私は「鉄腕アトム」の頃からアニメを見ていますが、革新的な内容については、それ程期待しません。
それよりも、一つ一つのシーン、一話一話の感触、ストーリーはいつの間にか添え物にも似てきます。
各時代のアニメにはそれぞれの特徴と共に共通する感触が付随します。
それは、時代の風とでも表現するべきものです。
私が比較的強くインパクトを受けたアニメを時代順に大雑把に並べてみましょう。
古い作品が多いのは我慢して下さい。
どの作品も、当時は何か新しい物を持っていた作品ばかりです。
「リボンの騎士」「ムーミン」「ルパン三世」「赤毛のアン」「機動戦士ガンダム」「風の谷のナウシカ」「天地無用」「星界の紋章」「トップをねらえ」「ムーンライトマイル」「凉宮ハルヒの憂鬱」
どちらかと言うと絵のキレイな音楽に予算を使った作品が多いのは総合的に感じているからです。
もちろん、件の「エヴァンゲリオン」も、その中の一つです。
当時は学園物全盛の時代で、主人公は必ず高校生の世代でした。
昔からこの年代は使い易いのですが、当時は極端でした。
この作品の特徴としては、性を限定的ながら正面から取り扱った事、音楽が比較的良かった事、絵が優れていた事、そして何よりも全体のノリが良かった。
ただし、中断されるまでは・・・です。
当時はあまりにもマニア向けだと言われ、途中でスポンサーが下りてしまった事もあって中断しています。
それから暫くして、見て感じて良かったと思う人が増え過ぎたおかげで再開されましたが、一旦失った「勢い」は戻らなかった。
最終話前後が無理な感触と共にインパクトに欠けるのもそのせいです。
当時の監督が出ている面白いサイトがあるので紹介しておきましょう。
http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/priodical/torisetsu...
色々な作品から何を感じるかはあなた次第だと思います。
まず、私はエヴァンゲリオンに対して中立であることを頭に置いてお読みください。
世間の意見が全て正解ではないと思いますが、世間の大半の人間が白と言ったことに対して、
黒を提示する少数派であれば、世論が納得する説明が必要でしょう。
あなたは、
「色んなアニメや映画のパクリとオマージュのオンパレード」、
「魅力とされるキャラクターは、どっかの映画とかアニメに出てたキャラのデフォルメで、記号に…」、
「オリジナリティの放棄と確信犯的パクリ」、
などとおっしゃっていますが、要はあなたのエヴァの印象はパクリアニメであるということですよね。
私は特にパクリ感は感じなかったです。
私を含め、世間の方々は恐らくあなたほどのアニメや映画への広範囲に及ぶ知識がないので、
パクリ元の作品やキャラクターを知らなかったのかもしれません。
そのために革新的などという評価をした可能性も有ります。
よってパクリ疑惑をおっしゃるのであれば、世論が納得する情報を提示すべきではないでしょうか?
例えば、
ストーリー自体が「○○」のパクリ。
碇 シンジは「××」という映画の「△△」というキャラのパクリ。 等
私が思うに完全なるオリジナリティを発揮している作品など現在見当たらないと思います。
むしろそのような作品をご存知であれば是非とも教えてもらいたいですね。
音楽、絵画、映画など、芸術分野についての産物は長年の歴史の中である程度飽和状態となり、
崇拝している作者やライバルの影響は必ず受けてしまうのは必然でしょう。
是非ともあなたにも何かを生み出してみてください。
漫画でも小説でも映像でも。
そうすれば自分の中には外部から影響を受けた(あなたの言うところのパクリ)物を自分のオリジナルとして使用してしまうことでしょう。
ああ、ちなみに私個人の意見ですが、エヴァはあなた同様そこまで絶賛される作品とは思いません。
すごいな(斬新だな)これはと思ったのは第1話、2話くらいですかね。アニメの最後の方なんて活字を列挙しただけでしたからね。
使徒ってなにそれ?
