THEME:「わが家のお気に入りの冬の光景」
“ディア・ライフ”=『親愛なる日々』。イエは暮らしと人生の舞台。「LIFE」という言葉に、生活と人生の2つの意味をこめて、イエと家族のストーリーを語り合いませんか? 心のページに刻まれた思い出も、現在のイエでの愛しいワンシーンも。毎回のテーマに沿って素敵なエピソードを、豊かな暮らしを創っていく〈イエはてな〉のマインドで投稿ください!
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「暖か毛布」
冷え切った部屋に置かれているソファ
そんな一見冷たそうな感じがするけどそこにはいつも暖かフワフワ毛布があります
寝るときとても寝心地良くしかも気持ちがいいという優れ物です
そんな毛布があると横になるのが楽しみでしょうがなくなります
一度中に入るともうそこからは出たくなくなります
そこが暖かい毛布の欠点といえるでしょう
しかしそれもしょうがないことですけど
「となりの家の電飾」
これからの時期
窓を開けると、ピッカピカです。
遠くから見上げる分にはきれいなのですが、
目の前で毎日となるとちょっとうんざり
もう少し減らしてほしいなと思ってしまう自分がなぜか悲しいです。
もっと楽しい世の中にならないかな?
「こたつとミカン」
冬の風物詩の中でもっとっもべたですが
ぼくはこの光景か普通です。
冬になると柑橘系が苦手なぼくでも
冬にこたつの入るとかごの上にのっているミカンに手が伸びているのです
不思議です。
ミカンとこたつの魔力には
毎年、毎年驚かされています。
「ホットコーヒーと読書」
寒い日や雪の日など、暖かいコーヒーを淹れてソファにかけ
黙々と読書するのが好きです。
年中本は読みますが、秋から冬にかけては非常に集中できる感じがします。
しずかな寒い午後、一人本を読むのは非常に贅沢で
大切な時間です。
「プレートで食べるすきやき」
冬だけの風景ではないのですが我が家では少々肌寒くなると
すき焼きが夕食のメニューになることがあります
(家族のリクエストだったり・・自分がそれにメニューを決めたり
メニューになるきっかけはいろいろですが)
そのすき焼きをプレートで食べるときはやっぱりいいですね
日頃、家族そろって食事をすることがほとんどなくなったので
すき焼きをプレートで食べるときは楽しくていいなと思います
みんなでワイワイガヤガヤ
”豆腐入れた?””お肉もうないの・・?”とか
会話が弾みます
食べすぎるのは少々傷ですけど(苦笑)
ほとんどの食事を一人、あるいは二人で食べる事が多いので
みんなで食べる時くらいたくさんたべてもいいかなと
考えてます
私の住んでる南の島がもう少し肌寒くなったら
今シーズン初のすき焼きをしたいなと思ってます
「冬になると猫が布団に入ってくる、そして朝、顔を出している」
気温が下がってくると、我が家の猫、朔が、布団に入ってきます。
猫の体温は人間より高め。朔は猫の中では体温が低いようなのですが(37度台。大家さんのイエには、平熱が39度ある猫が居ます)、ふわふわしていて暖かいです。ああ、やっぱり生き物っていいな、生きているっていいな、と、ふと思ったりします。こんな小さな体なのに、ちゃんと魂が入って、生きて、一緒に暮らしているんだなあ、と。
実は、私は猫と一緒に暮らすのは、朔が初めてなのです。
夜は布団の中に居るのですが、朝になると、たいてい、顔を出しています。
その様子は、なんだか人間みたいです。
時々ふと、実は背中にチャックがあって、中に小さな人間が入っているのでは?と思ってしまったりします。
朔ちゃん、かわいいー!! お布団かぶってぬくぬく(^-^)
うちの猫達も、寝る時は布団の中に潜り込んでいるのですが、いつの間にか人間と同じように顔を出して寝ています。その様子がなんか偉そうで、思わず笑ってしまいます。
温もりが冬の猫の幸せ。人も猫がいるとあったかくて幸せ。猫飼いの冬はなんといってもこれですね!!
ありがとうございます。「なんか偉そう」というの、わかります。
ふふーん、って顔しますよね!
TomCatさんおっしゃる通り、ぬくもりは本当に、冬の猫の幸せです。
「家族で囲む水炊き鍋&湯豆腐」
寒くなってきたので既に私の家では始まりつつある冬の光景の一つ。
ガスコンロを用意して、家族で水炊きと湯豆腐を楽しみます。
もう毎年のように恒例となりつつ、これが始まると、あっ!冬が来たな…いよいよだ!と思わさせられるのです。
水炊きは骨付きの鶏肉とむね肉を用意し、水から炊いていきます。
まず、水を鍋にはり、昆布を入れ、お肉もここで入れます。
途中、アクが出てきますのでこれを丁寧に取り除きます。
そしてここからお野菜の出番。
我が家ではシンプルに白菜のみをチョイス。
芯の部分から加え、次に葉を加えます。
そしてポン酢で頂きます。
これらが食べ終わるとここから湯豆腐にうつります。
しっかりといい出汁が出たこの出汁の中にお豆腐を入れます。
お豆腐がしっかり温まったところを見計らって薬味のもみじおろし、ねぎをのせて頂くのです。
とっても贅沢な味わいです。
そしてこの恒例の光景の楽しみの一つはやはりイエの語らいです。
実は温かいものを囲んで楽しむのはとってもいい方法なんです。
http://kansou993.blog6.fc2.com/blog-entry-154.html
エール大学のジョン・バーグ教授(心理学教授)らの研究チームにより
米科学誌「サイエンス(Science)」で以下の研究結果が発表されました。
「温かい物を手に持っている人は、他者を寛容で好意的に見るようになり、
冷たい物を持っている人は、他者を冷たい人と認識することが判明した。」
身体的な温度が心理的な気持ちに影響するかを検証する
実験をおこなった。実験は、被験者の半数に温かいコーヒー
カップ、残りの半数にはアイスコーヒーのカップを持ってもらい
架空の人物の情報を与えて、その人の性格特性を判断して
もらう方法で行われた。
すると、温かいコーヒーを持った人は、その架空人物を温かい人
だと評価し、アイスコーヒーを持った人は他人をより冷たい人と
