ちなみに馬、牛、豚は哺乳類(ウサギ、犬、猫、ヤギ、羊も哺乳類)、鶏は鳥類です。基準・罰則が確定している「牡蛎・蠣」は貝類・軟体動物です。
鯨はれっきとした「哺乳類」です。ついでに魚類の食用肉の基準の情報も探しましたが見つかりませんでした。もしかしたら、鯨の肉は魚?扱い。
食用肉の基準って本当に整備されているのでしょうか?
生食用冷凍鮮魚介類の規格基準を適用することになっています。
○食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について
(昭和四六年四月一九日)
(環乳第四〇号)
(各都道府県知事・各政令市市長あて厚生省環境衛生局長通知)
食品衛生法施行規則(昭和二三年七月厚生省令第二三号。以下「省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和三四年一二月厚生省告示第三七○号。以下「告示」という。)の一部がそれぞれ昭和四六年三月二三日厚生省令第六号及び厚生省告示第五四号をもつて別添のとおり改正され、昭和四六年六月一日から施行されることになつたので、左記事項に御留意のうえ、これが運用に遺憾のないようされたい。
記
一 改正の趣旨
(一) 輸入食肉の証明について
近年の食肉の輸入の実態を勘案し、輸入食肉に添付される証明書の記載事項が改められるとともに、その取扱いが明確にされたものであること。
(二) 冷凍食品について
国内の低温流通の技術的な開発に伴う冷凍食品の生産・消費の増加、流通範囲の拡大等の実情に鑑み、冷凍食品の範囲が拡大されるとともに生食用冷凍鮮魚介類の規格基準が定められたものであること。
二 改正の要点
(一) 省令関係
(1) 輸入食肉の証明について
ア 省令第二条の二の規定による獣畜の肉及び臓器に添付する証明書の記載すべき事項にと殺解体が行なわれたと畜場の名称及び所在地等が追加されたこと。
イ 省令第二条の三が新たに設けられ、獣畜のと畜検査が行なわれた国以外の国において枝肉等を分割・細切等の処理を行ない我が国に輸入する場合には、当該処理を行なつた国の証明書に、当該獣畜のと畜検査を行なつた国の証明書の写を添付することとされたこと。
(2) 冷凍食品について
ア 省令別表第三第七号に掲げる冷凍食品の範囲が拡大され切身又はむき身にした鮮魚介類を凍結させたものであつて容器包装に入れられたものについても標示を要することとされたこと。
イ 省令第五条第一項ワが改められ、切身又はむき身にした鮮魚介類を凍結させたものであつて容器包装に入れられたものに、生食用であるかないかの別の標示を要することとされたこと。
(二) 告示関係
(1) 冷凍食品について
省令の改正に伴ない切身又はむき身にした鮮魚介類を凍結したものであつて容器包装に入れられたものが冷凍食品として取り扱われることとなつたこと。
(2) 生食用冷凍鮮魚介類について
切身又はむき身にした鮮魚介類であつて生食の用に供されるものを凍結させた生食用冷凍鮮魚介類について成分規格、加工基準及び保存基準が定められたこと。
ア 成分規格
細菌数(生菌数)は検体一g当り一○万以下、大腸菌群は陰性とされ、それぞれ測定法、試験法が定められたこと。
イ 加工基準
原料用鮮魚介類の取扱い、処理、加工の方法、使用水、器具等について所要の規定が設けられたが、加工に当たつては化学的合成品たる添加物を使用してはならないことが特に明確にされたこと。
ウ 保存基準
清潔で衛生的な合成樹脂、アルミニウム箔又は耐水性加工紙で包装することと定められたこと。
(3) その他
生食用冷凍鮮魚介類の規格基準が定められたことに伴ない、所要の改正が行なわれたこと。
ア 氷雪の項について
生食用冷凍鮮魚介類の細菌数の測定法に準用される氷雪の細菌数の測定法のうちブドウ糖加寒天培養基が標準寒天培養基に改められたこと。
イ 生食用かきの項について
生食用冷凍かきについては生食用かきとして取り扱うこととされ生食用冷凍鮮魚介類と平仄をあわせ所要の改正が行なわれたこと。
ウ 食肉および鯨肉の項について
生食用冷凍鯨肉は、生食用冷凍鮮魚介類の規格基準を適用することとされたこと。
エ ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールの項について
魚介冷凍品及び鯨冷凍品に使用を許可されているジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールの項において生食用冷凍鮮魚介類に使用が認められないこととされたこと。
三 運用上の注意
(1) 切身又はむき身にした鮮魚介類を凍結したもので容器包装に入れられたものについて生食用であるかないかの別の標示を要することとされたが、その標示は、生食用のものにあつては、生食用又はさしみ用、生食用でないものにあつては、加工用、フライ用又は煮物用等の文字を名称に併記する等明確に記載するよう指導されたいこと。
(2) 冷凍食品は、容器包装に入れられた時点が凍結の前か後かを問わず、所定の標示を必要とするものであり、また、保存基準の適用を受けるものであること。
(3) 生食用冷凍鮮魚介類とは、切身又はむき身にした生の鮮魚介類であつてそのまま又は細切して摂食できる生食用のものを凍結したものであること。
(4) 氷雪の項の細菌数の測定法の改正により、生食用かき及び粉末清涼飲料の細菌数の測定においても標準寒天培養基を用いることになるので留意されたいこと。
(5) 生食用冷凍鮮魚介類の加工にあたつては、次の事項に留意のうえ指導されたいこと。
ア 原料用冷凍鮮魚介類を解凍する場合は、飲用適の流水中で行なうか、一○度C以下の低温の室で行なうこと。
イ 原料用鮮魚介類は、頭、うろこ、内臓の除去、洗浄等の前処理と細切整形等の加工とは、別個の室で行なわせ、前処理の済んだ清潔なもののみを加工室に搬入するようすること。
ウ 細切、整形等を終了した切身又はむき身の生食用鮮魚介類は、速やかに(少なくとも三時間以内)に凍結させること。
(6) 省令及び告示ともに改正事項は昭和四六年六月一日から施行又は適用されるので関係者に周知のうえ事前に十分指導されたいこと。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya...
