現実路線でいうと、与謝野さんだと思います。
官僚を批判すること自体まず的外れですし、日本のように成熟した経済では、政治と行政がちょっとなにかしたからといって景気がよくなることはありません。
規制緩和で景気がよくなるなんていうのは幻想です。日本の経済が強かった頃の方が規制はより強固で多岐にわたっていました。
デフレと経済全般の元気のなさの原因は、まず①人口減少、②日本企業が優位性を維持できるセクターが減ったこと③衰退産業から有望産業への労働力の移動がほとんどおきなかったこと、この3つにあります。
この3つの要因は社会における価値観の変化、世界がより競争的になったことから生じたことであり、政治家や官僚のせいではありません。
たとえば、炭鉱労働者がいきなりJAVAエンジニアになれますか?土木作業員がいきなり外資系の証券会社でデリバティブのプライシングとかできますか?極端な話、そういうことなんです。個々の労働者のキャリアパスは国家の責任事項ではないんです。
官僚は今の方が天下りのポストも少なくなり、旨みは日本が元気だった頃より減っているのです。また、官僚を叩かないとビジネスにならない人がたくさんいるから天下りがいつも槍玉に挙げられるのであり、ほとんどの官僚はキャリアもノンキャリもまじめにやっています。一部の裏金スキャンダルで日本の官買いを一様に悪の殿堂のようにいうのは間違っています。日本の官の堅牢性があるからこそ、社会が安定しているのです。
たとえば、日本がギリシャのようにならないのは、国債の保有者構成が国内勢に偏っているからというものですが、もうひとつの理由は、源泉徴収機能が恐ろしく厳格に運用されているからです。これは財務省を頂点とした官僚機能が非常にしっかりしていることと、国民のモラルが高いからです。官が本当にどこもかしこも腐っているなら、国民はこんなに高いモラルを持ちません。国民のモラルと官の常態は表裏一体なのです。
ちょっと話がそれましたが、与謝野さんは、多分、財政規律を厳格化し、国家支出を減らすと思います。となると、国にすがって生きていく人が減ります。そうなると、民は自助努力をするしかない、となるのです。民が世界の大競争を意識し、個々を高めることによってしか、日本は賢い衰退軌道には乗れません。
財政規律は、そういった意味で、大きな重要性を持つのです。
日本は徐々に衰退してゆくことは、他国の事例を見ても明らかなことです。衰退するにあたり、賢く衰退する方法を考えなければなりません。そのスタートが『国が面倒見ることを止める』です。
ちなみに、ぼくは物理学科卒、ソフトウェアエンジニア出発、その後外資系証券、外資系運用会社、国内系上場企業(広報室長・経営企画担当取締役等歴任)の完全民間出身者です。
報道機関との付き合いが多かったので、報道の欺瞞をたくさんみてきました。報道を信じてはいけませんぞ・・・自分の目で確かめましょう。
とりあえず、きちんと説明してくれる人がいいので池上彰さんとか。
いままで政治家業しかやったことがないような人世間知らずなひと以外で。
今の政治家の中ではいないですよね。