認識する傾向にあったという。
次の実験では、温かいものを持っている人は他者に自分が得た
報酬をあげる傾向があり、冷たいものを持っている人は自分の
ために何かを得ようとする傾向があった。
身体的な温度が心理的な気持ちに影響するだけではなく、
行動にも影響を与えている
そう、このような面白い結果があるのです。
これはお鍋などで温かいものを食べる時にも発揮するように思います。
普段家族同士でうまくコミュニケーションが取れてないなぁと思っている時など、温かいお鍋を囲んで語らいをすることで、もしかしたらいつも以上に相手と優しい気持ちで会話が出来るかもしれないと思うのです。
実際、お腹が満たされる幸せも相まって、温かいものを囲むといつも以上に家族の笑顔も倍増している気がします。
今年の冬も家族の笑顔とお鍋を囲むこの光景を大事にしたいです。
「温まる食べ物、「鍋」」
冬になってくると鍋が食べたくなります。
僕の家族は鍋が好きなんです。野菜を入れたり、お肉をいれたり、お豆腐を入れたり、色々具材を入れてやっています。
以前(去年の2月、とても寒い時期)、一週間毎日夜はお鍋っていう日がありました。もちろん日にちごとに内容も色々変えてアレンジしたりどこかの県の郷土料理鍋を作ったり、ヘルシー(すぎる)鍋を考えて見たり。そんなことばっかりやっていくうちに1週間すぎて、まあ飽きませんでした。
そのぐらい僕のイエは鍋好きなんです。
うろ覚えなのですが、去年、1週間ずっと鍋を食べてたときに作った鍋を紹介します。
7日分全部はさすがに思い出せなかったので、その時作った鍋から思い出した鍋を4つほど。
野菜いっぱい鍋
味はしょうゆで、野菜をこれでもかとたくさん入れて作りました。
けっこう色々な野菜を入れたもで、栄養も抜群で、ヘルシーというところがいいですね^^
キムチ鍋
白菜やしいたけなどを入れて作りました。ちょっと辛め。
この日は、けっこう冷えてたので、キムチ鍋にして正解でした。僕は辛いものも好きなので、けっこう食欲が進みましたね。
きりたんぽ鍋
油揚げや白菜、きりたんぽを入れて作りました。しょうゆ味です。
きりたんぽは、秋田県の郷土料理で、「きりたんぽ」の由来は、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD
切る前の段階でのきりたんぽのことを指し、ほとんどの人がこれを「きりたんぽ」と思い込むが切っていないので「たんぽ」という。「たんぽ」とは本来稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだものを指し、杉(秋田杉)の棒に半殺し(半分潰すという意味)のご飯を巻き付けたところがたんぽをつけた槍(たんぽ槍)に似ていることからその名が付いた。
だそうです。
本当の郷土料理のきりたんぽ鍋は、
鶏(比内地鶏)のガラでとっただし汁をベースにこいくち醤油、酒と砂糖(または味醂)で醤油ベースのスープを作る。煮えにくい順にゴボウ、マイタケ(金茸、銀茸)、比内地鶏を並べ中火で煮立てる。きりたんぽとネギを入れ、味が染みる直前でセリを投入する。セリに火が通ったら完成。
と書いてありますが、そこまではこだわりません^^;
トマト鍋
レタスや、エリンギ、魚介類などを入れて作りました。いろんな種類の具を入れたような気がします。。トマトのすっぱいような味と、魚介などのうまみがマッチしていい感じになりました。
鍋って内容さえ変われば飽きないんですよね。体が温まるし言えば、洗い物も少ないのですから。
それに、鍋というものは1つも鍋をみんなで囲って取って食べるものなので、いつもより会話する数が多くなります。その点でも、暖かいです。
心も体も温まる「鍋」っていいですよね。
鍋の始まりといえる、「牛鍋」が登場して、その後、鍋が一般家庭で食べるようになったそうです。牛鍋は作ったことありませんが。おいしいのかが疑問ですね(^^;
まだ「秋」という季節ですが、もう十分寒いので、鍋を食べる回数が多くなってきました。
これからも、いろいろなレシピサイト見たり、それを自分でリメイクアレンジして、これからもたくさん鍋を作っていくつもりです。
お休みの日のぬくぬく布団
起きてはいるのだけれども、布団からいつまでも出られない。
なんか幸せですね。
冬はやっぱりお風呂とお鍋ですかね。
外から帰ってくるとあつあつのお鍋を食べると体も心も温かくなります。
冬場は手足が寒さで固まっていることが多いので、お風呂に入ると体内から心底温まりますし、癒されます。
「洗濯したての毛布」
タオルケットから切り替わる時期の毛布。
においと肌触りが好きです。
「アツアツお鍋」
とても、寒くなってきてこよみのうえではもう冬ですね…
そんな時、やっぱり寒い日はおでんやお鍋を食べるといいと思います。
食べると、心も体も温まり、幸せって感じでサイコーです。
私は、寒いのが嫌いなのであったまるとうれしいです。
「ぽかぽか」
冬は寒いので、温まるものを使って温まる時が一番とても幸せです。
寒いと凍ってしまいます。
「おばあちゃんのけんちん汁」
我が家の冬の定番メニュー!、それは祖母直伝のけんちん汁です。
霜が降りだす頃、祖母がけんちん汁を作ってくれたのが懐かしい想い出になっています。
小柄で細身の祖母でしたが、けんちん汁を作る姿はとても豪快でした。
あらかじめ水気を切った豆腐を油がはねる大鍋に投げ入れるようにして崩し、カラカラに炒めます。
時には一緒にこんにゃくや油あげを入れたり、また豆腐の代わりに厚揚げを入れることもありました。
次にささがき牛蒡、そしていちょう切りした人参・大根・里芋・白菜などを次々に放りこんでいきます。
豆腐と野菜を油で炒めた後は、干ししいたけの出汁の中に入れて煮込み、具材に火が通り柔らかくなったところで、味付けです。
基本は醤油味ですが、祖母は隠し味に味噌を入れていました。
その記憶をたよりに、私も年末になると祖母のけんちん汁作りに挑戦しています。
このなんとも懐かしい味を、娘が我が家の味として覚えてくれますように・・・。
