから,まず「共産民主主義」(あまり耳慣れない言葉ですが)は成立しうるかですが,これは(論理的には)成立しえます.たとえば,村のような小さな共同体で,生産財(土地とか農機具とか)をみんなで共有して,生産の計画や作業の割り当てを皆で話し合って決める,という社会があれば,これは「共産」かつ「民主」主義の社会になります(原始共産主義とか理想共産主義とかよばれたりもします).
「社会資本主義」のほうも成立しえます.私有財産を認める資本主義社会で,かつ高率の法人税や強い累進課税,厚い福祉などで富の再分配を強く推し進められれば,「社会」かつ「資本」主義になります(ただ,「社会資本主義」という言葉はあまり使われず,「修正資本主義」などと呼ばれることが多いと思います).
今の日本で資本主義といったら、新自由主義のことだと思いますよ。
>共産主義と資本主義、社会主義と民主主義がそれぞれ対立する概念と考えてよいのでしょうか?
違うと思います。
>であれば共産民主主義や社会資本主義も成立しうると考えてよいのでしょうか?
成立します。