外国人移民を導入して日本の人口を3億人にするというようなトンデモ政党の主張もありますが、健康で文化的な生活を営める住空間、もう少し高い食糧自給率、などを考えると、人口が多ければよいというものでもないと思われますし、高度成長期には住宅不足が問題になっていたはずです。
地球全体規模だと「成長の限界」などの推計がありますが、とりあえず日本列島に限定した場合、どれくらいの人口が最大限度となるでしょうか。ただし、世代間の人口バランスによっても養える人口は大きく変わると思いますので、「理想的な人口バランスの場合」と「将来的に予測されている日本の人口バランスの場合」での推計などがわかると嬉しいです。
なお、データに基づいた根拠ある推論を求めます。思いつきや憶測は要りません。
設問自体が観念的なので憶測でのコメントしか付けられないと思いますが、日本が養える人口は、単純には食糧自給率で表せると思います。
http://www.agriworld.or.jp/agrin/agrin1/rate/rate.html
http://www.nihonkaigaku.org/ham/eacoex/300coex/320emcn/fdselsup/...
現在、概算で40%ですから現状の40%の人口が適正となります。
人口が約1億3千万ですから5千万人程度が適正と言えると思います。
穀物の自給率はさらに低いですが、減反などもかなり行われましたので10年単位なら増産は可能でしょう。
(増産には人手も必要ですが、そこは機械化で補うしかないですね)
人口密度から見ても日本は結構上位で、都市国家などの特に規模の小さい国を除外すればさらに上位へ食い込みます。
世界平均が1平方km当たり50人に対し、日本は300人。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%8F%A...
少子化とか全く問題外の数値ですね。
もちろん、金に任せて食料をガンガン輸入し、ウサギ小屋をにわとりかごへ変更すれば3億でも10億でも不可能ではないでしょう。
(将来は配合飼料を食うんだな)
あまり本気で検討した話ではないとは思いますが、
日本の適正な人口が何人なのかというシミュレーションはあまりにも難しい話です。
例えば、人口が2倍になると食料生産量は2倍にならないといけません。
工業製品に比べて食料は労働生産性があまり高くありませんから、農業従事者の問題もあります。
もちろん、日本では食糧自給率の問題もありますし。
果たして人口が3倍になった場合にこの食糧自給率をどうするのか、
学校など都市インフラをどのように整備するのか、
今では環境問題なども重要な問題です。
3億人が自動車使って、今の生活水準を維持するということが世界環境的に可能なのかはなはだ疑問があります。
ということで、現在の生活水準を維持してということになると実際どう考えても現実的ではないということは分かりますが、適正水準はどこなのかということはなかなか難しいものがあります。
が、一つ考えられることとしては、いつの生活水準まで「戻る」ことを許容するかということを検討した上で、例えば1975年までの生活水準はOKということであれば、1975年までに現在の市町村がもっとも発展していた時代の人口を、日本全国で集計した値というのは日本の国土の余力をもっとも活用した想定人口として考えていいのではないでしょうか。
ある地域の人口が減る理由は
・産業がなくなる・ないことによる移住
・気候・災害などで住めなくなることによる移住
・教育施設などを求めた移住
などが掲げられると思いますので、現在’ピーク時の半分とかいう地域に「産業」「教育施設」があれば再びピーク時の人口は支えられるということになります。
集計に困難を極めるのは「市町村合併」による歴史的人口推移の集計作業が困難を極めるということでしょうか。
ただ、先に挙げた方の「食糧自給率」これは重要な問題で、たとえ人がいたとしてもその人の食料を調達する「お金」がなければ生活はできません。残念ながら昭和初期までは日本の農業の国際競争力はありました工業は国から補助金をもらっていた時代もあるわけです。農業による国際競争力を確保するには日本の農業の生産性、日本円の為替レートの引き下げ(大幅な円安の実現)などが必要になりますが、円安が実現した場合、輸入によって成り立っている産業、石油価格なども高騰することで国内のインフレが悪化します。インフレが悪いことではありませんが、あくまで高齢化社会ではないという前提が必要になります(おそらくここが問題の核心だと思います)。
次に3億人が就業できる産業構造というのはどのような社会になっているかということも考える必要があります。人口が増えるメリットは「内需」の増大であるわけですが、その需要を支える「所得」をどのように獲得するのかということになります。生活水準を1975年あたりに設定すると実現の可能性があるのか、ないのか、1975年あたりですと「環境問題」に関しては全く配慮されていません。リサイクルエコロジーなどないも同然ですからそんな環境ではたして適正な人口を算定して意味があるかということになります。
