IntelチップのPCのOSは、世界中でWindowsです。Windows以外はほとんど使われていません。ドイツでもほとんどがWindowsでごく一部がLinuxです。Macは個人使用向きで、セキュリティや管理の仕組みが無いのでビジネスには使えません。
ドイツの車載コンピュータはBOSCHというメーカーのものが使われています。日本とアメリカではハイブリッドが流行っていますが、ヨーロッパにはハイブリッドはありません。ヨーロッパの主流はディーゼルです。今やポルシェもディーゼルモデルを出しています。BOSCHのコンピューターがエンジンをコントロールしています。BOSCHのコンピューターがないと、ディーゼルは公害のもとになります。ヨーロッパ中のディーゼルはドイツのBOSCHのコンピューターを積んでいます。
日本は器用に完成度の高いコンピューターゲームを作りますが、それらのゲームはIBMのチップで動いています。PlayStationもニンテンドーWiiもX-BoxもIBMのコンピュータチップで動いています。IBMはアメリカのコンピュータ会社ですね。Macも以前はIBMのチップで動いていましたが、とんでもなく速い代わりに発熱がすごいので MacBookに積めないと判断してMacはIBMからIntelに変わりました。
日本で唯一OSを作って成功した例はトロンと言います。Docomoのガラケーで使われていました。現在ではスマホのOSはアメリカのGoogleが作ったドロイドとアメリカのAPPLEが作ったiOSが主流です。現在は日本製はありませんね。
OSを作るには技術とお金がかかりすぎて、日本でやっていては間に合わないからだと思います。また、日本は最先端のものを作るのは苦手で、改良して高品質なものを作るのが得意なんですね。
別にドイツ車に限らず、車の制御用にWindows積むなんて自殺行為は、どの国でもやりたがらないと思いますが。それにWindowsは制御の最小単位時間が1ミリ秒であり、これだとリアルタイム制御には遅すぎて使い物になりません。Windowsではカーナビ程度がお似合いでしょう。ガチなリアルタイム制御には、それ用のOS(ROS:Realtime OS)が使われます。すでに引き合いに出されている国産OSのTRONもROSの仲間で、地味~に見えないところで制御用として動いています。(工業用バージョンのITRON)
それはさておいても、やはり世界的に最も広く一般市場に受け入れられているOSがWindowsであることは不動の事実であり、ドイツも例外ではありません。
また、いくら素晴らしいOSを作ったとしても、それだけでは何の役にも立たない。その上で動くソフトが必要です。おそらく世間一般では、ExcelやWordがないと仕事にならないって人はかなりの数にのぼるでしょう。そういうソフトが不在のOSなんて、一般市場的にはまったく無意味です。
PCはもうすっかり普及品になっていて、「新しく買ったパソコンにエクセルが入っていないんですけど、なぜですか?」みたいな質問さえ見かけるほどです。これほど広く普及していて、しかもOpenOfficeみたいなフリーの互換ソフトも出回るなど、もはやそれで商売になるような状況ではありません。これでは新規にOSやソフトを自前で作り、世界制覇してやろうなどと考える企業経営者がいたとすれば、相当いかれた奴でしょうね。普通それはバカって言います。
ただ、バカでもとんでもなく突き抜けた人物なら、ある程度それを実現してしまうかも知れません。あいにくと、そこまで突き抜けた人はいないし、幸いにも「単なるバカ」はいないようですね。