「従業員が遅刻や早退で労働時間に穴を作った時、その従業員の不在時間を累積させて合計8時間に達した時点で、1日の年次有給休暇を消化したこととみなす。」(私が言いたいことが分かりやすいように、雑な言葉を使ってみました。見苦しくてすみません。)
---そもそも、こういうことは合法でしょうか?
一般には、遅刻3回を1欠勤と見なす、という就業規則があります。時間数ではありませんが、たとえ10分でも遅刻が3日あったら1日分の賃金が無くなります。
(欠勤控除のある日給月給制の場合のみ)
厳密に言えば、実際の労働時間より控除される賃金が多くなり過ぎる場合があり、罰則の上限を定めた91条に抵触するような気がしますが慣例として認められているようです。
その条件よりも労働者にとって有利ですし、年休の強制付与とも言えますので条件次第で合法でしょう。
http://www.houko.com/00/01/S22/049.HTM#s4
39条4、6
ただ、時間付与や強制付与ができるのは5日や年5日を超える部分だけであり、遅刻が多い人では足らなくなります。
単純に賃金控除の規定にして、病欠の場合のように本人の申請によって年休とした方が順法的な気がします。
ただし、欠勤1日に付き1日分の賃金を控除するという日給月給制の場合、時間単位で賃金を控除する事はできません。
遅刻の累積時間が1日の所定労働時間になった場合というような、文言の工夫は必要だろうと思います。
労働基準法第39条により、年次有給休暇は労働者の意志により計画的に取得することが求められています。
http://web.thn.jp/roukann/roukihou0039jou.html
交通機関の遅延や寝坊など、労働者が計画していなかった遅刻を累積して無条件に有給休暇消化としてカウントすることは無理があります。
ただし、就業規則の中で遅刻を有給休暇消化としてカウントすることを明記すること自体は問題ありません。就業規則に明記したのであれば、労働者とその旨の合意を得ていることになり、労働基準法に違反することにはなりません。