経済学のシミュレーションなどでは「為替レート」「地価」「各産業の生産性」などを一定と仮定して行うものだとは思いますが、実際これらによって産業構造が変わるという現実をこれだけ直面している中で、これらマクロ政策理論を推計するのは非常に困難なものだと思います。
言い方を変えると、こういった研究、推計は社会に意義あるものですし、多くの人が求めているとても良いテーマだと思います。
計算機パワーが飛躍的に向上していますから、産業連関表の作成なども以前よりは容易になっていますので、1年くらいかけて推計するというのは魅力的な研究だと感じました。
国家のシンクタンクレベルで研究して、一定の条件下での人口適正値を考える事は非常に重要だと思います。
政治家はせいぜい数期の任期さえ無事に過ごし、その間に権力をふるい、私財を蓄えれば良いと考えている人が多いですし、官僚も似たようなレベルに思います。
自身の孫の時代まで考えている人がいったいどれほどいるのか・・・
いつも書いてますが少子化は時代の要請なので、人口減を喜びこそすれ憂うのは近視眼的思考でしかありません。
年金は設計自体が常に右肩上がりを前提にしていますから、そもそもの根本を間違っています。
破綻するのは当然の摂理でしょう。
その上、つまんねぇ飲み食いになんか使いやがって、
とりあえず調べたものは吐き出さないと気持ち悪いので(笑)以下、何かのご参考になれば。
***
お尋ねの概念は「可容人口」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E5%8F%AF%E5%AE%B9%E8%AB%96
または「適度人口」(optimum population 「最適人口」)
http://www.cpm.ll.ehime-u.ac.jp/shet/conference/72nd/72paper/17fujita90.pdf
といったものかと思います。
以下、解釈に間違いがあるかもしれませんが、わかる範囲で。
適度人口については、過剰人口による貧困の防止という観点で主に語られてきたようです。これはマルサスの人口論、そして戦前戦後の日本の貧困状態、食糧不足とともに盛んに議論されてきたとされています。また、20世紀後半、飢餓、地球の環境悪化などの原因として人口爆発が懸念され世界の人口論議が盛んになってきました。
http://dcu.sblo.jp/category/28830-1.html
http://homepage2.nifty.com/tanimurasakaei/new_page_113.htm
反面、スミスなどの古典経済学、そしてキャナン、ケインズは、人口減退は景気後退の原因になりうる、人口増加は生産性を高める、という説をとってきました。
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/6790/1/kenkyu0050000490.pdf
http://www.cpm.ll.ehime-u.ac.jp/shet/conference/72nd/72paper/17fujita90.pdf
では、現在日本の適度人口というのは算出されているのか、という問題ですが、これに関しては見つけられませんでした。
こちらを見る限り、もしかしたら国家レベルではそうした試算は行っていないのではないかという気がします。(要確認)
総務省統計局日本統計年鑑第2章 人口・世帯
http://www.stat.go.jp/data/nenkan/02j.htm
これは98年ごろのやりとりですが、少子化が叫ばれ始めたころでも、そういう試算はされていなかったようです。
>>
第66回人口問題審議会総会議事録
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0424-5.html
「喜多村会長 ・・・最後に適性人口の想定というのが設問にございました。・・・経済・社会が急速にグローバル化しておりまして、経済的諸資源の国際的交流が圧倒的に自由になっています。私も戦後の国土総合開発だとか所得倍増計画にタッチいたし適度人口など研究したことがありますが、今はその事情とはまったく違います。適性人口規模を想定することは意味を持ちませんし、また、あるいは想定は非常に困難だと思うわけでございます。」
「大石委員 最適人口というのは、ピタッと一定数で決まるようなものじゃなくて、こういうものとこういうものの関数になっているような。ですから、こういうシナリオの場合にはこうなる、こういうシナリオの場合にはこうなるというようなことで僕は出していいと思います。
・・・
子どもを生むのは女だけだし、女も何年から何年の間生むからということですと、例えば景気変動予測なんかに比べてずっと簡単だろうと思うんですよ。
だから、学問的意識からいっても興味のある問題として最適人口論とかいうのをやる人が、少なくとももっと出てきていいだろうと僕は思いますがね。難しいことはよく理解しておるつもりですが、誰かやらなくちゃいかん。それは人口問題研究所は率先してやってしかるべきだというような気が僕はしますが。そういうことです」
<<