この見方自体がもう時期を外した視聴だったわけですね。
ちょっと特異な軌跡のこともよく分かりました。
この解説のおかげでエヴァに少し目覚めたかもしれません。週末は,新劇場版を借りてきて見たいと思います。
大きな字が画面に入りきらなくて、文が折れ曲がってるのは、エヴァ以前には無かったと思います。
現在に至っては綾波のようなキャラはごくありふれたというか、長門系とされるような風潮ですが、なんといいますか、エヴァは『投げっぱなしの伏線』に見えるそもそもそういう設定や意図がなされていない用語など、そういう意味で『謎』にあふれていた為、当時流行りだった『研究本』などの絶好の対象だったというのもあると思います。
早い話がアレで一儲けしてやろうという外野がワサワサ沸いて出たので結果注目されただけの話だと思うのです。
斬新か?と言われれば、そりゃあ自主制作アニメや海外特撮、純文学やSFに触れる機会の少なかった人にはそう見えるんだろうけれども、そういうものに慣れていた人には別にどうと言う事はない作品であったと思います。
んな訳で、お求めの回答になってませんのでコメント欄にて。
当時の商業アニメには無かった前衛的な手法が多用されていた事。
絵の完成度が高かった事。
総合的な作品として音楽・・と言うよりも音響環境全てに制作者が求める印象を与えるように配慮されていた。
いきなりな印象を与えるシーン展開など、意識して多用したのは、この作品が一番印象に残っている。
そういった総合的な工夫は、全て、作品を意図した形にするためにされていた。
後から理屈を付けたらそうなるんだけど、当時はひたすら楽しんだな。
主人公の心の中の性の問題を、謂わば「フューチャー」して語ったのも「エヴァ」が初めてじゃあなかったかな?
控えめな、後から思い出される要素としてではなく。
最終話はやり過ぎだけどね。
ただ,そこに魅力みたいなものはあまり感じないです。
もう歳で凝り固まってて,保守的になっているのかもしれません。
先日,久々に「逆襲のシャア」を見直しましたが,「やっぱこれが落ち着くわ~」って思いました。年甲斐もなく,何回も見てるにも関わらず,感動しちゃいましたもんね。
エヴァは,どうしてもキャラクターから精気を読み取れないんです。ガンダムのキャラはみんなそれぞれ闘いながら生きているって感じがするんだけど,エヴァは,もう第一話のあの目が死んだような碇シンジ見て萎えてしまいました。後半,「逃げちゃいけないんだ,逃げちゃいけないんだ」ってつぶやきながら,頑張るわけですけど,それもとってつけたような感じがして仕方なかったです。あれって,綾波の姿を見て「俺が頑張らなきゃ」って思ったからだとは思いますが,そのあたりの心象描写の掘り下げが凄く不足しているように思います。「このわけわからん状況の中で,なんでいきなりそこまで思いなおせる?」って思います。にも関わらず,エヴァは心象描写が高く評価されちゃったりしているから,「お前らガンダムを知らんのか!」「カイジ読んだことないんか!」って怒りにも似た気持ちが湧き上がります。
ああ、そういうことならなんかわかるなぁ。でもそれは、確信的というか、逆にそういうところに90年代のリアルを感じませんか?子供のくせに妙に冷めてるというか・・・。
自分も、本当はエヴァ世代じゃなくて、どちらかと言えばガンダム世代寄りなんですが、いま見るとガンダムは無駄に熱いです。だけど、だからガンダムよりエヴァが優れていると言いたいんじゃなくて、優れた作品とは、いつも、その時代を映す鏡だということです。
たとえば、自分が高校生の頃、ギリギリまだ、尾崎豊を聴いている友人がいました。しかし、その頃には自分はもう、尾崎豊とか、なんて暑苦しいやつなんだ、と思っていました。思えばあの頃、自分は時代の端境期にいたのでした。
尾崎豊の作品が、素晴らしくない、という人はいません。しかしその時、もう自分は、尾崎豊に、時代のリアルを感じきれなくなっていたのでした。
切れの良い、スピード感のある、と言うよりもあり過ぎて、次に何が来るのか不安になるような、・・。
ちょうどバブルの頃でしたか?
こんなはずはないのに「うちの会社が儲かっている。」という状況が日本全国でありました。
正にその通り。
どんでん返しの不況は現在、国家の屋台骨を揺るがすところまで深刻になっています。
景気が多少回復したと言っても借金頼み。
格差の拡がりと、徹底した合理化無しでは生き残れない、余裕の無い社会が厳然としてあります。
だからこそ、あの当時のイメージが魅力的に感じられる人も多い。
エヴァが性を使ったのも不安定な要素を増やして魅力を増す為だったと思います。
ドライで、派手で、命懸け・・・といったイメージは時代に似合っていました。
今の時代では「落ち着きが無くて、何をするか分からない、危ないヤツ」です。
エヴァそのものが変わったのではなく、周囲が変化したのだと思います。
現時点でも、私には、アレほど変化の落差が大きいアニメは思い付かない。
善し悪しや好みは別にして、時代を表す作品だったんだ・・と思います