http://homepage1.nifty.com/lawsection/tisikibako/sikkouyuuyo.htm
執行猶予とは、「刑の言渡しはするが、情状によって刑の執行を一定期間猶予し、猶予期間を無事経過したときは刑罰権を消滅させることとする制度。」と言われています(有斐閣法律学小辞典)。懲役3年を判決で宣告しても、例えば被告人を今後きちんと監督する人がいるとか、既に社会的制裁を受けており十分な応報を受けているとか、などの諸事情を考慮して、刑務所への留置を一定期間猶予するのです。そして、執行猶予の期間の間に再び何らかの犯罪を犯すなどせず、無事に期間を満了したときには刑務所への服役をしなくてよいとするのです(その限りで判決による刑の言い渡しの効果は消滅します)。
執行猶予は、あくまで判決で刑罰を言い渡しても、その刑罰の執行を猶予するだけです。ですから、判決の宣告それ自体を猶予するもの(宣告猶予)ではないので、有罪として刑が宣告されたという事実を消してしまうわけではありません。
執行猶予付きの判決を言い渡せる場合というのは、法律で決まっており(刑法25条)、①以前にに禁錮以上の刑に処せられたことがないか,処せられてもその執行終了後又は執行の免除を受けた後5年経過しても禁錮以上の刑に処せられたことがない者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処せられたとき,②以前に禁錮以上の刑に処せられその執行猶予中の者で保護観察中でない者が1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状が特に軽いとき、という2つの条件が認められる場合には、裁判所が裁量で1年以上5年以下の期間執行を猶予できるとされています。
なにやら分かりにくい条件ですが、一般的な場合で考えれば、過去に懲役・禁錮の刑罰を受けていない場合で、言い渡される刑罰が懲役3年以下の場合には、情状に応じて執行猶予が付くと考えてもらえば大体は足りるでしょう。