ぼそぼその声ときっぱりの声が聞こえたので2人目が通りがかります。といっても、検索して見つかるものが多すぎて、そのわりにピンポイントのものがないので、何がなにやら、という感じです。過去の産卵の日程については、すっきりした表のようなものが簡単に見つかるのではないかと思いきや、なかなか見つからないですね。
> グレートバリアリーフは広いですが、場所によって産卵の時間がずれたりするのか・しないのか
場所によって、時期が全然違うみたいです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Great_Barrier_Reef
Reefs in the inner Great Barrier Reef spawn during the week after the full moon in October, but the outer reefs spawn in November and December.
グレートバリアリーフの内側のほうでは10月の満月直後の週に、外側のほうでは11月か12月に産卵がみられる。
上記のソースはGreat Barrier Reef Marine Park Authority (2006) で、政府機関の出している間違いのない資料です。
この機関のサイトは、http://www.gbrmpa.gov.au/ なのですが、サンゴの産卵の記録が書かれているのかどうか、書かれているとしてどこにあるのかがわかりません(検索してもそれらしきものが出てこない)。
また、産卵日についてですが、昨年10月19日のオーストラリアのABCのレポート:
http://www.abc.net.au/news/stories/2007/10/19/2064172.htm
Professor Ove Hoegh-Guldberg of the University of Queensland's for Marine Studies conducted the research with international colleagues. The team's findings are reported today in the journal Science.
クイーンズランド大学海洋学部(か何か)のOve Hoegh-Guldberg教授が、各国の研究者らのチームを率いて調査を行なった結果が、『サイエンス』誌で今日発表された。
"They're timing the spawning, it appears, using the cue of the lunar cycle," Prof Hoegh-Guldberg said.
"The mystery is how they detect moonlight without eyes."
「産卵の時期は、どうやら、月齢を指標としているようです。わからないのは、サンゴがどのようにして月の光を察知しているかです。目はないのですから」と同教授は言う。
Coral are highly sensitive to blue light, which plays a role in regulating body clocks throughout the animal kingdom, from fruit flies to humans, say the researchers.
サンゴは青い光には非常に敏感である。青い光は、ショウジョウバエからヒトに至るまで、動物界全体で体内時計を制御する上で一定の役割を果たしている、と研究者らは言う。
というわけで、昨年10月19日のScienceに「サンゴは青い光を受容して産卵時期を判断する」という研究論文が出たらしいのですが、こういう論文だったら、過去何年か分の産卵の日付の一覧表とかもありそうな気がします。でも私はScienceの中身を見られる立場にありません。Scienceのサイトで探してみたのですが、これかなあというのを見つけたものの、サマリーがなくて、本文は登録していないと読めません。ryota11さんのお知り合いでScienceの記事の閲覧ができる人がいらっしゃったら、見てもらってください。
で、この教授のサイトが
http://profiles.bacs.uq.edu.au/Ove.Hoegh-Guldberg.html
http://www.climateshifts.org/
↑ここの2007年11月のアーカイヴを見ると、23日付けの投稿に、
If people can get to a reef and in the water between the 24th (tomorrow) and the 28th, about 7pm-7.30pm, they'll have a good chance of seeing it happen.
とあります。つまり2007年は11月24日から28日の午後7時から7時半の間だったようです。(これは産卵がある数日前の記事ですが、特に訂正や情報アップデートの記事はないので。)
また、これは基本的に10月産卵の区域のことでしょうが、昨年は研究者の予測より2日早く産卵が行なわれたとのレポートがあります。
http://www.abc.net.au/news/stories/2007/10/30/2075149.htm
まとまりがなくてすみません。これは英語で探すより日本語で探したほうがピンポイントのものがありそうな気がします(産卵を見るのを目当てに旅行しているダイバーさんの日記とか……)。
水温が27度以上あることと、満月が引き金になるわけですね。
しかも一日で終わってしまうんじゃなく、5~6日続くと。
予想日が満月から数日後に設定されているのは
始まる時ではなくピークを予想してるんでしょうね。
サンゴも釣れるかも。
この人は「満月から5日目の小潮の夜」だと言ってる。
ソースはNHKの探検ロマン世界遺産という番組らしい。
満月の「光」が引き金になっているのは、
去年の10月にサイエンス誌にそういう研究が発表されたらしいです。
http://mobile.seisyun.net/cgi/read.cgi/news24/news24_scienceplus_1192874431
http://www.diversden.com.au/japan/coral_spawning.htm
ここによれば、珊瑚は受精する前に流されると困るので
小潮を選んでる可能性がある、と書いてある。
小潮というのは満月から五日後くらいにくるものです。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN6/mame/topic1.html
異常気象で水温が上がらないなんてことがなければ
だいたい三番目のURLの人の予想で当たるんじゃないのかな。
たしかに他の年の記録も見たいですけどねえ。
海流が違うでしょうから海水温が違うのはあたりまえだし
最初から分けて考えるべき場所なんじゃないでしょうか。
日本海と太平洋側みたいな(そこまで違わないかな)。
ケアンズのブログを書いてる人が2006年と2005年の記録を書いてますね。
2006年11月12日のおととい、だから10日
http://blog.livedoor.jp/cairns_diary/archives/50755247.html
2006年は11月5日が満月なので、満月のおおよそ5日後という計算があいますね。
2005年11月20日
http://blog.livedoor.jp/cairns_diary/archives/50216984.html
2005年は11月16日が満月。これもだいたい計算通りですね。
ただ、
http://hanakako.exblog.jp/5546536/
こちらの人が2007年の日付でNHKの番組のことを書いていて、
満月の5日後で外し、3日後に撮影できたと書いてますね。
「産卵は兆候が出てから30分ほどで終わってしまう」とも。
毎晩産卵しているけど、その日の分はすぐ終わっちゃうとか?