その昔、鎌倉の建長寺の修行僧が作っていたという「建長寺汁(けんちょうじじる)」が縮まって「けんちん汁」になったと聞いたことがあります。
精進料理がルーツと聞くと上品な印象を受けますが、我が家のけんちん汁はかなりボリュームがあり、精進料理とはほど遠いイメージです。
そのイエごとにどんどんアレンジをされて、受け継がれていくんでしょうね。
< 材 料 >(約5~6人分)
白菜 1/8個
里芋 3~4個
大根 1/4本
にんじん 1/2本
えのき 1袋
しめじ 1袋
油揚げ 2~3枚
こんにゃく 1/2袋
木綿豆腐 1丁
ごぼう 1/2本
干ししいたけ2枚
干ししいたけの戻し汁 4カップ
醤油 お玉1/2杯分
塩 適量
酒 大さじ2
合わせ味噌 大さじ1
ごま油 適量
・干ししいたけを水で戻し、豆腐はザルにあけて皿を乗せ、よく水を切っておきます。
・ごぼうはささがきにして、水にさらしておきます。白菜は短冊切り。大根・にんじんはイチョウ切りにして、里芋は皮を剥き一口大にカットしておきます。
・油揚げ、こんにゃく、水で戻した干ししいたけは1センチ程の幅に切り、えのき・しめじは石づきを取ってほぐしておきます。
・鍋にごま油を多めにしき、強火で加熱したら豆腐を入れよく炒めます。
・豆腐がカラカラに炒まったら次に根菜を入れて炒め、油が具材に馴染んだら、白菜、えのき・しめじ・しいたけを投入してさらに炒めます。
・具材全部に油が馴染んだら、干ししいたけの戻し汁を入れ、ひと煮立ちさせます。
・弱火にしてアクをとりながら根菜類が柔らかくなるまで煮ます。
・根菜類に火がとおったら酒・醤油等の調味料を加えてさらに10分ほど煮たら完成です。
☆味付けはお好みで味見をしながら調整してくださいね。
器によそってから、お好みで少量のごま油をかけると風味がとってもよくなります。
また、出来たてよりも、一晩置いた方がずっと味がなじんでいて美味しいです♪
このけんちん汁を作る時には、フードマイレージを考えて食材の地産地消を心がけています。
地産地消はエコアクションとして、私たちが手軽にできるものの一つです。
遠い所から食材を取り寄せると、輸送する際に車が出す排気ガスや燃費が多く必要になり、CO2の排出量も増えてしまいます。
これをフードマイレージというそうで、日本はこのフードマイレージが世界一多いと聞き、何かできることはないかと考えていました。
外国産の野菜が増えてきて、地元の野菜より輸入された野菜の方が安いこともあります。
たまには誘惑に負けて安い方を選んでしまうこともありますが、けんちん汁をつくる時には幼い頃、祖母が作った野菜を家族で食べていたのを思い出して、これからも地元産の食材で作っていきたいと思っています。
冬に嬉しい汁物というと、豚汁とけんちん汁が双璧だと思いますが、肉を使わないけんちん汁の方が当然歴史が長いはずですよね。日本本来の味といったら、けんちん汁です。
そこにお祖母様直伝のレシピと地元産の素材が組み合わさったら、これはもう最強の郷土料理です。野菜なんてどこ産でも同じ、と思いがちですが、里芋などは地域によって主流の品種が違いますし、ニンジンなどの根菜も、土の違い、土地の違いが、同じ品種でも現れますよね。露地物の場合は育て方も地域によってちょっとずつ違いますしね。
伝統の味と食材。いつまでも受け継いでいきたいですね(^-^)
「ストーブとやかん」
暖房と乾燥対策
「豆炭あんかの思い出」
冬は外の寒さを凌ぐための暖かいものがたくさんあるので、お気に入りの光景をいろいろと思い出します。そんな中でひときわ印象深いのは、豆炭あんかのこと。小学生の頃たった数年しか使っていなかったのですが、その温かさと豆炭あんかを使っていての思い出は今でも懐かしく思い出されます。
夕方になると母が豆炭を用意して火バサミを使ってストーブの中に入れます。
我が家の当時のストーブは、石油ストーブでしたが今のようにポット式ではなく、中で直接火が燃えるタイプのものでした。
その火が燃えてる部分に豆炭を入れて焼くのです。
しばらくして豆炭に十分火が入ったと思われる頃、母はおもむろに豆炭を取り出します。
真っ赤になった豆炭はあんかのくぼみに落とされ、閉じられます。
そのままで使うと低温やけどをしてしまうくらい熱くなってしまうので、上からカバーをかけるのですが、それが、古くなったタオルケッドを半分くらいにしたもので、それで包み、最後にこれまた古くなったストッキングでしっかり結わえて完成。
出来上がったら、私と妹はそれをもって、自分の布団の中に入れて、温めておいたものでした。
当時は、今のように暖房が家中いきわたっているわけではなく、ストーブは居間と2階の部屋にしかありませんでした。
居間に続いてる子供部屋や両親の寝室には暖房はなく、日中、居間のストーブをたいてるときに、仕切りの引き戸を全開にしておいて一階にある部屋をなるべく暖めておくようにしてはいたものの、着替えるには肌寒いくらいの温度にしかならなかったのを記憶しています。
そんな部屋でしたから、そのままでは布団も冷たく、寝ても体が温まるまでに時間がかかるのです。
布団に入れて十分温まったあんかは、夜、寝床へ入ったとき足で触ると、タオルケットで包んでいるにも関わらず熱いので、最初のうちは足をあんかにつけないようにして寝ています。
そして朝。一番寒い時間帯に、あんかはそのぬくもりをまだ絶やさず、目を覚ましてから寝床を出るまでに、そのぬくもりを堪能します。これが至福のときでした。そんな時間もやがて終り起床。
後年、自分の部屋にも暖房がつけられてからあんかは使わなくなりましたが、暖房を入れて部屋が暖かくても、布団は意外に冷たく、夜、足が暖まるのに時間がかかったときなどあんかを恋しく思ったものです。
終わったあんかの始末は朝、着替えてから行いました。
寒い中あんかのカバーをはずして外へ出ます。外は雪が積もって、家のそばの敷地内にちょっとした雪山があるのですが、終わった豆炭はいつもそこに捨てていました。
あんかを開いてみると、すっかり燃え、灰色になった塊があります。まだ少し熱いかもしれないと思って触ってみたことはありませんが、捨てるときに、形が壊れるときと、そのままのときがあって、もし、壊れずにそのままの形で雪の上に落ちたときには、今日一日いいことがありそうと素敵な気分になりました。
