小説「渚にて」や「霊長類、南へ」、映画「博士の異常な愛情」など、地表が高濃度の放射性物質で覆われ、人類が滅亡する、という設定の物語はかつて多くありました。
ゲーム「Fallout」も、そのパロディと思います。
しかし、現実には、ウラン鉱山であっても、人間が短期間に死滅するほど高レベルの放射線が出ていることはないと思います。
もちろん、ウラン等を掘り出して濃縮し、原発のような狭い地域に集積すれば、それは致命的なレベルになりますが、地球上の人類が居住する地域全体を、ウラン鉱山を遙かに上回るレベルの放射性物質で汚染する、というのは、実際のところ可能なのでしょうか?
単純に考えると極めて困難だと思うのですが、核兵器等による核種変換で、より有害な元素が生まれ得ることまで考えるとあるいは可能なのか、とも考え、質問しました。
試算など頂ければ大変幸いです。
(もちろん、実際に核戦争が起きれば、「核の冬」による気候変動で人類が滅亡しうることはわかっています。あくまで、放射能汚染により、という質問です)
よろしくお願いします。
経済的に採掘可能な量は、あと500万~600万トンと試算されています
経済的に採掘可能な量でこれだけあります。
原爆に使うウラン-235は0.7%なので、4万トン程度あると考えられます。
15Kgあれば、一つの広島型の爆弾に相当するものがが作れるので、広島型に換算して百万個以上を作れますので、かなりの範囲が汚染できます。
http://www.uranus.dti.ne.jp/~yuugeki/genbaku.html
経済的に採掘可能なレベルでの話ですので、それを無視して、さらに深いところから放射性物質を地上に出すことを考えれば、人間が住めなくなるのは確実です。
現時点で、一番有害で一番量が多いのが「プルトニウム」です。
ウラニウム原発は不完全なサイクルで運用されていて、その結果貯まり続けるのがプルトニウムです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0
猛毒で、強い放射線を出し続け、半減期も長く、核燃料サイクルの上からも余剰物質です。
これが数万トンでは済まない量貯蔵され、現在も増え続けている。
核種変換による放射能汚染で一番の問題になっているのがプルトニウムです。
核テロリストの標的でもあり、厳重に管理されているのではありますが、蛇の道は何とやらなのは世間の常識。
ソ連の廃棄原潜がたくさん転がっている場所があるとかどうとか・・・。
核兵器を作るには必要な物質ですが、ウラニウムによる核化学反応が多すぎる量を生産してしまっていて、現在も消費するシステムが未整備のまま増え続けています。
だから、地表を核汚染させるのは残念ながら不可能ではないのです。
ウランなどをただ単にバラ撒くのと訳が違う。
それはそれで劣化ウラン弾という物が別に存在します。
(放射能物質をバラ撒くというより重し代わりですが、放射能で汚染される事も確か)
確か、過去には地球の全地表を30回ぐらい放射性物質で覆い尽くせるぐらいの爆弾があったかと、、
(1)核汚染で現代文明を維持できなくなるレベル(食料燃料医療危機や、内乱や治安不安などで人類滅亡)
(2)放射能汚染で完全に人類滅亡するレベル(遺伝子異常などで生命や世代交代を維持できなくなり滅亡)
(1)の段階には、大都市部
http://ja.wikipedia.org/wiki/100%E4%B8%87%E9%83%BD%E5%B8%82%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
http://ja.wikipedia.org/wiki/50%E4%B8%87%E9%83%BD%E5%B8%82%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
の核汚染で入ってしまう可能性はあります。これは技術的には現在でも実現可能領域でしょう。
このとき人類が先細りで滅亡してしまうか、人口激減で踏みとどまれるかは正直判りません。
(2)に直接移行するのは難しいと思います。
しかし放射能レベルが激増すればウィルスなどの変異も激増する可能性があり
免疫対応できない伝染病が蔓延する可能性も大きいですから
病気により各地の往来が無くなるほど分断されてしまい滅亡するとかも放射能が原因の滅亡と言えるかも知れません。
高速増殖炉は、従来利用されないまま放射性廃棄物として捨てられていた「燃えないウラン」を、「燃えるプルトニウム」に「核種変換」させながら熱を取り出すので、従来の原子炉よりケタ違いに効率よくエネルギーを産出します。稼働し出せば、1基あたり、従来型の原子炉よりずっと大量の放射線物質を保持している状態になる計算です。
>godabinさん
おっしゃるとおりと思います。
我々の文明がどのくらい強靱なのか……言い換えれば、どのくらい気候が変動したり治安が悪化すると、無政府状態や産業崩壊の負の連鎖に突入するのか、というのは、「核の冬」の議論でもあれこれ推定されたことですが、ありがたいことに今まで大規模に実験されたことがないので、推測に頼るしかないわけですが。
しかし、確かにそういう社会的な要因まで考慮に入れれば、十分可能かな、という気はします。
>なぽりんさん
おおむねお話はわかるのですが、「何倍にもなる」というのは、燃料として利用可能な量と放射能の量を混同しているのでは……という気が。
高速増殖炉を用いれば、確かに今まで捨てるしかなかった「燃え残り」であるウラン238をプルトニウム239に変化させて燃料として利用することができます。
(まあ、本当に実現できたら、の話ですが)
しかし、これは言ってみれば燃料としての寿命が数十倍に伸びる、という話で、量が増えるわけではないように思います。
