ネットバンキングやネット証券では通帳や証券などリアルな書類が存在しな
いものがほとんどですが、契約者本人が事故などで急死した場合、親族の相
続対象者がその契約内容を知る手段はあるのでしょうか?
どこへ加入しているのかの情報すら残っていなければ、調べるきっかけがな
いように思われます。
逆に、加入内容やID、パスワード、秘密の合い言葉などの情報を何らかの
形で残したとした場合、その情報を知った者は成りすましをすることが(技術
的には)可能であり、正しい相続手続きが行われない可能性があります。
ネット金融機関では契約者本人の死亡などで、長期間アクセスが無い状態が
続いている場合、どのように対処することになっているのでしょうか?
ネット金融機関では契約者本人の死亡による相続ではどのように名義書き換
えを行うのでしょうか?
上記のような話題を詳しく説明しているWebサイトがあれば紹介してください。
元インターネット証券会社勤務です。
わかる範囲でご回答します。
※ただし、会社により取扱が異なることと、法律の改定により現況は多少異なるかもしれません。
※また、証券会社でも様々な部署があり私はバックオフィス系ではなかったので、間違いが一部あるかもしれません。その際はご容赦ください。
まず、相続人が知るきっかけですが、相続手続きに証券会社や銀行側から何かしら書面をお送りすることはまずはありません。
ですので、被相続人が残した情報(たとえば、手帳や有価証券報告書、通帳等)をきっかけにして、各金融機関に問い合わせを行う必要があります。
まったく情報がない場合は、確定申告などの情報も参考にしつつ、被相続人にそういった所得があるか確認したり、または、口座の有無を個別に確認するしか方法はないと思われます。
通常、証券会社によっては定期的なダイレクトメールや報告書をお送りしている場合もあるので、こういったものが金融機関から被相続人宛に送られてきた場合は、確認するのも有効かと思います。
次に、長期間のアクセスがない場合にどうするかという点ですが、私が現役の際は
まだ世の中にインターネット証券が発足してそれほど時間がたっていない時期(今でも?)でしたので、そのような議論はありませんでした。
ですので、おそらく長期間(1年以上)アクセスがない場合であっても特に措置は取られないことが通常ではないかと思います。
実際のところ、インターネット証券ではアクティブ顧客(口座開設後実際に継続的に取引をする顧客の事)は、全体の半分以下のところが多く、その実態を考えると長期間アクセスがない顧客は珍しくないのが実情です。
ただ、ここ1~2年はマネックス系を中心にだいぶ再編が進んだので、そういった場合に必然的に契約者宛に事前通知と口座譲渡の案内が出ているので、こういったものを参考にするのもよいかもしれません。
最後に、相続等により名義書き換えに応じるのかという点ですが、こちらは金融商品により異なります。
たとえば、預金口座は相続手続きを行わなくても生計を共にする家族で法定相続人であることが確認できれば、代表相続人として100万円以下の出金を認めていると思います。
一般株式であれば、通常は相続人からの申し出により相続手続きを行うことで、口座の名義書き換えではなく、取扱株式の譲渡(名簿の書き換え)を行うこととなります。
※実際には、ほふり等の関係もあり相続人が証券会社に口座を開きそこに預け入れることになるため、相続手続きとあわせて口座開設手続き等も必要になると思われます。
ご参考:http://faq.sbisec.co.jp/EokpControl?&tid=13939&event=FE0006&searchToken=1309221763581
債務等であれば信用情報機関等を活用することでその実態を調べることもできますが、金融商品そのものの利用実績となると私が知る限りでは適切な手段が存在しないのではないかと思います。
ご参考になればと思います。