という記事が出ていますが、化(?)学的にはどういう説明になるのでしょうか?
原子炉が通常稼働中には、非常にゆっくりとした「核分裂反応」が起こっています。
原子爆弾のように、爆発が起こらないのは
1 核分裂する物質であるウラン235の割合が少ないので、核分裂が起こる頻度が低い。
2 核分裂反応のときに生じる中性子を、制御棒等で吸収するので、次の核分裂反応(中性子が必要)が起こりにくい。
ためです。
原子炉の運転を停止するには、制御棒を操作して、核分裂反応の連鎖を停止させます。
核分裂反応が停止すると、高温になる反応が止まります。
軽水炉では、水の沸騰が止まるので、タービンの回転が止まり、発電は停止します。
この停止状態では、反応の余韻で燃料棒は高い温度になっています。
さらに、燃料であるウラン235も、その周りの不純物のウラン238も「核崩壊」現象により発熱します。
原子炉を停止して、冷却を開始すると、核分裂反応による高温は、徐々に熱を奪われていきます。
そのため、ある程度の温度までは下がります。しかし、核崩壊の熱が「常に発生」しているため、それ以上は下がりません。
使用済み核燃料の保管プールも同様で、核崩壊のエネルギーを取り去らないといけません。
そのため、循環冷却を行なっているわけです。
この、核崩壊のエネルギーは、地球内部のマントルを熔かすエネルギーでもあります。
結構侮れません。