もちろん、ウラン238よりもプルトニウム239の方が半減期が短い分、強い放射線を出しますから、そういう意味で「何倍にもなる」という表現は出来るかも知れません。
ただ、一度にプルトニウムに変換することはできないので、少しずつプルトニウムに変換し、変換しつつ燃やしていくはずです。
だから、核燃料サイクルのどの時点でも、ウランが全部プルトニウムに変わっていることはない(ていうか無理)はずなので、そのあたりは詳しい方の意見を待ちたいな、と思います。
セシウム137あたりなのかな。
7年前の資料を見つけたのですが、世界中の原発で使用されている核燃料が年間約6万トン。
たぶん、今は増えているはず。
1トンの燃料中のU235は30kg程度で、のこりの970kgはU238。
なぜなら臨界を起こすには3%以上の濃度の軽い濃縮を行ったU235でなければならないからです。
1トンから10kgのプルトニウムとして、600000kg=600トン/年のプルトニウムですから、使用済み核燃料は数万トンでも中に含まれるプルトニウムは年間600トンずつの生産になる。
この手の資料は総量とかが巧妙に隠されていて、セキュリティー上の問題なのか面子の問題なのか、原発村の閉鎖性ですね。
とにかく50年以上は運転されていて、最初は0に近い放物線の積算だと約3分の一となると推測して、おおよその総量は1万トン程度と思われます。
何れにしても、かなりな部分に推測の数字が入ります。
その筋の権威が数万トンと言及していることもあるのですが、少なめに積算した数字がその程度です。
あと、MOXや高速増殖炉で燃やした量はわずかです。
ちなみに核兵器用のプルトニウムは全然別の工程で生産され、毎年の生産量はわずかですが、かなりの量が蓄積されていて軍事機密となっていることは周知の事実です。
削減交渉で減らした分は余剰のプルトニウムが発生した計算になります。
あれは放射損傷があるから、全ての弾頭を数年ごとに作り直す必要があるはずなのですが、真相は軍事機密の闇の中でしょう。
こっちの方がテロリストに奪われたら危険かもしれません。
プルトニウム235の半減期は25分くらいなので、「使用済み」まで残ってる量はわずかなんじゃないでしょうか。
(単純な誤記で、正しくはPu239やPu241等のことだと思いますが)
ともあれ、世界では年間6万トン超のウランが消費されているらしいので、年間100トンくらいプルトニウムが生成されているはず……なんでしょうか。
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/koenkai/060727/breifing_060727_1.pdf(「独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構」の資料では、1990年で67450トンU)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/fig_pict.php?Pict_No=01-07-02-16-15(「財団法人 高度情報科学技術研究機構」の概算だと、2010年までに利用されたウラン資源の積算は……100万トン、くらい?)
正直、「tU」という単位も最近知ったので、「消費量」が濃縮前のウラン重量なのか濃縮後の核燃料の重量かさえわからないんですけど。
それはさておき、解体された核兵器とかテロリストとかの話はセンセーショナルで興味深いのですが、核物理学以上に複雑で私が論ずるには手に余ります。
Wikipediaによると、
>http://ja.wikipedia.org/wiki/不活性貯蔵弾頭
>http://ja.wikipedia.org/wiki/高信頼性代替核弾頭
>2006年に独立委員会の調査で核弾頭の中枢部であるプルトニウム・ピットの寿命は予想より長く100年程度あることが判明し、RRW推進の意義が薄れた。
ということで、そこまで弾頭を頻繁に作り直してるわけではないようです。
(問題になるのは弾頭の核物質ではなく、その周辺の部品みたいですし)
「トップをねらえ!」のカリホルニウム核爆弾は寿命が3時間しかありませんでしたけどね。
また、核軍縮で余ったウラン・プルトニウムに関しては、商用原発で燃やすか高レベル放射性廃棄物として処分する方針のようです。
>http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/old/inter-coop/sonota/sonota03/sanko303.htm
(さっきの石油天然ガス・金属鉱物資源機構の資料にもありましたが、現状、採掘されるウランだけでは世界の需要をまかないきれてないっぽいです)
……しかし、確かに世界の原子力事情をネットで知るのは難しいですね……。
陰謀論に毒されたサイトが検索上位に上がってきたり、微妙に食い違う数字が出てきたり、中立的な情報かどうか判断するのが難しかったり……。
ともあれ、ご教示ありがとうございました。
100トンではありません。
だから、現時点までの数十年の積算で、最低でも1万トン以上と計算しました。
もちろん、高レベル放射性廃棄物全体では年間に数万トン以上になる。
そして、再処理されても燃やされない限りプルトニウムは残る。
六ヶ所村の再処理工場は頓挫しているようですけどね。
原発で核変換された時点ではPu239から更に中性子を吸収して大部分はPu242として残ります。
Pu241は半減期が14年なので、あまり残らないでしょう。
Pu239の半減期は2.4万年、Pu242は38万年です。
MOXの場合は、燃焼後も半分程度のプルトニウムが使用済み核燃料の中に残ります。
ガラス固化しても放射損傷があるので固体として安定しているかどうかは疑問です。
数万年の経時変化で結晶が破壊され、水分が染みこんで減速材となり、ある程度の核反応は起きるのではないかな?