「白い息」
我が家の冬の光景は出かける時に深呼吸をしてでる白い息です。まだヒーターで温まっていない部屋で朝の支度をし、コートを羽織って外に出ます。その冷たさに驚き、思わず深呼吸。すると吐いた息が白い。一度深呼吸をすると慣れて息が白く見えることが面白くて何度も深呼吸。家族にも息が白かったよと教えます。家族全員で深呼吸。そしてそれぞれの職場に向かいます。
これが我が家の冬の始まりです。白い息で冬の訪れを感じます。
「どっさりリンゴのある風景」
部屋中にリンゴの甘酸っぱい香りが漂います。父がリンゴをダンボールで買ってきたのです。「やっぱりリンゴは箱で買わなきゃな」。父はとても嬉しそうです。そして父は必ず言います。
「俺が子供の頃はまだリンゴは貴重品でね。箱で買うなんて普通のイエでは考えられないことだったんだよ」。
「あの頃、リンゴは木の箱に入っていた。そしてクッション代わりに籾殻が詰まっていて、その中からリンゴを取り出すというより掘り出すんだよ。憧れたなぁ」。
「でも空き箱は風呂の焚きつけにするくらいしか使い道がないから、八百屋に頼むと快く譲ってくれるんだ。中の籾殻も燃やして炭にして畑に撒くと土の改良になる。昔は何もゴミにしなかった」。
箱でリンゴが買える幸せを子供のように喜ぶ父。これがお約束の風景です。
こうして父のセレモニー(笑)が一通り終わると、箱は部屋の外に出されます。暖房の影響を避けるためです。かわってテーブルの上に篭が置かれ、その中にリンゴが数個入れられます。父はまたそれを手にとって、手拭いでキュッキュッと磨いていたりしています。
「昔、子供なのに八百屋を切り盛りしている主人公のマンガがあってなぁ。その主人公はこうしてリンゴを磨いてピカピカにしてから店に並べるんだよ。ほら、いいツヤが出てきた」。
何十年も前に見たそのシーンが今も忘れられない様子です。
そのうち父は、さらに紅玉を探して買ってきます。小玉で酸味が強く生食には適さない感じですが、父の子供の頃の思い出の味は紅玉か国光だったとのことで、母も「やっぱりリンゴといったらこの味ね」と嬉しそうです。私は紅玉と聞いただけで、口の奥の方から酸っぱい唾がジュワッと出てきます(笑)。
こうしてわが家がリンゴで満たされると、母は決まって鼻歌で「赤いリンゴに唇よせて」と歌いはじめます。そして必ず「私が子供の頃にはもう懐メロだった歌だからね」と言い訳します。母の母がとても好きだった歌のようです。(「りんごの唄」サトーハチロー作詞、万城目正作曲)
私はリンゴの皮を剥きながら、はじめて一人で剥けるようになった時のことを思い出します。父に教わりながら、おっかなびっくり果物ナイフを使っていたあの頃。やっと剥けるようになって母に見せようとナイフを持ったら、「危ない!」と叱られてしまったのも懐かしい思い出です。
母は時々ウサギリンゴを作ってお皿に乗せて、私の前に差し出します。「お前は運動会の弁当にこれが入っていないと機嫌が悪くてね」、なんて言って私を照れさせようとします。
どうもわが家には、リンゴにまつわるプチ歴史が色々あるようです。そんな懐かしい話を色々と交えながらリンゴと共に過ごしていく冬。リンゴは本来、夏の終わりから秋にかけてが収穫期だと思いますが、父が箱で買ってくるのは決まって年末ですから、リンゴにまつわる風景が、わが家の冬の姿なのです。
「障子の部屋に、とろとろ炭火がある風景」
前にもちょっと書きましたが、わが家には障子の部屋があります。もちろん床は畳。そこに長火鉢を置いています。冬の休日は、長火鉢に炭が入ります。炭というのは一度着火したら一日中でもそのまま燃焼させ続ける使い方が基本です。とろとろ、とろとろ。ゆっくり長く燃え続ける。それが炭火の良さですね。だから、本当に炭火の良さが実感できるのは、一日中どこにも出かけない休日です。
火鉢の上には鉄瓶。土瓶でもいいですが、私が好きなのは鉄瓶です。紅茶などは金気を嫌いますが、日本のお茶には鉄瓶がよく似合います。だって、茶道の湯を沸かす茶釜も鉄ですからね。日本人には鉄瓶のお湯のうまさ、まろやかさを好む遺伝子があるんじゃないかと思うほど。鉄瓶で沸かした湯で淹れるお茶は格別です。
お茶の次は、おちゃけ、です(笑)。鉄瓶のお湯にお銚子を突っ込んでもいいですが、長火鉢にはお酒のお燗を付ける専用の道具が付いていますからそれを使います。私はアルコールはほとんどザルなので、普段は焼酎も割らずにコップでグイグイですが、この時ばかりは風情を楽しみたいですから、小さなお猪口でおっとっと。これで障子を開けたら雪景色、なんていうと最高ですが、閉め切った障子もまた冬の風情です。
いいお酒には、肴なんて要りません。でも、ちょっと都々逸なんか、うなっちゃいましょうかね。自作のカンカラ三味線を手元に引き寄せて、♪燃える火鉢に 思いをくべて あなた煙に 巻いてやる~♪なんてね(新作即興都々逸 by私w)。
あ、お腹が空いてきました。こんな時はサラッとお茶漬けに限ります。おちゃけ、飲んでますしねw 干物でも焼きましょう。もちろん火鉢で。お茶はもちろん火鉢の鉄瓶。海苔は、長火鉢ですから引き出しがあり、その中に入っています。あとは梅干しでも持ってくれば素敵なお茶漬け。冬は「こたつむり」なんていってコタツから一歩も出ないで過ごす人がいますが、長火鉢も結構それだけで過ごせてしまう優れ物なんですよ。あー、干物で茶漬け、うめ~。
着る物はわりと厚着です。和服を楽しむ時も、実は下には結構着込んでいます。炭火は輻射熱でホカホカ体が温まりますが、換気はしっかりしないと一酸化炭素中毒でえらいことになりますから、部屋の空気はあまり温まらないんですね。でも、そういう低気密がいいじゃありませんか。部屋の中で炭火で干物を焙っても、その臭いが気にならない暮らし方。これは自由ですよ~。また部屋から出た時の温度差で脳血管障害が起きるなんていうリスクも減りますから、自由で安全でヘルシーな昔ながらの暮らしに、ちょっと近付きます。
