最近キュレーションという名のまとめサイト(NAVERまとめやtogetter、2chまとめなど)がトレンドですが、引用の多用、もしくは全部が引用である状態が著者の著作物となるのかを知りたいです。
昔からの様式として、学術論文の引用や絵画の習作、DJのリミックスなどがありますが、(googleなどの検索エンジンのキャッシュ、公開する撮影ビデオにTVが写っている場合や曲が入っている場合)元々の文章、テキスト、図式、音楽が一次的創作物ではない状態でも、それを模したものや引用ですべてを構成したものに対して著作権が発生し、著作物となりえるのかの法的解釈が知りたいです。
この団体、組織はこういうスタンスでやっていて、係争中であるという問題は扱いません。
可能であれば、一定の法的解釈、判例に基づいた「結果」が欲しいです。
著作権の問題として、どれだけ似ていて、その対象がどれだけ保護されているかという点が一定の権利保護になる現状がありますが、今回は実践的な問題よりも、そもそも著作権の意義や引用の意味といったアプローチからの法的解釈を希望します。
よろしくお願いします。
対象が、著作権法で規定する引用に該当する(元の著作権を侵害していない)のは当然として、二つの側面があると思います。
前者については、引用をした人の創作性が認められるかどうかに寄ると思います。
プログラムにもできそうな、検索結果を並べただけだと、創作性が認められるとは思いません。
ただし、書籍にもオムニバスという形式がありますから、編者の著作権が発生する余地が無いとは言えません。
後者については、著作権法の記載が基本になるでしょう。
http://www.houko.com/00/01/S45/048.HTM
第2章 著作者の権利
第1節 著作物
(著作物の例示)
第10条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
1.小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
2.音楽の著作物
3.舞踊又は無言劇の著作物
4.絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
5.建築の著作物
6.地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
7.映画の著作物
8.写真の著作物
9.プログラムの著作物
ネット上の電子データが、1. の著作物として認められるかどうかだと思います。
例えば、NAVERまとめの場合、投稿したものが著作権を保有するとした場合、誰が著作権を保有するかについては、NAVER のスタッフから見解が出ています。
http://uservoices.naver.jp/42834?page=6&categorySrl=0
これによれば、NAVERまとめの場合には、投稿者が著作権を保有する、ということになっているそうです。
他のサイトであれば、そこの規約に従うだろう、ということでしょう。
最近、似たような質問があったので、そちらも参考になると思います。
http://q.hatena.ne.jp/1339209099
著作権法32条に規定する「引用」に該当するかによると思います。
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
この引用については、引用された著作物が全体の著作からみて従属関係であることが求められます。
まとめサイトであれば、まとめコメントがメインで元記事がサブであることになります。
著作権判例データベースで検索したところ
http://tyosaku.hanrei.jp/hanrei/cr/1351.html
で、
本件各対談記事を閲覧させること自体を目的とするものであったと解さざるを得ない。
したがって,本件各発言においては,その表現形式上,本件各対談記事の転載部分が従であるとはいえない
と引用した元記事を読ませることが目的と解されて、不当な引用であると判断された判例があります。