(1)売掛債権回転期間
売掛債権回転期間=売掛債権÷(売上高÷12)
何か月分相当の売掛債権が残っているかを表すというのはわかるのですが、なぜそれが「平均何ヶ月で売掛金が現金回収されるか?」ということになるのか、ピンと来ません。
売上債権というBSと売上高というPLの数字で、なぜキャッシュがわかるのでしょうか?
解説いただけると幸いです。
(2)買掛債務回転期間も同じです。
買掛債務回転期間=買掛債務÷(仕入高÷12)
何か月分相当の買掛債務が残っているかをあらわすことまでは理解できるのですが、「買掛債務の返済(支払い)に何ヶ月要しているか」がなぜわかるのか、ピンと来ません。
よろしくお願いします。
ゼロからビジネスを始めたとして、毎月100の売上がコンスタントにあり、2ヶ月が経過したときに現金を受け取るものと仮定します。そのとき、売上、売掛金及び現金の関係は次のようになります。
月 | 売上累計 | 売掛金残高 | 現金残高 |
---|---|---|---|
1 | 100 | 100 | 0 |
2 | 200 | 200 | 0 |
3 | 300 | 200 | 100 |
4 | 400 | 200 | 200 |
5 | 500 | 200 | 300 |
6 | 600 | 200 | 400 |
7 | 700 | 200 | 500 |
8 | 800 | 200 | 600 |
9 | 900 | 200 | 700 |
10 | 1000 | 200 | 800 |
11 | 1100 | 200 | 900 |
12 | 1200 | 200 | 1000 |
これを、見ると、売上=現金 + 売掛金 という関係が一目瞭然です。なので、売上と売掛金からキャッシュが分かるというわけです。
この例で、回転期間を計算してみると、200÷100=2ヶ月となり仮定の通りです。
実際には、現金化に要する期間は得意先ごとや商品ごとに異なることが多く、売上の中身も額も毎月変動します。それを一切無視して、平均をとって計算しているわけで、厳密なものではありません。とはいえ、事業が安定している会社にはかなり使える指標です。
買掛金についても、売上を仕入れに、売掛金を買掛金に読み替えていただければよろしいかと思います。
売掛債権は、一定期間のうちに必ず回収されるという前提があるからです。