こちらは6年前ですがこちらでも試算がなされていないようです。
>>
国土審議会第6回基本政策部会 議事概要 平成14年10月18日
http://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/kihon/6/kihon_gaiyou.html
2050年には人口が20%強も減少するということだが、そもそも日本の適正人口規模をどのように見るのか。20%減るような日本社会にするのか、多文化共生を進めていくような日本社会にするかで、将来の姿が全く違ってくる。在留外国人が増えていくかもしれないことを踏まえた記述が必要ではないか
<<
戦前、そしてベビーブームの食糧難の頃は過剰人口が問題視されて適度人口の議論が盛んだったようですが、景気がよくなり、食糧難が克服されてからは徐々にそういった議論はなされなくなったようです。(前掲資料)
http://dcu.sblo.jp/category/28830-1.html
その理由は、上の資料にあるとおり社会の要素が複雑になりすぎて、あるいは変化のスピードが速すぎて試算が困難である、ということと、社会モデルの設定が困難であるということ、そして、人権に大きくかかわってくる、ということがあるかもしれません。
中国の一人っ子政策に関する経緯が一つの国家が「適度人口」を設定することの難しさをあらわしているかと思います。
>>
http://homepage2.nifty.com/tanimurasakaei/new_page_113.htm
中国は一人っ子政策を開始してまもない頃は一〇億の人口でしたが、国家としての〈適度〉人口を考えた時、六億五〇〇〇万人に減らすという議論がわきあがりました。それは主に水問題などから算出された数値でした。ところがその直後の一九八二年七月にウィーンで国連の高齢問題世界会議が開催され、ここで初めて中国は二一世紀には、一人っ子政策によって大変な高齢化が進むという問題に直面することに気付くのであります。
<<
都市レベルでは主に財政に絞って、養える人口を想定しながら合併などを行っており、こちらの資料の多治見市などが細かい算定を行っています。
http://www.city.tajimi.gifu.jp/kenko-fukusi/H17houkokusyo/4-syo.pdf
都市の適正人口についてはさまざまな都市が行っていますが、それぞれ規模の想定もそれに関わる要素も異なっています。
こちらは国土交通省の資料ですが、識者が選んだ国家の適度人口、その理由はどれも異なります。
http://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/keikaku/lifestyle/3/shiryou3-2.pdf
そして「総人口に関する有識者の意見(イメージ)」のグラフでは、各識者がどの時代の社会を理想としているか、そして外国にモデルを求めた場合、どの国をよしとしているか、ということを表しているようです。
農業社会にするか、工業社会にするか、循環型社会か、消費型社会か。
社会のビジョンがなければ算出はできませんし、要素の選定もできず、また選ぶ社会によって数値は大きく変わってくる、ということで、現在は変化のスピードが速すぎてモデルの設定が難しい、ということかもしれません。
そして人口論には政治、また人権の面で常に危うい要素が付きまといます。何を持って「適度」とするか、適度でなければどういう手段をとるのか、ということで悲惨な問題に発展する可能性があり、事実発展した例もありました。
>>
http://www.japanfrom.org/from/pdf/FROM4/4th_AM_Q&A.pdf
人口と環境や資源の関係でも、地球環境が扶養し得る人口の限界( キャリングキャパシティー) というのは、いったいどこまでなのかというのは、まだ定かではない。
<<
とあるように、日本に関しても学問的、技術的に非常に算定が難しい問題であると同時に、倫理的、政治的にも重要でありつつ、非常にデリケートな問題であると思います。
現在は、少子化(人口抑制)とともに食料自給率、エネルギー自給率の面から過剰人口が懸念されている(というよりその点から少子化でもよいとしている)という矛盾した状況ですが、単純に食料で言えば、自給率40%というのは飼料を含めてのカロリーベースでの算出ですので、肉、小麦、大豆製品などを現在の通り豊富にとろうと思うのであれば5200万になります。が、現在米(主食)は100%自給、野菜も80%くらいは自給できていますので、最悪、緊急時には現在の1億3千万弱の人口を十分に養えます。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/pdf/sankou4.pdf
それなりに豊かな食生活なら米の完全自給を達成した昭和43年の一億人ちょっと、もう少し質素でも自給率を上げたいのであれば戦前、昭和14年の自給率86%、7000万人になります。(どのくらいの人口が十分食べていたかはわかりませんが、平均では標準カロリーを超えています。戦後の21年の方が自給率は高いのですが、国民全員が十分な栄養を取れていたかというのはかなり疑問ですので除外しました)
