あるところに、裕福な一家がありました。
家族は父親と母親、高校生の兄、中学生の弟の4人でした。
父親は実業家でしたが、商売で苦労した経験から、
「お金に関しては家族でも他人」と「恩も恨みも倍返し」という2つの家訓を、
つねづね子供たちに言いきかせておりました。
ある日、弟が兄から10万円を借りました。
ところが約束の日を過ぎても、弟は兄に10万円を返しません。
兄はたびたび弟に催促しましたが、弟はお金を返そうとしません。
とうとう兄は怒って、「明日までに10万円を返せ」と、弟に強く迫りました。
弟は仕方なく、同級生の不良Xのところに行き、自分から脅し取った金を返すように頼みました。
ところがXはあざ笑って、取り合おうとしません。
そのうち口論がケンカとなり、ついに弟はXに殺されてしまいました。
Xは警察に逮捕され、少年院に収監されました。
数年後、Xは少年院から出ました。
Xは出院後の住所をひた隠しにしましたが、兄は執念でXの住所をつきとめました。
さて、兄はXに何をしたでしょうか?
※回答はブックマークやコメントではなく回答で。締切 6/3(木) 22:00以降。
御礼を言った。(金を返さない弟を殺してくれたので)
弟がお金を返さない。
↓
弟が殺される。
↓
家族に保険金が手に入る。
↓
結果、兄の元に弟に貸してたお金以上のお金が手に入る。
↓
それはXのおかげ。
↓
「恩も恨みも倍返し」という教訓の元、お金を取り戻す手伝いをしてくれた恩を返そうとする。
↓
兄はXを訪れると就職先、住む場所とさまざまな生活面で世話をかってでる。
(父親が企業家という事なので就職先はもしかすると父親の会社?)
ここまでで終わりか、もしくはもっと怖い続きがあるとしたら…
お金に関しては教訓の中で家族でも他人としてるので貸してたお金以上を取り戻せた点はXに恩として返す。
しかしそれ以外では家族として、Xに弟を殺されたという恨みも返そうとする。
生活の世話をしてXに平穏な生活をしばらく味あわせたのち、あの手この手でXを心の底からどん底に落とした揚句に兄の手でXを殺害。
※これがこのクイズの答えかどうかわかりませんが、自分で回答かいときながら胸が苦しくなった(^^ゞ
それほどひっぱるようなクイズでもありませんので、締め切りにしてしまいます。
F吉とD菜がB美のところにやってきた。
F吉「また『精神鑑定クイズ』だって。解いてくれる?」
B美は深いため息をつくと、プリントアウトを受け取った。
B美が読み終えると、D菜が質問した。
D菜「ねえ、この問題はどう思った?」
B美は即座に答えた。
B美「すっきりしないクイズね」
F吉「でも『精神鑑定クイズ』って、もともと、すっきりしないクイズだろ?」
B美「そういう意味じゃなくて、すっきりしないの。ひとことで言えば出来が悪いのね」
二人が質問をする前に、B美が尋ねた。
B美「あなたたちはどう思ったの?」
D菜は答えた。
D菜「普通の人は『復讐した』って答えるところだけど、これは精神鑑定クイズでしょ。
だから裏の答えのほうが重要なの。で、それは『兄はXに20万円を返せと要求した』ってものよ」
F吉も同意した。
F吉「だから『お金については家族も他人』で『倍返し』って家訓の伏線があったんだ。
弟が殺された恨みを二の次にしてまでもお金にこだわる兄の冷酷さを理解できたら精神異常、なんだろ?」
B美は首を振った。
B美「それじゃ伏線をぜんぶ拾ってないでしょ。たぶん作者の考えた正解は
『兄はお礼としてXに40万円を支払った』
なの」
D菜「どうして?」
B美は説明した。
B美「『恩も 恨みも』倍返し、なんでしょ?
