最近,司法試験の合格者数が急増し,弁護士になろうとする人が増えたことにより,弁護士事務所への就職事情が,ごく一部の大事務所を除き,完全に買い手市場になっています。それに伴い,小規模事務所の新人弁護士の初任給が,かなり下がっていて,大卒初任給と同等かそれに毛が生えた程度の人もいるようです。
それでも,「大卒初任給よりいいのであれば,別に十分じゃん」と思うかも知れませんが,実は弁護士ってほかにいろいろな出費があるので,極貧新人弁護士もちらほらいるようです。さて,大卒新卒サラリーマンと異なり,どんな出費があるのでしょうか?
①弁護士会費が高い
弁護士である以上,県の弁護士会と日弁連に会費を払わなければなりません。多いところでは会費が月10万円弱もあり,非常に大きい出費です。
②保険・年金の自己負担
小規模事務所では,社会保険や厚生年金はないことが多く,自分で国民年金や国保に入らなければなりません。サラリーマンの厚生年金だと,事業者負担分もあるので,負担は少し軽くなるわけです。
③交際費がかかる
付き合い等の飲み会の出費が結構かかったりします。また,たくさんの修習生を連れて飲みにいくと,後で財布がすっからかんになったりします。
④家族がいる
出費が多くても,単身ならまだいいのですが,受験時代やその前に結婚をされて扶養家族がいる新人弁護士も少なくありません。新卒サラリーマンだと,まだ単身の人がほとんどですものね。
などなど,事務所によっても大きく異なりますが,やはり出費の額も福利厚生も一部上場企業の方が小規模弁護士事務所よりもはるかに好環境なので,大卒初任給と同程度の給料の新人弁護士は,正直大変なんだろうなあと思います。ちなみに,筆者の場合,弁護士会費が事務所負担で,さらに厚生年金に加入してもらっているので,かなり恵まれているのかもしれません