就活の時リクルートを受けた者です。
(入社はしておりません)
まず、この3社に共通するのは「広告業界の大手」だということです。
広告業界というのは、ヒト・モノ・コトに関する情報を操ることを商売にしている業界です。
例えば、あるメーカーがモノを作りそれをお金にするためには、そのモノを売る必要があります。
1個売るのは簡単ですが、10万個、100万個と売っていくのは、自分の力だけでは限界があったり時間が掛かり過ぎたりします。
そのモノがいかに良いモノでも、消費者に知られなければ買ってもらえませんから。
そこで登場するのが広告です。
広告は、一気に多くの消費者にその「モノ」の情報を、良いモノだというイメージと一緒にばら撒くということが目的です。
一番身近な広告は、テレビコマーシャルや新聞の折り込みチラシなどですね。
ここまではなんとなく既にご存知かと思います。
テレビや新聞は、メーカーの代わりにモノの宣伝をしてあげるというのが主な仕事です。
(メーカーがモノを作りながら宣伝もするのは大変ですから、宣伝は私達に任せて下さい、というのがテレビなどの広告屋さんなんです)
しかし大きなテレビ会社や新聞社の数は限られています。それに比べてメーカーなどその他の企業の数は多いです。
そのため、当然ながら全部のメーカーの宣伝を代わりにしてあげることは出来ません。
では、どのメーカーの宣伝をするのか。それを一緒に考えてくれるのが電通や博報堂などの「広告代理店」という会社です。
一緒に考えてくれる、と言っても、ただの相談役ではありません。
「宣伝してほしい会社集まれ!」と言ったら、基本的に全部の会社が集まってきてしまいます。
じゃあお金を一番多く出せるところを宣伝します!となったら、非常に大きな会社しか宣伝されなくなってしまいますし、
そんなことをすると本当に莫大なお金を出さないと宣伝してもらえない、ということになり、じゃあ自分で頑張って宣伝した方がいいや、ということにもなりかねません。
それでは一般の企業も広告屋さんもどっちも損です。
そこをうまく調整するのが電通などの広告代理店です。
ここの会社はこれだけのお金を出せるから、これだけ多くの消費者が見ているこの時間帯の番組のCMにしたらいいよ(テレビの場合)、
こっちの企業はこれだけのお金しか出せないけど、ここの時間帯の番組のCMなら出来るよ、という具合に調整するわけです(実際にはこんなに単純ではありませんが)。
ただ、現実にはそんなに単純な話ではなく、電通や博報堂自身もそれだけをやっているわけではありませんから(テレビと同時に新聞、インターネット、雑誌等色々やってます)、
他の仕事との兼ね合い(他の仕事で付き合いのある企業をヒイキしたり)等も混ぜあわせて調整しているのが現状です。
また、例えば、広告代理店が一般企業に「あそこの広告屋(テレビ局など)はやめた方がいい」というと、テレビ局の仕事も減ってしまいます。
言い方としては「あそこの広告屋を使うなら、もう二度と世話してやらない」と言われると、一般企業も、じゃあ電通さんの言うところでいいです・・となりますよね。
そんなことをされたくないので、広告屋も広告代理店には何も強くは言えません。
もはやテレビ局と一般企業の意思で契約が行われるのではなく、広告代理店の意思で行われていると言っても過言ではありません。
でも広告代理店もたくさんあったら、一般企業は電通や博報堂以外のところを入り口にして広告屋さんに依頼すれば良いのでは?と思いますよね。
しかし、現実には、テレビ局のCM枠の場合、7割は電通に任されていると言われます。主な枠だけで言えばほぼ10割でしょう。
つまり、電通を通さないとロクなCMを打つことは出来ないということです。
また、電通に黙ってこっそりCMをやろうとでもしようもんなら、「もう絶対に何も世話してやらない。企業イメージボロボロにしてやる」と言われてしまう可能性もあります。
これでは、どこの企業も素直に電通に頼むしかないのです。
(もちろん電通が間に入ることでマージンが発生し、お金も高くなりますが、これもしょうがないのです)
これが広告代理店と呼ばれる電通や博報堂の基本的な形です。
この構図を見るだけで、なぜ電通や博報堂の就職偏差値が高いかなんとなくお分かりだと思います。
日本中のある程度の大きさの企業なら、絶対に宣伝をしたいです。
会社は宣伝をしなければモノやサービスが売れないのだから当たり前です。
その宣伝をしてくれる会社と繋がっている(もしくは囲っている)のが電通や博報堂なのですから、
企業からお金をもらう立場にも関わらず、電通や博報堂(特に最大手の電通)は、立場的には企業よりも上なのです。
また、日本の広告の中枢に位置しているということは、裏を返せば企業の悪いイメージを宣伝することも得意だということになります。
よって、電通のような大きな広告代理店に「あんたの会社の宣伝は二度としてやらない」とか「あんたの会社のイメージをボロボロにしてやるぞ」等と言われると、企業側としては何も言い返すことが出来ないというのはお分かりだと思います。
こういう世の中の優位な立場に立っているのが電通や博報堂といった企業です。
だから就職偏差値は必然的に高くなります。
リクルートというのはこの2社とはまた少し違って、自分でインターネット上で広告を出したり、
「ホットペッパー」などの収益率の高い広告媒体を編み出したりしている、言わば普通に優秀な企業です(でした)。
電通や博報堂とは構造は違いますが、同じく「広告」を仕事にしている企業です。
広告というもの自体が、世の中でとっても大切なものなので、それを扱う中の優秀な企業ということでリクルートもまた、人気の会社ではあります。
ちなみに、最近はインターネットという新たな広告媒体が生まれ、テレビなどの広告価値が下がっています。
しかし電通などの広告代理店にはあまり関係がありません。
電通はテレビだけではなく、あらゆる広告媒体と絡んでいるので、1つの広告媒体が沈んでもあまり影響を受けることが無いのです。
広告というもの自体が潰れることは、現在の世の中の構造上絶対にありえませんので、そういう意味でも広告代理店というのは優位に立っている企業と言えます。
以上、正体というには浅いかもしれませんが、これらの企業のおおまかな仕事内容というのは以上のようなものです。
それらはすべて広告屋さんです。前二者はCMの、リクルートは就職情報の広告で稼いでいます。広告ですから、ランキングとか公平ではなくて、求職者が参考にすべきではありません。