地下水への流出は「必ず」でしょう。
とあるアメリカ高官が以前に発言したことですが、「地層処理の問題点は処分場がプルトニウム鉱山になってしまうこと」です。
現時点での技術的な解決策としては、タリウム溶融塩炉で燃やすことが研究されていますが、実現までには長く掛かりそうです。
>100トンではありません。
……そこがよくわからなかった点なのですが。
上に私がURLを出した資料を見る限り、ウラン資源の使用量「年に約60000トン」というのは、濃縮前のウランであるかに思われます。
(miharaseihyouさんが見つけた「7年前の資料」では、年間6万トンの「核燃料」が使用されている、ということだったので、だいぶ話が変わってくるのですが、出典を明らかになさらなかったので……)
濃縮前のウランに含まれるウラン235は0.74%ですから、その1/3の量のプルトニウムが生まれるとしたら、60000×0.0074÷3=年間148トンという計算になります。
また、過去に使用された累計約百万トンのウランに対しては、2500トン弱のプルトニウムが発生することになります。
6万トンウラン、というのが濃縮前なのか後なのかわからないで計算してもなんともですが。
6万トンの3%濃縮ウラン、というmiharaseihyouさんの前提が正しいならそちらが正しいのでしょうね。
現行の処分方法の問題については、なぜここにお書きになったのかは存じませんが、特に私も異論はありませんし、すでにここの質問の趣旨からだいぶ逸れていますので、私は論じないことにしたいと思います。
「直ちに影響はない」と言っても、「いつかは必ず影響を及ぼす」ともとらえられると思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0
↑ウキペディアにも書いてある通り
「プルトニウムは超ウラン元素で、放射性元素である」
「生物学的半減期(体内総量が当初の半分になるまでの期間)はウランやラジウムと比べても非常に長く、一説には骨に50年程度、肝臓に20年程度と言われる」
「金属プルトニウムは、特に粉末状態において自然発火する事がある。」
「塊の状態でも、湿気を含む大気中では自然発火する事があり、過去のプルトニウム事故の多くが、この自然発火の結果とされている」
「プルトニウムの臨界量はウラン235の3分の1しかない」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A8%E7%95%8C%E9%87%8F_(%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B)
臨界量についてはこちら↑
「臨界事故は過去に何度か起きており、それらのうちのいくつかで死者を出している」
ここで死亡者でています。
なので人類を滅ぼす事も可能だと私は思います。
ですがプルトニウムはとても危険な物質なので人類だけでなく、地球自体が滅ぶ可能性も少なからずあると思います。
長文失礼しました。
(いや、回答ではなくコメントなので、私がとやかく言う筋ではないかも知れませんが)
過去に死者が出たから危険で人類や地球自体を滅ぼす可能性がある、という論理だと、自動車事故やこんにゃくゼリーで人類が滅びる可能性があることになってしまいます。
もちろんそんなおかしなことを主張する人はいないと思うのですが、なぜそれがおかしいかと言えば、「死者が出た」というだけではどの程度危険かは判断できないからです。
具体的にどの程度危険なのか、という「試算」をして欲しい、というのがこの質問の意図であった点、ご理解ください。
それほどの量のプルトニウムは先進国の解体された核兵器や原発の使用済み核燃料などの最終処分場にしか無い。
ミサイルでばらまくのはミサイルの数が必要。
方法としては多数の工作員による神風アタックになるかな?
一人数十kgずつ数万人で手分けするとか・・。
カバンの中にはほんのり暖かい粉末の袋が幾つか・・。
計画段階でバレそうだな。