http://www.soumu.go.jp/iken/kokaikei/index.html
(総務省の地方公会計に関する一連の発表内容です。)
http://www.public.ac/
(単式簿記を複式簿記に自動変換するソフト・PPPを開発した会社です。)
偶然ですが、現在、地方公会計の導入コンサルティング業務に携わっています。中部地区の7自治体と契約し、業務を進めています。
公会計で、複式簿記を採用していないのは、先進国では、日本とドイツだけです。日本は、国際基準に合わせる方向で、複式簿記に向かっていますが、ドイツは、我が道を行くを貫くようです。
日本も、明治維新直後は、公会計も複式簿記でした。明治憲法がドイツの憲法を参考に制定されたのと同期して、ドイツのカメラル式簿記(単式簿記)を採用することになり、変更されました。(ちなみに、複式簿記は、福沢諭吉によって日本に導入されました。複式簿記の「かりかた」「かしかた」を翻訳したのも福沢諭吉です。)
今回の地方公会計は、最終的には複式簿記を採用し、財務諸表(貸借対照表(BS)、行政コスト計算書(PL)、純資産変動計算書(NW)、資金収支報告書(CF)の財務4表)を作成し、財務報告ならびに財務分析を行います。
目的は、資産・債務管理(改革)です。
おっしゃるとおり、自治体では、自分のところの資産や負債の総額を正確に把握できておりません。今回の公会計では、まず、資産(特に固定資産)の精密な価額査定を行ないます。土地、建物、道路が80%近くを占めます。特に土地に関しては、自治体は、地域一番の資産保有団体です。
今回の公会計では、総務省は、基準モデルと改訂モデルの2つの方式を認めています。基準モデルは、資産評価を行なった上で、複式簿記を採用するものです。改訂モデルは、段階的に資産評価を行ない、従来の決算統計を利用し、財務諸表を作成します。改訂モデルは、住宅ローンのゆとり返済のようなものです。私は(私の所属する組織は)、基準モデルこそが、真の公会計という認識で、こちらをコンサルティングしております。基準モデルと改訂モデルは、2対8といった割合です。(いずれは、基準モデルにする必要があります。)
これまでも、自治体は、財務諸表を作成しておりますが、これは、決算統計をベースに数字の埋め込みで作成します。複式簿記でシステマチックにつくるものではありません。
決算統計は、昭和44年から作成されたものですので、昭和43年以前に取得された資産が、すっぽり抜けます。土地などは、江戸時代から引き継いだものも多くあり、これらが加算されません。私の経験では、土地だけでも、5割程度少ない資産計上となっています。
また、決算統計は、取得価格はわかりますが、時価評価されておらず、値上がり分が評価されません。(今回の公会計では、「公正価値」という概念が導入されています。時価に近いものです。
また、単年度の統計ですので、売却した資産も過去に取得した年度で計算されますので減額されません。さらに、寄付・寄贈された資産が加算されません。
旧方式や改訂モデルの財務諸表は、あくまでも「統計」であり、「会計」とはいえません。(減価償却という考え方も正しく行なわれません。)
公会計で財務諸表を作成し、分析するだけでなく、資産を把握することによる遊休資産の有効活用、行政評価システムへの応用、自治体経営計画策定等への展開が考えられます。
蛇足ですが、民主党は、国の公会計をマニュフェストに入れています。ま
た、先の国会でも公会計に関する法案を提出しております。(廃案になりましたが)
加えて、基準モデルの起案者の桜内文城氏は、愛媛4区から、無所属で出馬よていです。この方は、昔の自民党幹事長・桜内義男氏の孫婿です。
新公会計に関しては、まだまだ、書き足りませんが、この辺で、一区切りとさせてください。