以下は、あるコンサル企業のインターン生向けの課題です。
『ある日を境に、全ての哺乳類が言葉を話せるようになりました。
その場合に生じる社会的変化を一つあげ、その変化が発生するプロセスを説明しなさい。
また、対処すべき課題があれば、それも併せて説明しなさい。』
①この課題の評価ポイントはどういった点でしょうか
②例を挙げるとするとどういった形になるでしょうか
たとえば、生物全般が喋ると仮定すれば、植物⇒草食⇒肉食⇒プランクトン的な食物連鎖が交渉できるようになります。死に対する恐怖感が共有されるなら、彼らは他者に対する共感から死滅を選ぶかもしれません。
しかし、哺乳類に限られていますからそれ以外の回答を狙っているのかもしれませんね。哺乳類は一般にいうところの"動物"という意味で使われるのでしょうから、ここから一つの問題を取りあげる事ができます。例えば、同じ生活環境(大地)を共有する生物として、或いは、同じ酸素を取り込む生物として、人間の環境問題に他の哺乳類が言及するはずです。化石燃料/水/森林その全ては動物に影響しますから、人間に技術力の妥協を要求し、ないしは他の哺乳類に同等の利益が回るように要求するでしょう。
前者の食物連鎖の問題と後者の資源の均等化の問題を取りあげると、彼らの生態的な能力の差を考慮し、哺乳類間の権利の配分/適切な死の取引を議論し、我々全員の利益を確保するには、これを総轄する機構が必要になります。でも、良く考えてみると、草食動物が少なければ草食動物に従う肉食動物がいて、草食動物が多ければ肉食動物に従うようになるでしょう。ある肉食の哺乳類Aが死ぬことの制約を哺乳類の比率によって決めてしまうのは楽観的で、差別は良くないという答えに辿り着くのでしょう。果たして哺乳類全般に適度に死んだり食われたり、技術を抑制したり、能力を適度に発揮しないことを自分よりも劣るように見られる哺乳類のためにやっていけるかというと私は思えません。言葉が通じたとしても言葉の通じない関係であることには変わりが無いのではないでしょうか。