電磁波の波長の幅が大きいといものほど遠くに届くのは障害物に強い(回折するから)と聞きました、
もし障害物がないという仮定にした場合。
短波長でも、長波長と同じだけの距離を進めるのでしょうか?
当方は物理学は苦手なのですが、光の勉強をしている際に気になったので教えていただきたいです。
>もし障害物がないという仮定にした場合。
>短波長でも、長波長と同じだけの距離を進めるのでしょうか?
障害物が全くない仮定であればその通りです。全く障害物がない場合、電磁波の強度は波長の長短に関係なく発生源からの距離の2乗に反比例します。これは電波でも光でも同じ事です。
ただし、この「障害物」には、建物などだけではなく空気も含まれます。真空の宇宙空間でなら波長に関係なく同じ距離を進めますが、大気中であれば吸収による差が出ることになります。電波としての周波数帯では、一般には波長が短いほど吸収される度合いが大きくなりますが、これは大気を構成する原子の種類に依存する話ですので、大気状態や電波帯によって減衰度には大きな違いがあります。単純に「高周波ほど吸収されやすい」というわけではありません。
また、ある程度以上周波数が高くなると(100GHzくらい)、大気での吸収による減衰は逆に少しずつ下がっていきます。空気にはほとんど吸収されず、物質に当たると吸収される周波数帯、即ち赤外線となっていくわけです。
これがさらに周波数を増すと、物質に吸収されず表面で反射する電磁波(=可視光)となり、さらにさらに増すと物質をすら透過する電磁波(=紫外線、X線、ガンマ線)となっていきます。こうやって周波数が上がるにつれ、今度は吸収ではなく散乱による減衰が強くなったりもしますので、大気中での到達距離は単純に周波数だけには比例しません。