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古川琢也著「セブン‐イレブンの正体」
ISBN-13: 978-4906605521
大人の事情で出版が妨害されたそうです。
>以下カスタマーレビューより引用
本書は出版物取次最大手のトーハンによって書店取次ぎを拒否されたいわくつきの書籍である。本書が、トーハンの現副会長にして、セブン・イレブン・ジャパンの会長である鈴木敏文氏が不利益をこうむる内容だからだ、というのが主な取次ぎ拒否の理由だそうだ。後ろめたい事実を隠したい、という態度が余計にこの本の記述に信憑性を持たせてしまっているのがなんとも皮肉な結果である。
小売業界最大手の巨大企業にして、一般的イメージでは優良企業とされているセブン・イレブン。本書ではそんなイメージとはかけ離れたセブン・イレブン内部の黒い実態を告発する。
●売れ残りの弁当などの廃棄分の損失を加盟店オーナーに押し付ける通常の会計では考えられない「ロス・チャージ」会計、
●加盟店オーナーは独立事業主であるにもかかわらず取引先業者からの請求書を本部がオーナーに見せないという異常な実態、またそれによって明るみになりつつある「不当なピンハネ」問題。
本書では上の二点のように加盟店オーナーサイドの問題を主に扱っている。
しかし加盟店オーナーのみならず本部に反発したオーナーの見張りを24時間体制でさせられるセブンイレブンの末端社員、コロコロ変わる本部の指示に右往左往させられる取引業者、無理な配送コースを指定され、四六時中GPSで監視される配送ドライバーなどセブン・イレブンにひとたび関わってしまえば、本部の一定の役職以上の人以外は全て不幸になってしまうという現状を、関係者の証言と事実に照らし合わせて本書は告発している。
24時間営業の問題にいたっては、環境問題(CO2過剰排出による地球温暖化)や未成年の深夜徘徊の温床になりかねないという観点から、我々一般人にも不利益をもたらしているといえる。「お客様第一主義」の大義名分の下に上記の数々の非常識ともいえる経営を行ってきた同社だが、ここへきて当の「お客様」である一般人にも不利益を与えていることになる。
本書で書かれているセブン・イレブンの実態があまりに黒すぎて、著者サイドがいわゆる被害者たちの立場から一方的にセブン・イレブンを悪役に仕立て上げているという風にも見えなくもない。だからこそ、冒頭に述べたような取次ぎ拒否という手段に出たのだろうが、意見を封殺しようとするのは逆効果だとは思うが。
読み物としては、「ロスチャージ会計」についてはその会計のからくりの巧妙さゆえ伝わりにくいところもあるが、それ以外のところは平易な文章で読みやすい。「ピンハネ疑惑」の章で、ひとつ、またひとつと証拠があがっていき、疑惑の実態が浮かび上がっていく構成は図らずもわくわくさせられた。
最後の弁当工場潜入ルポは、筆者による体当たりルポでセブン・イレブンの末端の末端である弁当工場で筆者が数日間アルバイトしてあまりの過酷さからボロボロになる様が綴られている。なかなか読みごたえがある。
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追記)08.12.17
トーハンは現在、取次ぎ拒否を撤回・謝罪しているとのこと。