心の悩みはそれぞれでこういうふうにすればいいというのは思いつきません。参考程度にということで。
3,11はわたしもショックでした。人生観や死生観が変りました。文明社会の虚構が暴かれたように思います。作り物がすべて作り物に見えて楽しめなくなりました。悩みからどう脱却するか。
一、視点観点を変える。恐らくは心が引っ掛かっているのだと思います。だいたい人間が活動しているときはやや興奮状態で、意欲が意欲を生ませているという循環みたいなものでやっているように思えます。とくに創作系はそうですね。が、ときにそれが何かの拍子に切れると、うまくいかなくなりますね。どうしても悲劇とか、失敗とかを想起させてモチベーションがあがらなくなります。
人間一箇は一つの世界を持って遮二無二生きています。芸術の根幹みたいなものは観点がつむじよりも一センチほど上にありますよね。自己を客体化する秘密はそこにあるようにわたしには思えます。考え方、見方を、一歩退いて世界を捉え直してみるのも一つです。
二、自己風景を変えるというのは必要です。人間は一度悩み始めると悩みを悩むところがあります。わたしの場合、自身に活力を与えてくれるのはやはり風景だと思います。山を見たり、川を見たり、海を見たりして歩くというのは、わたし自身が脱却した方法です。人は自然の懐に入っていくことによって活力を取り戻すのだなと思いました。
三、
あきらめることも大事なように思います。営為の動物である人間は、ともかくせねばならないと追い立てられています。やらなくてはという気持ちが強くなるとますます窮屈になってしまいます。すべてをやろうとするとできません。あきらめたところから出発すればだいぶ気が楽になります。
四、音のマジックをもう一度思い出してください。自身が創った、音が人を助けるのだと。
そういえば、わたしは3,11以後、とある会に出たとき知らずに前の席にいたら、そこがステージで、歌手が熱の籠もった歌をうたいました。ああ、歌っていいんだなぁと思いました。涙が出て来たほどです。
創る歌が、誰かに伝わるということは素晴しいことです。