自分の10万円を返さない弟は、つまり自分に10万円の損害を与えた奴ってことで、
お金に関しては兄弟も何もないんだし、恨みは倍返しなんだから、兄は弟に20万円の恨みを抱く。
でもその20万円分の恨みを、Xさんが晴らしてくれたわけだから、
20万円の恩返しに40万円を支払った、ってことなんだと思う」
F吉とD菜は不満そうな顔をした。
D菜「なんか納得いかない」
B美は申し訳なさそうに続けた。
B美「兄と弟っていう、普通は愛情あふれる関係をまったく無視してるとか、
Xが弟を脅したからこそ、弟は自分からお金を借りざるを得なかった、っていう因果関係をすっぱり無視してるとか、
あるいは因果関係は無視してないものの、『脅されたからといってお金を渡してしまうような弟が悪い』と
考えるようなドライな人間であるとか、いろいろ兄を『精神異常』っぽくする解釈はあるけど・・・」
F吉は納得しなかった。
F吉「この前の『犬を飼っていた女の子』http://q.hatena.ne.jp/1206455357 にくらべて、答えを聞いてもすっきり感がない」
B美は頷いた。
B美「私もそう思う。たぶんこの問題には欠陥があるのね。だから私から質問よ。
この問題が『犬を飼っていた女の子』とか『弔問客に惚れて息子を殺した未亡人』とか、
『息子の大量殺人の第一報を聞いた母親が最初にしたことは?』のクイズに比べて、
いまいちすっきりしないのは、なぜだと思う?」
F吉とD菜はしばらく相談した上で、結論を出した。
D菜「精神鑑定クイズの『裏の答え』は、
物事の因果関係がわからないタイプの精神異常者が思いつく答えじゃなくて、
むしろ頭は普通の人以上に良くて、状況や因果関係もしっかり理解できてるんだけど、
極端に自己中心的で、その人にとっては合理的な解決策でも、まわりから見ると冷徹すぎてギョっとする、
って答えでなくちゃいけないからだと思う」
F吉も付け加えた。
F吉「『犬を飼っていた女の子』でも、『弔問客に惚れて息子を殺した未亡人』でも、
『息子の大量殺人の第一報を聞いた母親が最初にしたことは?』のクイズでも、
主人公にとっては、すごく合理的な行動で、たしかに主人公的にも、客観的な利益を得てるだろ?
でもこのクイズでは、弟が殺されたからって、兄が金銭的に得をしたわけじゃない。
このクイズの答えに納得するためには、兄にとって
『10万円分の恨みを晴らすこと』が、『10万円の金銭を得ること』と同等、っていう条件が必要なんだ。
たとえば『弟の葬式によって香典が集まり、その香典から兄は10万円を返してもらえました』なら、
兄は、そのままではおそらく返ってこなかった10万円が返ってきて、ある意味、得したわけだから、
まあお礼をする、っていう結論は、なんとか納得できる。でもそうしたら、問題として簡単すぎちゃうし・・・」
B美は頷いた。
B美「新たな精神鑑定クイズを作るのは、この問題の作者にはすごく難しかったって教訓ね。
自分のほうが、これよりもうまい精神鑑定クイズを作れるって思ったら、
ぜひ自信を持って出題してちょうだい。待ってるわ!」
--------------------- 謎解き・精神鑑定クイズ・2つの家訓・解答編・終わり ---------------------
※こちらの示した解答に関しては、puriketsu99さんのアイデアで改良させていただいております。ありがとうございます。
本筋と関係のない質問で申し訳ないですが、
『息子の大量殺人の第一報を聞いた母親が最初にしたことは?』
って人力検索の中にあります?
題名だけ見て問題と答えを知りたくなったのですが、あるようでしたらアドレスを教えていただけるとありがたく思います。
『息子の大量殺人の第一報を聞いた母親が最初にしたことは?』ですが、
有名な問題だと思ったのでタイトルだけにしてしまいました。人力検索にはないと思います。
正解ですが「美容院に行った」です。
マスコミ等への露出が多くなるから身だしなみを整えるために美容院へ行った、という解釈でよろしいのでしょうか?
これも心情は理解できませんが、論理としては頷けますね。
細かい部分まで対応いただいてありがとうございました。
兄がXに恩を感じるというのは考えていませんでしたが、その方が問題としてはすっきりしますね。
兄がXを見つけたときは、とても嬉しそうだった・・とかいうヒントがあると分かりやすかったのかもしれませんが、
それでは簡単すぎますかね。
また次のクイズを期待しています。
恨みの元になる事象が、「金銭」と「弟の生命」の2事象であるのに、回答は「金銭」に関してのみの1事象になっている点。弟の生命に関する恨みの倍返しはどうなってる?がモヤモヤ感の根幹と思われますが、いかがでしょうか。
ただ、生命に関する恨みを倍返しというのは、表現が難しいですね。
今回の場合は、精神鑑定クイズというよりかは、マニュアルホラーという印象が強いと思いました。
のことをXに言い40万を請求。