おや、日が暮れてきました。冬は早いですね~。行灯・・・・は無いので、かわりにフロアライトを灯しましょう。天井の主照明は要りません。灯りを傍らに寄せると、とても暖かな感じ。部屋全体は暗いですけどね。闇ではありませんから、陰に籠もった冷たさはありません。むしろ落ち着く、心がほっこりする、そんな陽の気を感じます。
障子をちょっと開けて、街灯りを眺めます。夕暮れの街というのも温かいですね。家々の灯りの一つ一つに人々の暮らしがある。そうした温もりに触れる冬のひとときというのもいいものです。
にゃ~ん、かりかりかり。おっと、猫達が私を呼んでいます。ちょっと火鉢の部屋でくつろぎすぎてしまったようです。わが家では安全のため、猫は炭火を使っている部屋には立入禁止。何事も念のため、猫の安全第一ですからね。
最近のうちの猫達は、歳を重ねて落ち着いてきたので、昼間はずっと寝てばかり。でもさすがは夜行性。日が暮れると、こんなふうに猫の時間が始まるんですね。ごめんごめん、今行くよ~。こうして猫を膝に抱えて過ごす「わが家のお気に入りの冬の光景」の第二ラウンドが始まります。
「みんなでより固まって『冬ごもりごっこ』」
子供の頃、大好きだった遊びが『冬ごもりごっこ』でした。きっかけは茶色のカーテン。「あ、冬の森の色だね」。そのカーテンが登場した日、私がそう言ったのです。「そうねぇ、じゃぁ、森のリスになった気分で『冬ごもり』しようか」。
母が毛布を持ってきてくれました。二人でそれにくるまると、すごくあったか。私は頭も毛布の中に潜り込ませました。うわぁ、本当に木のうろの中にいるみたいです。母の体に頭をもたげて、ちょっとウトウト。とても幸せな時間でした。
どのくらいの時間がたったでしょう。それはとても長い時間のように感じられましたが、実際は短かったのかもしれません。とにかく毛布から頭を出すと、母がポットで紅茶を淹れてくれていました。母がそんなふうに動いたから起きちゃったんですね。
「ミルクティーも冬の森の色よ」「あ、ミルクは白、雪の色も入ってこの色になるんだ」。雪が降らない地域でも秋冬は景気の色を変えていきますが、私はその秘密を発見したと思いました。この大発見ですごく興奮して、フンフン鼻息を鳴らしながら紅茶を飲んでいたそうです。
テーブルの上にはクッキーの入った蓋付きの菓子器もありました。「リスは木の実を土に埋めておくのよ。後で食べられるように」。私は菓子器の蓋を閉めて「じゃこれで土の中」。蓋を開けてクッキーを取り出して「掘り出した」。リスになったつもりで、前歯でカリカリ食べました。
温かいミルクティーとクッキーでお腹が満たされると、またおねむになってきました。冬ごもりの毛布は温かく、私は二度目の冬眠モードに入ったと思います。
冬ごもりごっこが大好きになった私は、時々母にねだりました。父にもねだりました。親子三人でむりやり一つの毛布にくるまって楽しんだこともありました。こういうスキンシップの温かさが、寒い冬を大好きな季節に変えてくれました。
ある程度大きくなるとこの『冬ごもりごっこ』は途絶えてしまいましたが、最近またダブルサイズよりさらに大きな毛布を見つけて手に入れたことから、大人になって復活しています。「冬ごもりしよ」。私が声をかけると、母は喜んで紅茶やクッキーの用意もしてくれます。父に言っても照れてなかなか応じてくれませんが、私と母が毛布にくるまっている横に座って、一緒に冬ごもりしているつもりになってくれているようです。
「お父さん、みかん持ってきて」「はいよ」。なかなか便利な冬ごもりサポーターにもなってくれます。
「石油ストーブが赤く灯る夜」
わが家にあるのは古典的な反射板の付いた石油ストーブ。火を点けると真っ赤に灯ります。子供の頃はまだこれが主要な暖房器具でした。もう部屋にエアコンは付いていましたし、当然暖房も出来たはずですが、まだ電力を暖房に使ったらもったいないと考える時代だったのでしょう。
もちろん私は、冬と言ったら石油ストーブというイメージでした。寒い時の温かさはイコール幸せ。ですから私は石油ストーブが大好きでした。その年最初にストーブに火が灯されると、私は「電気消そう」とせがみました。そうすると温かな炎が一層素敵に目立つからです。
はいはいと母が部屋の電気を消してくれます。ストーブの炎は予想以上に明るく、周辺を照らします。小さな私はその灯りでミカンをむいて食べたりして、ひとときを楽しみました。
しばらくすると母が、今夜はテレビは見ないの?と聞いてきました。えーと、うーん、どうしよう。
「テレビは暗い部屋で見ちゃだめなの?」
「そうね、目が悪くなるからね。」
「ストーブは目が悪くならないの?」
「だって光が動かないでしょう。」
「あ、そうか。」
テレビも見たいなぁ。でも、この温かな炎も、もっと楽しみたい。
「あのね、お父さん。」
「なんだい。」
「明日もストーブ点けて電気消してくれる?」
「いいよ。」
この時私は、なぜか母に聞かずに父に聞いてしまいました。これでしばらく、部屋の灯りを消してストーブの炎を楽しもうと母に頼むと、お父さんに聞いてご覧なさいと拗ねられました。
雪が降った日の、部屋の灯りを消してストーブの炎…は、とりわけ素敵でした。しんしんと降り積もる夜の町は不思議な明るさ。雪が街灯の灯りなどを反射しているのですね。その光は青っぽい光。とても寒そうな雪あかりです。それと対照的に、部屋の中には温かな赤い光。このコントラストが何とも言えず素敵なのです。
こうした光景は、キャンドルナイトのそれと似ているかもしれません。今年は電力供給の関係から、電気に頼らない暖房が必要だと思います。エアコンを使うにしても、ピーク時には他の暖房法に切り替えるなどの配慮が必要だと思いますし、万が一の場合に備えて、停電でも使える暖房器具、つまり昔ながらの石油ストーブの価値が見直されることになると思います。もちろんわが家も石油ストーブの整備が終わって、準備万端です。今年はまた、この素敵な「石油ストーブナイト」が頻繁に復活することでしょう。
なお、石油ストーブは直接炎を扱う器具ですから、長く使わなかった物を再活用する場合は、念のため、専門の業者さんに点検を依頼することがお勧めかと思います。「石油機器技術管理士」という制度があるので、その有資格者がいる業者さんにと東京都のサイトには書かれていましたので、念のため書き添えておきますね。
