分かりやすく話を単純化して話します。
1. 法人税
1-1. 税収の減少
今年は家電メーカーなどの大企業が赤字なので法人税を支払いません。税収は当然落ち込みます。
1-2. 法人税の税率について
以前は、日本の法人税の税率は高めで、補助金や特例で還元するしくみでした。補助金や特例を設けることで、補助金や特例の欲しい企業は自民党の議員に献金します。また、補助金や特例をもらった見返りに、企業は官僚の退職者を「天下り」として受け入れて何億円もの退職金を支払ったのです。
経団連などは高めの法人税に不満が強かったので、2007年に法人税率の減税が実現しました。経団連は追加の法人税率の減税を要求していて、法人税率の減税分を消費税で埋め合わせようとしています。民主党の野田総理と、自民党と公明党が、社会保障の改革を先送りにしても消費税を急いで上げるように要求しているのはこのためです。小沢派は社会保障の改革が先だと主張して、消費税の増税に反対しています。
2. 所得税
2-1. 税収の減少
現在の日本はデフレです。デフレとは物価が下がり、国民の給与は物価の下落以上に下がる現象のことを言います。サラリーマンの給与所得が下がっているので、所得に応じて支払う所得税の税収は減少しています。
2-2. 所得税の税率について
日本の所得税の税率は、高額所得者の税率がどんどん減税されてきて現在に至っています。理由はふたつあります。
第一に、自民党の固定的な支持層が高額所得者であったこと。高額所得者は安定的に選挙に行って保守的な投票をします。庶民は気まぐれで、選挙に行かない人が多いのです。気まぐれな庶民がたまに選挙に行くと小泉改革を支持したり、民主党の政権交代を支持したりします。
第二に、生活費でいっぱいいっぱいの庶民を減税しても、急に支出を増やすことはしないので景気の活性化になりません。一方、お金持ちの税金を半分にしたら贅沢にお金を使うので景気が良くなる可能性は高いのです。
お金持ちの税率を軽減して減少した税収は、貧しい人から広く薄く増税します。それが消費税なのです。生活費でいっぱいいっぱいの庶民に対して消費税で増税すると、庶民の生活は苦しくなります。しかし、もともと庶民は生活に必要な支出しかしていないので、増税になっても消費が減ることはあまりありません。したがって、国の経済に与える影響は小さいのです。
所得税とは別の話ですが、相続税もどんどん減税されてきました。今年から減税が少し緩和されます。相続税が安いとお金持ちの子供はお金持ちになり、富の再配分機能が働かなくなります。この理由もふたつあります。
第一に、自民党の固定的な支持層が資産家であったこと。資産家は安定的に選挙に行って保守的な投票をします。庶民は気まぐれで、選挙に行かない人が多いですね。
第二に、相続税の税率が高くても、資産家は減税対策を行う手立てができたり、海外に資産を移したりしてしまって、税収効果が読めません。資産家の相続税に期待するよりも、消費税の方が収入が安定します。貧乏人の生活費はこれ以上節約できないので、貧乏人の生活費から広く薄く増税した方が安定的に増収が見込めるのです。
小沢派は社会保障を改革すると庶民が安心して支出するようになって、景気が改善するだろうと考えて、消費税の早急な増税よりも社会保障改革を優先するように主張して、消費税の増税に反対しています。
話を単純化しましたので、ちょっと極論になっている部分があります。政治の世界は、映画のように善と悪がはっきりした世界ではないので、このような見地もあり、別の見方もあることをご理解いただけると幸いです。日本は自由な言論ができる良い国ですね。庶民が選挙に行くと政権交代だって実現可能なのです。これからだって、日本国民は政治家の自由にはさせないでしょう。
少子高齢化で個人所得は減り続けている。
円高の進行で輸出が減り続け企業の収益は減り続けている。
税率を上げるよりも公的な支出を減らすべきなんですよね。
半分以下にしても足りないくらい。
取り方をどう変更しようと、少子高齢化は避けられず、少ない働き手で大勢の高齢者を支えるのは難しいと思います。
税率を引き上げて解決出来る問題ではないので、増税ラッシュにしても、景気が悪化するばかりです。
いかに、公的な支出を減らすかが最大の問題だと思います。
後期高齢者保険などその典型なんだが、票に響くので官僚の言いなりに増やしてきた。
これを減らそうと言うのが小沢派で、言ってる事はなるほどなんだがイメージが悪い。
何と言っても彼は角栄の弟子だから。
お年寄りには、資産をたっぷり持っているお年寄りも多いのです。
今の日本の所得税は、給与所得にはしっかり課税しますが、不労所得の課税はとても軽いものになっています。株式の売買や、配当や利息には国税と地方税の合計で10%しか税金がかかりません。
若者はいっしょうけんめい24時間働いて、子育てをして、給与からはがっつり所得税も取られて、それでも将来は年金があまりもらえないといわれています。
一方で、資産家のお年よりは、少ししか所得税をとられなくて、資産があるのにそのうえ年金ももらって、そして医療費も安いのです。
資産家のお年寄りの医療費を、どうして身を粉にして働いている子育て世代が負担しなければならないのか、やりきれない気分になります。
資産家のお年寄りには消費税だけではなく、現役世代と同様の所得相応の税金を払ってもらいたい気持ちです。また、資産家のお年寄りが一生で使い切れなかった資産は、子女に相続されます。事業継承をスムーズにするという理由で、相続税は軽減されてきている傾向にあります。
これによって、お金持ちの家系と貧乏人の家系が固定化するのではないかという心配もあります。
国民の機会の平等のための資産の再配分というのも、税制の大切な役割であることを忘れてはいけません。