木通
雲深し通草の花の雨ためて 安藤甦浪(そろう)(「木通」表記ではありませんが)
馬酔木(あせび)
来し方や馬酔木咲く野の日の光 秋桜子
馬酔木咲く岡は野となり岡となる 波津女
杏
杏あまさうな人はねむさうな 犀星
一初
いちはつの花すぎにける屋根並ぶ 秋桜子
一八の花のほとりに封を切る 鷹女
空木…卯の花のことでしょうか?
空は我を生みし蒼さや花卯つ木 水巴
花卯木水模糊として船ゆかず 蛇笏
金雀枝
金雀枝や基督に抱かれると思へ 波郷
海老根
鍬(くは)の刃に掘り来てうゑしえびねかな 梅屋
わが庭にいついづこよりの仏偸草(えびねらん)風生
大犬のフグリ
季寄せには「犬ふぐり」で載っている場合が多いです。
古利根の春は遅々たり犬ふぐり 風生
春昼やものの細かき犬ふぐり たかし
寝ころべばおおいぬふぐり花盛り 山帰来
http://www.mitomori.co.jp/hanazukan/hanazukan2.4.84ohoinu.html
杜若
暁の咫尺(しせき)の靄や杜若 虚子
杜若けふ降る雨に莟見ゆ 青邨
花梨
かりんの実しばらくかぎて手に返す 綾子
桐…桐の花で載っていました。
桐の花こぼれし土になづまさる 風生
桐の花電線二本過ぎゆくも 誓子
烏野豌豆、水蝋の木はちょっと見当たりませんでした。他の季寄せならば載っている場合もあるかと思います。
URLが貼ってあるもの以外は、手持ちの山本健吉編「季寄せ」(S60、4刷)を参照しました。漢字の間違い(旧字や異字体でかかれているものもあるので)や仮名遣いなど間違いありましたらお許しください。
申し訳ありません。