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0903/h0317-3.html
一応鯨肉についての基準がない事もないのですが、生食として現在多用される冷凍鯨肉に関しては温度条件が存在するだけで、これという基準は存在しません。
と、申しますのは、これまでクジラによる大量食中毒事件が発生しておらず、牛に関してはO-157による大量食中毒、牡蠣に関してもノロウイルスによる集団食中毒が発生し、共に多くの死亡例が報告されており、その為に現在牛と馬に関しては特にO-157に関しての規定が存在すると考えるべきかと思います。
馬に関しては、私は集団食中毒の発生を聞いたことがありませんが、馬肉の消費用途の多くが馬刺しであるという実際の要請から基準が作られたと推測しております。
生食用馬肉が市場に出回っているのは、上記に述べました通り、現在その大部分が生食用途として存在する為、と殺場や食肉加工場を生食専用とする事が可能であるからと思われます。一方牛肉は加熱用途がほとんどである為、需要の少ない生食用ラインを別途設定する事がコスト的に無理だったという現実もあるかと思います。……先見の明があった焼肉チェーン店などはユッケについて馬肉を用いている所も多いようです。個人店においてはユッケなど生食用牛肉に関しては肉の塊の芯を使う事が基本とされていますので、厚労省基準でいうトリミングが常識的に行われていると考えてよろしいでしょう。
豚や鶏に関して基準がないのは、豚は基本的に生食する習慣がないこと……SPF豚が登場した頃、一時豚刺しという話も聞かれましたが今ではとんと聞きません。鶏に関してはカンピロバクターによる食中毒の主因食材であり、ごく一部の専門料理店以外では生食が行われていない……加熱しての喫食が基本となっている事からその基準が存在しないのでしょう。それ以前に鶏の場合は小売店レベルでの解体すら行われていますし、牛や豚と比較して熟成等の行程が短く取られるというのもあるかもしれませんね。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya...
http://www.mhlw.go.jp/shingi/0105/s0518-1.html
魚の生食については、腸炎ビブリオによる食中毒が懸念されていますので、上記のような基準が存在します。……ぶっちゃければきちんと冷やして真水でよく洗え、という事になります。
私が調理師試験を受けたのは一昨年前という事になるのですが、やっぱりノロウイルスに関しての話が多かったですね。
法治主義においては過度の予防措置というものが行われないというのは事実です。仮に予防措置に関する法を作った場合、それは運用されなければ意味がありません。例えば保健所などは適時飲食店や卸売市場、流通などへの立ち入り検査を実施しています。
ただ、これにも限界があります。
例えば今は山菜取りのシーズンですが、ドクセリやハシリドコロの誤食による食中毒が発生する事もあります。山の幸という事であればキノコなどは連想しやすい話ですよね。釣りでの食中毒というものもあります。フグの素人調理による中毒からシガテラ中毒というものもありますし、貝毒もあります。前者はフグを自分で調理して食べない事、後者は有毒物質産生プランクトンが発生している海域の魚や貝を食べない事が回避方法なのですが、中々これを法で縛る事は出来ません。
http://www.tsurisunday.jp/news_spiral/post_4.php
また、狩猟で獲った鹿や熊の冷凍肉を刺身で食べた事により寄生虫症を発症したという事例も多々あります。今は廃れましたが、ドジョウの踊り食いが流行した頃は有棘顎口虫による健康被害もよく聞かれました。鮎の横川吸虫やタニシの肝吸虫というのも今ではほとんど聞かれなくなりましたが往時は結構あったそうです。近年では鯖のアニサキスの方がよっぽどメジャーな寄生虫になりましたかね?
