日本自然療法学会会長 大槻 彰 医学博士。
長文になりますが先生のメッセージを引用させていただきます。
http://www.natural-therapy.org/profile.html
私が「自然療法を」編み出したのは30年以上も前のことでした。
1967年、ある製薬会社に在任していた頃、肥満と運動不足がたたって、私は突然、椎間板ヘルニアの衝撃におそわれたのです。そして、椎間板ヘルニアと糖尿病などの生活習慣病で入院。病は重く、3年間も入退院を繰り返しました。その間、さまざまな治療を受けました。ベッドの上でのきつい牽引療法もやりましたが、生きた心地がしなかったものです。そして鎮痛剤はじめ、薬漬けの毎日。
しかし、この薬漬けの入院生活から得たものは病気の完治だけではなく、ムーンフェイス(顔のむくみ)をはじめとするさまざまな副作用だけでした。そして、ついに手術をしなければ治らないと宣言されたのです。当時の医療技術では大手術で、しかも完治するとは限らない。私は思い悩みました。
そんなとき、医師の橋本行生先生が書かれた本の中で「病気を治すのに、いちばん大切なことは、自分の中にある自然治癒力を引き出す方法を身につけること。そのための努力が必要である」との一節にふれ、手術はしないと決めたのです。これ以外にないと思い、退院。
このままではダメになってしまう。医師や薬に頼りすぎだ。病気に負けてはいけない。病気は自分で治すものだ。人間にはもともと自然の治癒力が備わっているはずだ。自分の力で難病に立ち向かおうではないか。
東洋医学の知識に興味を抱いたわたしは、自分の中にある自然治癒力、免疫力に賭けたのです。自宅で食事療法や漢方、運動療法など様々な角度から研究に取り組み、自然の摂理にあった方法を自ら実践。半年くらいで病状は良くなり、やがて完治し、体重も減少。普通の生活に戻ることができたのです。
この経験をもとに自然主義総合療法(のちに自然療法と命名)を創始。大勢の方に実践してもらった結果、予想を上回る成果を得たのです。そこでさらに多くの病気で悩まれている方に、この方法を紹介・普及させるために昭和50年、自然療法の全国的研究組織、日本自然療法学会、続いて、日本自然美容学会を発足させ、それぞれの会長に就任しました。病気は自分で治さなければダメだ。これが自らの体験ではっきり言えることなのです。
病気は自然治癒力、免疫力が治してくれるという考えが自然療法の基本です。
1.食事療法
2.漢方療法
3.物理療法
この三つをあわせて総合的に行う療法を私ははじめ三位一体の「総合療法」と名づけ、それを科学薬品などではなく、自然の素材を中心に活用するものなので、やがて「自然主義総合療法」と呼ぶようになり、これを縮めて「自然療法」と命名したのです。