http://www.anzen.metro.tokyo.jp/tocho/caution/sekiyu_press_jikojirei.html
日頃使っていないと安全に対する注意事項も忘れがちになっていると思いますので、ご家族皆様でそういう点もよく話し合って、安全に、楽しく、石油ストーブを使っていってください。キャンドルナイトならぬ石油ストーブナイト、素敵です。
「酒粕のある冬」
父が酒粕を買ってきます。酒粕を買ってくるのは常に父。お酒に銘柄の好みがあるように、酒粕の味も一つじゃないんですね。父は意外に酒粕の違いが分かる男なのです。これを使ってまずは甘酒。酒粕をすり鉢で当たってから作ると滑らかな口当たりです。
時間がある時は水で伸ばして一昼夜置きます。これがわが家のちょっと特別な流儀。酒粕にはたくさんの酵母が生きていますから、あら不思議、こうしておくとプクプクと発酵が再開されるんです。これを温めて砂糖を適宜。沸騰直前で火を止めると、わが家流スペシャル甘酒のできあがりです。おいしいですよ~。
これを湯飲みに注ぎ、みんなですすります。東を向いて笑う初物とは違いますが、みんなの顔が笑顔になります。子供のころからこれが大好きでした。もちろん誰よりもうれしそうなのは、酒粕を買ってきた父。そんな父を見て目を細める母も幸せそうです。寒い冬にはこういう家族の温かさもうれしいですね。
次なるお楽しみは粕汁です。子供時代はそんなにおいしいと思った記憶はありませんでした。普通の食事の味噌汁の代用品といった感覚です。でも最近はこれが本当にうまいと思うのです。粕汁があると、夜道で冷え切った体もホカホカですね。
粕汁には鮭が欠かせませんが、それにも増して、里芋、大根、人参、ゴボウ、ネギといった野菜類も大切です。あ、みな土の下に出来る物ばかりですね。地上部に育つのはネギの青い所だけです。粕汁が体を温めてくれる秘密は、もしかすると土の中に出来る野菜ばかりという所にもあるのかもしれませんね。
白い粕汁の中の真っ赤な人参が何とも言えず色鮮やかです。クリームシチューの人参もそうですが、粕汁にはトロ味がないですから、お椀の中でいっそう鮮やかに映えています。
酒粕は焙って食べるという方法もあります。昔は石油ストーブで焙りました。焦げ目がつくまでじっくり弱火で焼いていくのがポイントです。アルコール分を全て飛ばしてしまうつもりで、できるだけ弱火で焙っていくのがお勧めですね。ちょっと楽しい冬の素朴なオヤツです。
これと似た発想で、パンに塗って焼くという楽しみ方もあります。おそらくこれは珍しい食べ方だと思います。酒粕に塩少々を加えて練った物をバケットなどに塗りつけてオーブントースターで焼くのですが、酒粕も発酵食品ですから、パンに良く合うんです。
最近うまいなぁと思いはじめているのが粕漬けです。わが家では同量の酒粕と味噌を合わせ、すり鉢ですり混ぜながら、トロッとした状態になるまで清酒を加えてすり伸ばして漬け床としています。これに何を漬けるのかというと、うちでは主にゴボウや人参。粕漬けは魚が主流だと思いますが、わが家は野菜なのです。
根菜類は漬ける前にサッと茹でて、粗熱を取ってから漬け込みます。あ、ゴボウも人参もあらかじめそのまま食べられる大きさに切ってから漬けますね。短冊とか輪切りとかにして。
何回か漬けて水っぽくなった漬け床は、料理の味付けなどに使い回されます。たとえば厚揚げを切って炒めて漬け床をまぶしてジュー、とか。これがうまいんですって。ほんとに。
こうして酒粕が無くなると、頃合いを見計らってまた父が酒粕を買ってきます。父が酒粕を買ってうれしそうに帰ってくるその年最初の日。それがわが家の冬の始まり…なのかもしれません。
「一段の鏡餅」
毎年年末になると親戚一同が実家に集まり、餅つき大会が開催されます。
仕事が休みで行けた時には搗く方に参加するものの、腰痛の持病があるため大抵は2~3臼もついたら餅を丸める側に回ります。
搗きあがった餅を伯母が適量をちぎって餅取り粉を敷いたシートの上にポンポン投げていくのを、妻といとこと一緒に丸めて箱に納めていきます。
その間、子供たちを甥っ子姪っ子たちが遊びながら面倒をみてくれているのがありがたいことです。
休憩しながらとはいえ、全部で数百個を丸め終わると、みんな冬なのに汗びっしょり。
毎年家族で食べる分の餅と、お鏡さんをいただいてイエに飾ります。
鏡餅を置くのは床の間・・・・と言いたいところですが、我が家にはあいにくないので、テレビの上に色紙を敷いてその上に鎮座しています。
いつか薄型テレビにしたらどこに置こうか悩みます。
息子が1歳の年、急に熱を出したため妻と息子は餅つきに参加せず自分だけが参加しました。
親戚に初めての誕生日には餅を背負わせたか?と聞かれたので、やっていないと答えたらその年は一升の餅でつくった一段の鏡餅?をいただくことに。
一升の餅は、いつもの鏡餅より、か~な~り大きかった。
さっそくイエに餅を持ち帰り、翌朝熱も下がり、元気になった息子に鏡餅を風呂敷につつんでたすきがけをさせて持たせてみたところ、当然重くて立ち上がりもせず目を丸くしていました。
妻が立てる?と立たせてもすぐ尻餅をついて、困り顔。
歩く、転ぶに関係なく「背負いきれない程の食べ物」=「一生食べ物に不自由しないように」 という 願いと、一升餅を背負うことで、人の一生の重さを感じさせるための行事らしいので、立つのがやっとでもそれでOKということに。
息子は餅のさわり心地が気に入ったようで、ぺたぺた叩いて触っていました。
餅肌は気持ちいいのか?
そして、鏡開きの日には大きな大きな「ひび割れ鏡餅」が登場しました。
なんせ、自家製の餅だけに密閉包装なんていうことはしていないので、こんな事に。
鏡餅は包丁で切ると縁起が悪いそうなので木槌で叩いて叩いてかち割り・・・・ではなく開きます。
ホコリとうっすらカビが生えてしまっていた所はぶ厚くしっかり削り水を張った密閉容器に入れ、丸一日も水につけるとひび割れは見事に消滅!