そんなこんなで、食文化というのはそれこそ有史以前から人類が脈々と築き上げてきた文化でありますし、郷土文化もあります。多種多様な食に纏わる疾患を法で縛るには時にその文化を破壊する事にもなりかねず、多くは経験や伝承、固有の技術などでそれを回避してきたというのが現状です。
個人的に思いますには、問題の原点はそういった経験や技術を不用とする論がまかり通っており、全ての食材は何もしなくても安全であるべきという風潮の蔓延にこそあるのではないか、と思っております。
くーたかんもんをくーたかんもんに喰わすんがあかんのではないかと。
私も、気になることを思いつきますと「知りたい」と言う気持ちが湧いてきて、他人から見ればつまらないことでも質問してしまいます。
今、あまり食べられないですが鯨肉は好きです、なんとも言えない味がします。時々ですが古いのか少し血なまぐさい事があります。
話が横へ逸れましたが、貴重な意見を頂きまして、私の知らない事が盛りだくさんで感激してます。まだ、終了してないので「回答欄」を使ってもらったらよかったかなぁと感じますが、イルカは無理ですが「食中毒賞」はいけませんから、食あたりしないよう私の好きな「鯖の生鮨賞」でも、終了後に
大量に喫食されるお弁当屋さんや集団給食施設、大手チェーンや食品工場だとHACCPシステムの導入とか衛生管理もかなり厳しい事をやっていますが、個人店だとそこのご主人がどう思っているかなので色々難しいですよね。えぇ、もう。
ただ、伝統料理などですと現在の基準では問題とされるようなあたりをつっきらなければならないこともあるんですよね。ここについては色々商売上の秘密というか、技法があるので多くは語れませんが。
鯖の生鮨はまだピシャっとしたものを拵えられませんし、そもそも店が潰れてしまったのであれですが!
http://webcache.googleusercontent.com/search?lr=lang_ja&oe=utf-8&rls=org.mozilla%3Aja%3Aofficial&client=firefox&hl=ja&q=cache:lAW20zXfvEUJ:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_document.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=SEARCH&SMODE=NORMAL&KEYWORD=%82%C6%92%7B%8F%EA&EFSNO=5941&PAGE=1&FILE=610638023224.tmp&POS=0&HITSU=1+%22%E9%A3%9F%E5%93%81%E8%A1%9B%E7%94%9F%E6%B3%95%E6%96%BD%E8%A1%8C%E8%A6%8F%E5%89%87%E5%8F%8A%E3%81%B3%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%80%81%E6%B7%BB%E5%8A%A0%E7%89%A9%E7%AD%89%E3%81%AE%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%81%AE%E4%B8%80%E9%83%A8%E6%94%B9%E6%AD%A3%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%22+%22%E6%98%AD%E5%92%8C%E5%9B%9B%E5%85%AD%E5%B9%B4%E5%9B%9B%E6%9C%88%E4%B8%80%E4%B9%9D%E6%97%A5%22&ct=clnk
>それにしても、詳しい説明ありがとうございます。
最初に書いた『生食用冷凍鮮魚介類の規格基準を適用することになっています。』は、後に掲載した改正の詳細の中から抜粋したものです。
該当の箇所を判りやすくすべきでした。
すみません。
回答の中の、以下のところに書いてありました。
二 改正の要点
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(二) 告示関係
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(3) その他
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ウ 食肉および鯨肉の項について
生食用冷凍鯨肉は、生食用冷凍鮮魚介類の規格基準を適用することとされたこと。
品位は落ちますが、私は「虫の同好会」等に参加してます。そこでは「虫料理」なども紹介し、勧める方もいますし(私は食べる気にはならないのですが、寄生虫や細菌の問題より、ホルモンと同じく「気持ちが・・・」が主因ですが)ある別の研究会では大学教授をやっておられるメンバーの先生と忘年会の席を共にさせていただいた時に、その席でその先生は「【衛生管理無視、細菌だらけで(食中毒可能性大)の】見かけ上綺麗なロース肉と、無菌の(人体に影響が無いという意味で)ゴキブリのから揚げのどちらかを食べなさい」と言われたときどちらを選びますか。と言う質問をメンバーにされた事がありました。・・・私は答えられませんでした。
恐らく皆は【】の伏せられた情報ではロース肉選ぶのでしょうね。
お粗末でした。
興味深いです。
知り合いが、寄生虫の研究をしています。同じ研究者でも寄生虫を口に入れられる人と入れられない人に分かれるそうですよ。知り合いは、入れられない方です。あくまでも研究は研究ということで趣味とは違うとのこと。
>「【衛生管理無視、細菌だらけで(食中毒可能性大)の】見かけ上綺麗なロース肉と、無菌の(人体に影響が無いという意味で)ゴキブリのから揚げのどちらかを食べなさい」
科学を取るか、非科学を取るかという質問ですね。
気持ち的には科学を取りたいですが、目の前に置かれたら・・・・。
とても面白いお話有難うございました。
そして秋刀魚でうるかのようなものを作ったのをボンヤリ思い出したりも。腸だけで作ったんですけどね。苦かった(^^;