残された命は24時間。
決まってしまったことは仕方ない。
自分でなくても確実に誰かが選ばれるのだ。
法が法なら仕方がない。
有難いことはタイムリミットははっきりしているが
精神的にも肉体もそれまではいままで通りに活動できるということだ。
まず、現実的にしなければいけないことをする。
急に決まったので有効な遺言書を急いで弁護士に連絡して作成した。
さすがに国も弁護士の手配まではしてくれない。
内容は以下の通り
・わずかな預貯金の使われ方
これは法律通りで問題ない。
ただし諸手続きが面倒なので、
実店舗がある銀行、ネット銀行ともに死亡した場合の対応を調べてプリントアウトしたものと
また、持っている通帳とカード、ネット銀行の口座番号をファイルにして遺言書と一緒に保存してもらった。
・死体の処理について
これは国が行うが可能ならば外科手術の教育や研修にしてもらいたい旨明記した。
・残された書籍類の処分について
これは売ってしまっていいものと寄贈して欲しいものがあるので、
残った預貯金で配送費用を賄って欲しい旨を明記した。
http://homepages.wmich.edu/~jangles/bookcollection.htm
・その他、残った物品について
衣類、カバン、靴、PCなど処分は家族に任せると明記した。
ただし、腕時計だけは友人がうらやましいといっていたので、これも遺言書とともに預かってもらうことにした。
(普通に郵便局にそのまま持って行ってもらえばいいように梱包済)
・友人知人への通知
アドレスデータの入ったディスクと文面について記した。
文面はお世話になったお礼と死亡予定日の実務的な文面にした。
決して選ばれたとは書けなかった。
通知についてはDMなどの印刷発送会社に依頼して欲しい、費用は残った預貯金でと記した。
遺言書を作成し終わって対価を支払うと、高校の同級生だった彼は言った。
「これが本当に法治国家のやることなんだろうか」と。
そして事務所を後にし、家に戻り現実的なことをした。
「死に装束」としての衣類以外の衣類の処分。
寄贈して欲しい書籍の箱詰めと宛先記入、それ以外の書籍の箱詰め。
そして使用していたPCの初期化。
物理的な手紙のシュレッダーでの裁断。
これだけで日が暮れてしまった。
あとはゆっくり好きな入浴剤をいれて入浴して身だしなみを整え、死に装束として選んだスーツに袖を通した。
好きな布団の上で死ねるのはよかったかなと思った。
薄れゆく意識の中、最後にした悪あがきは果たして成功するかと考えた。
寄贈書籍の中に、この法案の発案者の書籍がある。
それにはこう記した。
「この法によって"処分"された者の遺志による寄贈本である」と。
一発勝負です。
ネタでも、小説風でもいいですが、
できればスタンダード(?)なのがいいです。
「こんな大雑把なもので書けるかっ!!」
という方は、自分で設定考えてください。
「消える」というのも、
死ぬのか、ファンタジーっぽく灰になるのかも分かりません。
いろいろと考えることがあった中で作った質問です。
変なところもありますが、多めに見て頂けると嬉しいです。
設定として意識したのは星新一「生活維持省」と間瀬元朗「イキガミ」です。
村上春樹「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」みたいに実験の失敗にしたかったのですが、
ある程度覚悟はできているが理不尽であるという前提にしたかったので、これは無理かとあきらめました。
あ、そうだ。「イキガミ」だ。
なんか、「何かに似ているな~」と思って、
名前が出ませんでした。
一つの言葉だけだと、
ここまで反応が違うんだなぁ~と思いました。
正直、「あえて選ばない」ことも考えましたが、
ほのぼのした、だけどどこか寂しげなところがよくて、
最終的にこうしました。
ポイント浪費してしまいました。
次するのは数ヵ月後になりそうです。