こうすると再び柔らかいお餅が味わえ、汁粉にしたり、安倍川餅にしたりと普通の餅のように楽しめます。
この技法を「水餅」といい、毎朝水を替えて冷蔵庫で保存すれば、結構持ちます。
これぞ、先人の知恵。
また干からびた鏡餅、ホコリとカビた部分を削ったら、すぐに食べたい場合には「揚げ餅」の出番です。
150~60度くらいの油で揚げて餅が膨らめば、それで完成。
あとは青のり&塩をかけると外側はサクサクカリカリで中はもちもちトロ~リ、焼餅とはまた違った美味さと香ばしさ、揚げ餅にはシンプルな塩味がよく合います!
もちろん、揚げ餅は干からびてないお餅でも美味しく出来るので、普通の焼餅に飽きたら是非おためしあれ。
娘も誕生日が12月も半ばすぎだったので、1歳の背負い餅は同じく一段の鏡餅を使うことに。
ところが息子が背負って動けなかった時より小さかった娘なのに、よちよちと歩いて自分達を驚かせました。
大晦日に、家族でこれまでを振り返ってめくるアルバムの写真。
子供たちが風呂敷に包んだ餅を背負った姿を見つけるたびに、大きくなった二人の成長ぶりと、大きな一段の鏡餅を思い出します。
「寒いベランダで流星祭り」
冬にも流星群がやってきます。まず、11月を冬と言っていいかどうかは迷うところですが、11月中旬にやってくる「しし座流星群」。これは、過去何度もすごい数の星の雨を降らせた名物流星群です。今年の見ごろは11月17日~18日未明です。もうすぐですね。
続いて12月上旬から飛来しはじめ、月半ばころに極大を迎える「ふたご座流星群」。これも毎年多くの流星を見せてくれる流星群です。輻射点となるふたご座はこの時期天頂付近を通りますから、その意味で観測しやすい流星群とも言えます。
その後はクリスマスのあたりにやってくる「こぐま座流星群」。これはちょっと見え方が気まぐれですが、すぐに「しぶんぎ座流星群」がやってきます。当たり外れが大きい流星群ですが、当たり年ならかなりの数の流星が流れます。
このほか、ちょっと地味な「かみのけ座流星群」なんていうのもありますが、とにかく冬もこうしたすてきな天体ショーが次々やってくるんです。うちは父も母も夜空が好きですから、流星が一番多く流れる極大日が近付くと、ちょっとわくわく。
お天気は、冬型の気圧配置になると太平洋側は晴れの日が多くなりますから、あまり心配はありません。翌日も仕事があることが多いですから、あまり夜更かしは出来ませんが、とにかく寒さも何のその。みんなベランダに集まります。ベランダでは夜空の半分しか見えませんし、市街地ですからさらに星の見え方は悪くなりますが、とにかく流星の降っている夜空の下に出る、見えようが見えまいが流れ星をイメージする、そういう夜を過ごしたいんですね。
手に手にコーヒーカップを持って、それをすすりながら夜空を眺めます。コーヒーカップといっても、中身はたいてい甘酒。これが温まっていいんです。もう毎度のことですから「見えた?」「見えた」なんていう会話はほとんどありません。ただ黙って夜空を見上げます。
去年からこのベランダ流星観測に、こちらでご紹介した褞袍(どてら)が加わりました。
http://q.hatena.ne.jp/1292994072/277910/#i277910
家族お揃いの褞袍を羽織ってベランダで夜空を見上げる。深夜ですからご近所の目はありませんが、もし見られたら、なかなか傑作なビジュアルではないかと思います。
もちろん褞袍作りに参加してくれた、上京中の親戚の女の子も加わるようになりました。彼女はまだ流星が珍しくてたまらないお年頃ですから(笑)、「ほら、飛んだ」「え?どこどこ?」「あの辺から向こう側に」「えー、見てなかった」と大騒ぎ。父に「しーっ、もう夜遅いんだから」と言われてしまうこともしばしばです。やっと見えるとまた大騒ぎ…したいのをぐっと堪えて、手をバタバタさせて態度だけで大騒ぎ。先ほど私たちはただ黙って夜空を見上げるだけと書きましたが、本当は流れ星が見えると、私も、少なくとも寒さを忘れるくらいは興奮します。
流星群は季節を問わず色々やってきますから、特に冬だけという物ではありませんが、オリオンの独特の星の並び方を見ながら、甘酒のカップを両手で抱えて夜空を眺めるのはこの季節だけ。暗闇の中で何も語らず、でも同じ夜空を見上げている。これは、やってみると、とても幸せなひとときです。こうして冬の夜が更けていきます。
「冬の庭の土作り」
狭い庭ですが、その一角をちょっとした菜園にしているわが家では、冬の土作りが欠かせない行事の一つになっています。取りかかるのは、昼間でも寒風が頬を刺すような本当の冬。父と私は作業着姿になって、元気良く庭に出ます。
「ひょぉぉぉぉ」
北風の音のような声が思わず出てしまう寒さ。これが大切なのです。これから土を寒ざらしを行うのですから。
まず最初の作業は、終わってしまった作物の枯れた茎や支柱等を取り除きながら、今年も一年ありがとうと土にお礼を言うことから。最初は砂利だらけで土もガチガチに固まっていた場所でしたが、今はふんわりといい土になっています。
続いて土の表面に有機石灰と苦土、堆肥をバラ撒きます。そしたら鍬、というか「まんのう」ですね。こういうやつ。
そして穴あきスコップ。こういうやつ。
こうした道具を使いながら、出来るだけ深く掘り起こして耕していきます。少なくとも大根一本分くらいは掘り起こしたいですね。ですからこの作業は、狭い菜園でも結構な運動量。
しかしここで汗を掻いてしまうと、そのあと急に冷えてしまいます。そこでこの作業は交代制。動いている方は汗が滲む前、待っている方は体が冷えてしまう前。このベストタイミングでバトンタッチしながらやっていきます。コンビネーションの良さがちょっと自慢な親子です。
耕し終わったら、表面のデコボコはそのまま。こうして土の表面積を確保しながら寒風にさらしてリフレッシュさせるのがこの作業の目的です。
作業の全てが終わったころ、母が庭に熱々の豚汁を持ってやって来ます。このタイミングも毎年絶妙。
「ご苦労様。寒かったでしょう」
「おー、来た来た!!」
