●十二平均律はなぜ12種類の記号を用いるのではなく、7種類の音名と#とbを組み合わせて使うのでしょうか。12種類の音名を使えば、混乱しなくなると思うのですが、#やbを付けてまで7種類の音名を使用する合理性を教えてください。
●「ド→ド」は1度と言います。「ド→レ」は2度と言います。算数的には、同じ音程ならゼロ度の様な気がするのですが、なぜ直感通りではなく、一つ大きな数値で度数を表すのでしょうか。
●「移動ド」という概念は何のために存在するのでしょうか。音名が同じなのに別の鍵を弾くのが理解できずに、音楽が嫌いになりました。
序の巻 ~ 十二平均律は語義が不明瞭です ~
1オクターブ(ドからド、レからレ、ミからミなど)は振動数が2倍
です。この振動数を12等分すると、平均律12半音階が得られます。
これを、そのまま歌ってみると、とても不自然で不気味に聞えます。
むしろ、8度音程(ドレミファソラシド)だけなら、自然に聞えます。
日本民謡などはシファ抜き5音階(ドレミソラド)で作られています。
その理由は、ホルンのような金管楽器で確認することができます。
一本の管に唇をあて、もっとも低い音を「ド」と仮定すると、つぎに
高い音は1オクターブ上の「ド」が出ます。つぎに「ソ」「ド」「ミ」
から「ソ」「シ」を経て、ようやく「ドレミファソラシド」が揃います。
これが“振動・倍音・共鳴”の原理で、この音程を1オクターブ内に
戻したのが“8度音名”です(実際に一人で実験することは困難ですが)。
かくて最初に出現する例外音程が、B♭(ビーフラット)なのです。
破の巻 ~ 零のない時代があった ~
インドで発見された“ゼロの概念”は、紀元十世紀ごろ、西欧文明に
伝えられ、それまでは「ド→ド」を一度音程と呼ぶしかなかったのです。
したがって邦楽などの楽譜も、古代数学そのままに滞っています。
われわれが階段を昇るとき、最初の段を「第1段」と呼ぶはずですが、
もとの地上を「第0段」とは考えません。
おなじ段で、左右に移動しても「0段」と数えないように。
数学に代数と幾何学があるように、化学に理論と実験があるように、
音楽には記憶と楽譜が基本であり、まずは歌って弾いて写しましょう。
わたしの経験では、あるときふと謎が解けたのです。
中学三年までチンプンカンプンだった音楽劣等生の持論と自慢です。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5261513.html (No.8)
わたしの楽歴 ~ 音楽いろいろ、人生さまざま ~
急の巻 ~ 約束事を容認する ~
音名は「ドレミ=CDE」でなく「ラシド=ABC」から始めます。
国際規格では「A=振動数440から442Hz」と定めています。
すべての音程を、自力で判別する能力を“絶対音感”と称します。
自分の位置にかかわらず、その音が「第?番」であるか分るそうです。
とても優れてみえますが、何の役にも立たないのが、戦後の定説です。
「移動ド」の概念なら、脳内に記憶した音階を、仮想適用できます。
ドレミファソラシドは「全・全・全・半・全・全・半・全」の間隔で、
和声法や転調の法則まで、これに従属しています。
どの旋律も、脳内の「ドレミ音階」に置きかえると、とても便利です。
一般論として、声楽では「移動ド」、器楽では「固定ド」が主流です。
シャープやフラットの多い調では、楽譜どおり「固定ド」で歌うには
「ドレE」と「ドレe」のような区別が必要で、とても面倒なのです。
昔は5音階とかもっと単純な旋律でしたので、それが増えた結果、7音階になり、さらに微妙な所を表現するために半音ができたからでしょう。
現代音楽ではクォータートーン、つまり1/4音も使う場合があり、そうなると12どころか20ちょっとの音階を駆使しなければなりません。
音楽は感覚の物なので、なぜ?とかいう理屈で考えるものではありません。
理論はあくまで後付けでしかなく、合理的な理由が存在したから、7音になった訳ではなく、
7音がよさげだからそうなっているだけの事です。
ゼロが発見(発明)されたのは比較的後世です。
昔は、ゼロ、という概念自体が無かったので、1から数え始めます。
ローマ数字にはゼロはないでしょ?
移動ドは、主に歌手のための移調や移調楽器などのために必要なのでしょう、たぶん。
曲の音域が合わなかったりしたら移調しますが、その場合、旋律は同じですから始まる音も同じに呼んだ方がしっくりきたりもします。
Cdorでドレミと歌うのと
DdorでD、E、Fis、と歌うより、ドレミ、と歌った方が歌いやすいです。
7音が基準ですからね。
(英語とチャンポンだけど、Fisのイタリア語、しらん、
歌は歌詞だ、とか突っ込まないように、、、)
とにかく、、、
音楽は感覚のしろものであって理屈で理解する物ではありません。
紙に記録したり、学習しやすいように理屈をくっつけてあるだけの事なので考えすぎないように、、、
絶対音感じゃなくて相対音感しか持ってない人にとっては
移動ドのほうがやさしいんですけどね。
歌の練習の時、移動ドで音の名前を言われた時に混乱していました。
ドとレは似てないので間違えませんが、オクターブは似ているのでよく聞き間違えます。
http://homepage1.nifty.com/iberia/equiton.htm
移動ドの概念は、ピアノで考えるとむしろわからなくなると思います (ピアノで移調する場合、指づかいを変えないってのは相当難しい気がしますが、とっさに移調する時は指つかいを変えずにやれるのかな? 私は無理です。) 回答にも出ていますが、移調楽器のことを考えれば、階名は奏者の指使いに対応し、音名は楽器の属性になるので、旋律を移動ドで考える方が奏者にとっては理にかなってるんじゃないでしょうか。(つまり、移調楽器においては、「音名が同じでも楽器が違うと別の指づかいになる」「階名が同じならいつも同じ指づかい」なわけです)。