おそらく答えられる人は、日本に数百人以上はいると思うのでお願いします。
テレビを見ても、基礎の分かっていない人の報道ばかりなので、全く参考になりません。
1.
制御棒で遮断することで連鎖反応は止まったのでしょうか。それとも水で遮断しないと連鎖反応が起きる可能性があるのでしょうか。
遮断するものは中性子でしょうか。
水を入れる目的は冷やすことでしょうか、それとも中性子を遮断することでしょうか。
2.
現時点で、水がないと、一本一本の燃料棒中のウラン化合物が露出する可能性があるのでしょうか。
露出する理由は、1本の燃料棒中のウラン化合物だけで、その周りの防護材を融解するだけの熱が出るのでしょうか。
1.
軽水炉の場合は、減速材と冷却水を一つの水(軽水)で兼用しています。
軽水炉でも加圧水型と沸騰水型がありますが、今回の原子炉は後者です。
つまり、減速材として使った水そのものを蒸気に変えタービンを回す仕組みになります。
軽水炉の場合は、制御棒を動かすことで中性子の量を調整して制御するわけなのですが今回の場合
弁の故障とかでこれが動作しません。
そこで、制御する方法として減速材をいれて反応を弱めるという手段しかどれません。
もちろん、冷却も必要です。減速材として水にホウ酸などをいれる場合がおおいです。
冷却してとめるというわけでなくて、反応速度を弱めない限り冷却程度では反応は止まりません。
関係者の皆様は決死で闘ってくださっている訳ですし、今は二重で無事を祈るばかりですが、個人的には重大な汚染は広がっても20km圏内で収まる(それはそれで洒落になりませんが)という事になるのではないかと考えています。もちろん全てがうまく収まればこれ以上の『レベル』の汚染はないのではないか、とも思っております。
原爆の場合は『放射化』という状況が発生します。これは原子爆弾の『核爆発』で発生する中性子など、強力な放射線によってその周囲にある物質が放射能(放射線を出す能力)を帯びてしまう事なのですが、それもどのあたりで爆発するのか(高々空か、空中か、地表か)というあたりで状況は随分変わってきてしまいますので一概に申し上げられません。例えば広島の原爆では空中で爆発し、地上にあったものを放射化、猛烈な熱と衝撃波で近傍の様々なものを焼き、破砕して空中に巻き上げ、広い地域へ雨と一緒に『死の灰』が降るという状況が発生しました。また、太平洋上で行われた水爆実験では地上爆発でサンゴで出来た島を放射化し、舞った塵は風に煽られかなり広い地域へ降り注ぎました。(このあたりは『核爆発災害』(高田純・著/中公新書)が詳しいです)因みに各国が行った地上核実験は全世界にセシウム137を撒き散らしましたし、チェルノブイリ原発事故で飛散した原子炉由来放射性物質は日本でも検出されました。
ですので、一概に比較が出来ない訳なのですが、例えば東京が深刻な汚染を受けるような事態にはならないのではないか、と思います。もちろん、汚染がまったくないとは言えませんし、本日午前中に検出されたレベルの放射線や放射性物質は降ってくるのだろう、と思います。それを重篤なレベルと見るか許容できるレベルと見るかはもはや個々の判断に委ねざるを得ないレベルの話ですので、私は回答を控えさせていただきます。
因みに私は政府が設定した立ち入り禁止区域近傍へ行く事を躊躇いません。
感触も含め、非常によく分かりました。
最悪の場合を多くの人に知らしめることは、決死で闘ってくださっている関係者の皆様に対する感謝の念が上がることはあっても、下がることはないはずだと思っています。