私たちは耕し終わった庭を見ながら豚汁をいただきます。気温が低いと、その分たくさんの湯気が立ち上って、あったか感倍増。おっと、温かい汁を飲むと鼻水が…。これも冬の風物詩ですね(笑)。
母も一緒に庭で豚汁を楽しみます。私たちは体を動かしていたので寒くありませんが、母はおそらく寒いと思います。それでもみんなで肩を並べて豚汁を楽しみたいんですね。豚汁が終わっても、親子三人、しばらく寒風の中で過ごします。
あ、猫が部屋の中からこっちを見ています。「あたし一人でつまんないよ~、早くこっちに来てよ~」と言いたげに前足でガラスをカリカリしはじめました。母が「はいはい」とお盆に食器を乗せて部屋に入ります。私と父も「後片づけするか」と声をかけ合って作業のしめくくり。
こうして、寒いけれど暖かな、家族“協働”の時間を楽しみます。わが家のお気に入りの冬の日の一コマです。
「わが家の冬のお楽しみ」
小さい頃、冬になると従兄弟とおばあちゃんのイエで柚子狩りをするのが恒例常時でした。
ただし木にはトゲがあり、高いところに実がなるため大人が脚立に乗って大きな枝切りはさみで切り取ったのを、私たち子どもはカゴを持って回収に回ります。
大きな箱に山になるくらい採れた柚子を皆で山分けてして帰りました。
収穫した柚子は母の手によって柚子味噌や柚子茶、そして柚子の汁をただ搾った柚子ジュースの瓶がつくられました。
柚子味噌や柚子茶はすぐ食卓に上がり、柚子のいい香りがわが家の食卓をにぎわせてくれます。
しかし柚子ジュースの瓶は普段は使わず冷蔵庫にしまってあり、家族が風邪をひいた時に特製の柚子湯を作るために開けるものでした。
柚子湯は柚子ジュースをお湯で割り、はちみつを入れて作ります。
はちみつが入れてあるので口当たりはまろやかなのですが、飲み込むと喉がヒリヒリするほど酸味があり飲んだ後には体の芯からぽかぽかしてきます。
軽い風邪なら一晩で良くなりました。
そして柚子を摘んだあとのお楽しみが、柚子の種から作る美容液です。
柚子の汁を搾った後に出る種を、ボウルに入れ種の3倍のほどの水に二晩漬けておきます。
二日後、種をつけた上澄みの水を捨てると、種の周りになんだかとろっとしたジェルみたいなものが出来てます。
このジェルみたいなものはペクチンで、保湿効果に美白&美肌(引き締め、特に小じわを薄くする)力があり、昔から美容液として伝わり使われてきたそうです。
ジェルから種を取り出したものを、容器に移し風呂上りに母は顔、私は手足や顔、首周りに塗ってもらっていました。
同じ種からジェルは1回だけでなく、2度3度と取り出すことができます。
私は昔から晩秋~冬かけて肌が乾燥しだすのですが、これを塗っている間は肌の調子がだいぶ良かったです。
冬至の日が近づき、柚子色が街にあふれ出すと、おばあちゃんのイエの柚子の思い出がよみがえります。
柚子の黄色は私にとっては懐かしい思い出の色です。
今では母に代わって私が毎年ではありませんが、柚子をお徳に沢山に購入できた時には柚子茶や柚子ジュースと種の美容液を子ども達に作っています。
ただし柚子ジュースは風邪の日だけでなく、つい普段から風邪予防としてホット柚子湯にして飲んだり、夫は焼酎で割ったりして飲んでしまうのですぐなくなってしまいますが、美容液は少しずつ使えば結構長持ちします。
いつか庭のあるイエに住んだら庭には柚子の木をいっぱい植えて、イエの庭で思う存分柚子狩りをできるようになれるといいなぁと夢見ています^^
冬に柚子は、色んな意味で素敵な地球からの贈り物ですよね。
柚子は柑橘類の中ではわりと耐寒性もあって育てやすい部類だと思います。本格的な木に育てるのは無理ですが、鉢植えでもそれなりに楽しめますから、将来の柚子畑を先取りして、ベランダで柚子育てというのも楽しいのではないでしょうか。
庭で思う存分柚子狩りなんて私も憧れます。たくさん実ったら、夢のような光景でしょうね(^-^)
「たまの雪の日のわが家の風景」
東京ではめったに雪が降りませんから、降ると特別な日になります。特に父は子供みたいに雪が大好き。雪の朝は誰よりも早く飛び起きて庭に出ます。私が続いて庭に出ると、決まって父は雪玉を投げてきます。そして始まる雪合戦。狭い庭ですが、子供の私にはとても楽しい時間でした。父は私が大人になっても同じように雪玉を投げてきます。いつまでも童心を忘れない人というか、子供っぽい人というかw。でも、今の私も庭での雪合戦が大好きです。
たくさん降り積もると雪かきが始まります。ご近所の人たちは、まず玄関から門にかけての庭の除雪から始めますが、父は庭の外の歩道上しか除雪しません。庭の雪は絶対にどけないんです。理由は、「折角降ったのにもったいない」。歩道上の雪は社会奉仕だからどけるけど、自分の庭は降り積もったままにしておきたい。父ってそういう人なんです。
東京では雪だるまが作れるほど降ることは稀ですが、でもそれは等身大の大きな雪だるま。テーブルサイズの小さな物なら十分に作れます。雪うさぎも作ります。こういうものに使う雪は、主に庭木の上に降り積もった雪。そのままにしておくと木がかわいそうですから雪を落としてやりますが、汚れていないきれいな雪ですから、それを使わない手はないのです。
こうして朝は子供のようにはしゃぐ私たちですが、夜は打って変わって雪見酒。肴は温まる湯豆腐がお気に入りです。熱々の湯豆腐を楽しみつつお燗でキュッ。これには母も参加します。父と母は差しつ差されつ。私は手酌。一人仲間はずれですが、まぁ独身のうちは仕方がないでしょうw。
酔いが回ってくると、ちょっと窓を開けてみます。ガンガン暖房を入れている時にこういう急激な温度差を作ることは、特にお酒が入っている時は身体的な危険を招きますから避けてほしいと思うのですが、わが家は室内でも厚着をして暖房温度を下げるようにしていますから、ほとんど問題がありません。寒風が頬に爽やかです。
こうして子供時代から変わらぬ雪遊び、そして子供時代は眺めているだけだった雪見酒、それらを今も変わらず楽しめるわが家は本当に幸せだと思います。今年は東京、雪は降るでしょうか。わが家の「お気に入りの冬の光景」は、天候次第なのです。
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