負債評価益といわれているのは、社債の時価評価により計上される評価益のことですよね?日本では、社債をバランスシートにどのようにいくらで表示するかは、金融商品に関する会計基準により定められています。
社債は、社債金額をもって貸借対照表価額とする。社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合には、当該差額に相当する金額を資産又は負債として計上し、償還期に至るまで毎期一定の方法で償却しなければならない。
http://gaap.edisc.jp/docs/01/1103/
一番下の方に、この部分は記載されています。
というわけで、社債の時価が下がっても、その時価を使ってバランスシートに計上することは認められおらず、したがって、評価益も出せません。ただし、実際に市場から自社が発行した社債を取得し、償還した場合は別です。この場合には、償還益が認識されます。
最後にもう一つ。日本企業でもソニーやキャノンをはじめとして、米国基準で財務諸表を作成し、有価証券報告書等を作成している会社があります。こうした会社では、米国基準に基づき、社債の評価方法が日本基準と異なる可能性があります。