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/kanbou/kikakubukai/18/01.pdf
食料自給率100%、そして環境、地力のことを考え、完全有機農業でいくとすれば、江戸時代末期~明治25年の3000万~4000万になると思います。
http://www.stat.go.jp/data/nenkan/pdf/yhyou02.pdf
http://www4.osk.3web.ne.jp/~nishida5/nisida/dousyu/ronbun/d2_10.htm
(今の耕地面積で現在の人口を有機農業だけで十分食べさせていけるという試算もあるそうですが、キューバが食うや食わずの状況らしいので、完全有機農業はまだちょっと無理かと思います)
エネルギー自給率については18%、原子力を除くと4%で、それぞれ2340万、520万になります。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/energy-in-japan/energy2007html_/part_1.htm
(戦後伸びている民生需要の内訳でエアコンの暖房費が突出していること、国内にはまだ石炭資源があることを考えると、採掘コスト度外視すれば緊急時にはもう少し余裕があるかもしれないと考えたりします。)
食糧安全保障、エネルギー安全保障の面を考えると日本は人口抑制の方向に行かざるを得ないのですが、工業社会、消費社会、財政を考えるとある程度の人口は必要かもしれません。(観光に関しては442万人の雇用増大が見込めるという試算があるので人口増大のほうが望ましいのでしょうが、日本社会にとってはまだ未知数、というところでしょうかhttp://www.chuomitsui.jp/invest/pdf/repo0812_4.pdf)が、抑制にしても増加にしても、急激にするのはほぼ不可能ですし、人為的にやればそれなりのひずみが出てくるかと思います。
http://www.k-shimba.com/policy/policy_column_20070208.html
「人口減少は問題ではない。人口減少に対応できないことが問題だ」とこちらの代議士は言っていますが、少子化に対する日本社会の対応の一つの態度がこれで、これは適度人口にも当てはまるかと思います。社会は変わっていくのでそれに対して臨機応変に対応できる柔軟な政治をしていくべきだというのが理想かと思います(なぜかこの人は適度人口の方はfixさせるべきだと言っているのですが)。
国土交通省では、人口抑制でもなく増加でもない「静止人口」を目指せれば、という姿勢のようです。(前掲資料)
http://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/keikaku/lifestyle/3/shiryou3-2.pdf
ちなみに国立社会保障・人口問題研究所では「予想として」2055年には1955年と同じレベル、9000万~1億人になる、という数値を出しています。
http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest03/z1_1.html
エネルギーは自給からまだまだですが、食料に関してはほぼ全国民が米を食べられる、自給率にしてもそこそこ改善されるレベルですので、今の工業社会、消費社会を緩やかにした形のモデルを目指す、ということになるのかと思います。財政はこれからの景気回復、歳入回復に期待、で、身の丈に合った政治をするか、増税・・・になるかと思います。
そもそもキーワードさえもわからなかったので、「可容人口」「適度人口」「最適人口」「静止人口」といった言葉を知ることができただけでも大収穫です。間に合えば確実にいるか賞ものでした。
このあたりから順に調べていきたいと思います。
ところで適度人口の説明のリンクが間違っていました。お詫びして訂正します。こちらになります。
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/6790/1/kenkyu0050000490.pdf
この方は適度人口の研究者のようでこういう本も出しています。
「適度人口(1959年) (経済分析全書) 」
http://www.amazon.co.jp/%E9%81%A9%E5%BA%A6%E4%BA%BA%E5%8F%A3-1959%E5%B9%B4-%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%88%86%E6%9E%90%E5%85%A8%E6%9B%B8-%E4%B8%AD%E5%B1%B1-%E4%BC%8A%E7%9F%A5%E9%83%8E/dp/B000JARQ6W/ref=sr_1_21?ie=UTF8&s=books&qid=1256416211&sr=1-21
絶版ですが必要なときは図書館などで。