現地の業者なんかにも聞いてみてるんですが、なぜか記録はとってないという・・・。
やっぱり場所によって違うからなんでしょうか。
学術研究としては月齢に注目しているので、カレンダーの日付で記録をつけてそれを公表するという発想がないのかもしれませんが(個人の手帳や日記には記録されているかもしれないけど)、ABCのようなマスコミなら「今年もグレートバリアリーフでサンゴの大量産卵が見られました」という記事があってもおかしくないのに、見つからない。ダイバーさんの撮影した映像がありそうなYouTubeでも、サイパンなど他の地域の産卵のものは見つかりますが、グレートバリアリーフのは探せない(旅行業者が資料映像を編集して作ったものはあるのですが、今回の調べものには意味がないし)。
半年ほど前の質問:
http://q.hatena.ne.jp/1206594066
ここで出てきた英語のページ(回答中のものとコメント中のもの)を一通り見てみましたが、それらのページのなかにもやっぱり過去の日付の記録は見当たりません。うむー。
> 内側とか外側とかどういう意味なんでしょう。オーストラリアに近い方と遠い方ってことかな。
陸地側がinner、外洋にあるのがouterですよね。
http://www.divethereef.com/coralSpawning.asp
に画像が並んでますが、これらの画像のうち、左下にあるのをクリックしてください。地図が出ます。この地図の真ん中あたりに「なんとかリーフ」が縦にずらっと並んでいますが、これらがinner reefで、右側(外洋)にぽつんぽつんと島のように、Osprey ReefとかFlora Reefなどとあるのがouter reefということのようです。
で、2003年の10月に、ABCに次のような記事が出ています。
http://www.abc.net.au/news/stories/2003/10/21/971286.htm
"While mass spawning is not expected until the next full moon in November, some species began spawning after the October full moon."
つまり、「一斉産卵は11月の満月の後だが、いくつかの種は10月の満月のあとに産卵を開始する」。英語版のウィキペディアに、「inner coralでは10月、outer coralでは11月から12月」とあるのは、これのことだと思います。背景には、海水温が違うとかいった要因ももちろんあるでしょうし、棲息しているサンゴの種が違うといった要因があるのかもしれません。そこまでの話になると、私の検索方法では出てくるのが学術論文になってしまうのでその先に進めないのですが…… (^^;)
なんでそのくらいの記録を誰も残していないのかしら。
たしかにサイパンなんかだとけっこうあるんですよね。
2007年は「2007年は11月27日、28日、29日」と書いている人がいるのに、
NHK取材班は(同じ年の?)満月の5日後(29日)に見に行って見られなかったと言っているのも謎だし。
やはり場所によってピークの日時にばらつきがあるのかもしれませんね。
いくら研究がはじまったのが20年くらい前で新しいといったって
20年もたってるんならそのくらいのことサクッとわかってもよさそうなものなのに。
ひょっとして、mass spawningはオーストラリアでは特に珍しいものとは位置付けられていないけれども、ほかの英語圏では「ダイバー感激、今年もサンゴの大量産卵」とかいう扱いがあるのではないかと、とりあえず英国のガーディアンで記事検索をしてみたのですが、やっぱりありませんでした。
その代わりというわけではありませんが、こんな記事。グレイトバリアリーフのヘロン島とリザード島での研究調査で海洋生物の新種、数百種が発見されたという内容です。Galleryというところをクリックすると、綺麗な写真を閲覧できます。不思議な形の生き物がいろいろです。ウミウシの彩りがきれいです。
Hundreds of new marine species discovered in Australia
Thursday September 18 2008 18:00 BST ※ほんの数日前です。
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/sep/18/wildlife.australia
ここのGalleryのキャプションから、the Museum of Tropical Queenslandという博物館の名称を見つけてサイトを探して見てみたのですが、そこにも「サンゴの一斉産卵の日付」はありませんでした。博物館のサンゴ研究班のサイトは下記。世界各国から研究者が集まって研究活動をしています。
http://www.qm.qld.gov.au/organisation/sections/Corals/index.asp
ここのa list of our recent publicationsを見てみたところ、2007年に出されている研究にFukami, H. という日本人らしきお名前がありました。論文自体はサンゴの種類の特定についてのもののようですが、この方なら、過去の一斉産卵の日について何かおわかりかもしれないですね……でもお名前しかわからないのですが。
ただ過去の日にちを見たところであまり意味はなさそうですし、諦めます。
みなさんのおかげである程度分かりましたし。
ありがとうございました。