そのため、一般的に下記の事を知りたいと思っています。
「今の社会では、業務命令による職種変更、配置転換は合法のようです。裁判でも個人の意志は反映されないことがほとんどのようです。それは労働契約法 第八条と整合性がとれていないように感じるのですが、どのように説明できるのでしょうか?」
一般的、という事であれば一介の労働者は長い物に巻かれるしかありません、あああ、女工哀史。
しかし、判例的には必ず絶対そうとも限りません。
望めよされば与えられん。
直源会相模原南病院事件 東京高裁 h10.12.10
病院の事務職員に対する看護助手への配転命令につき、「業務の系統を異にする職種への異動、特に事務計の職種から労務職系への職種への異動については、業務上の特段の必要性及び当該従業員を異動させるべき特段の合理性があり、かつ、これらの点について十分な説明がなされた場合か、あるいは本人が特に同意した場合を除き、一方的に異動を命ずることはできない」とし、配転命令を無効とした。
日本テレビ放送網事件 東京地裁 s51.7.23
アナウンサーとして採用され、20年間もアナウンサーに従事してきた者については、職種限定だとされた
東亜石油事件 東京高裁 s51.7.19
理科大を卒業し、川崎製油所製造部試験室のLPガス組成分析部門で働いてきた労働者に対し、この部門から東京本社のLPガスセールスエンジニアへ配転を命じた。就業規則には「業務の都合により転勤、職場・職種の変更を命じうる」と規定されていたため、配転命令違反について懲戒解雇したが、解雇権の濫用とされた。
要するに、一定の専門職と認められる場合に、全く別の職種への強制的な配転は違法だという事です。
希望にそぐわない程度だと無理かな?
ただし、賃金減少は不利益変更であり、配転が有効だったとしても認められません。
渡島信用金庫懲戒解雇事件 函館地裁 h13.2.15
管理職が一般職員として他店に配転命令された。
配転と賃金とは別個の問題であって、法的には相互に関連しておらず、労働者が使用者からの配転命令に従わなくてはならないことが直ちに賃金減額措置に服さなければならないことを意味するものではない。
使用者は、資格に照応しない低額な賃金が相当であるような職種への配転を命じた場合であっても・・・特段の事情がない限り、賃金については従前のままとすべき契約上の義務を負っているというべきである。
西東社事件 東京地裁 h14.6.21
会社は、本件配転命令後の倉庫管理業務は軽作業であり、配転後の職種の他の従業員と同等の賃金額に減額した者である旨を主張する。
しかし、配転命令により業務が軽減されたとしても、配転と賃金とは別個の問題であって、法的には相互に関連していないから、配転命令により担当職務がかわったとしても、使用者及び労働者の双方は、依然として従前の賃金に関する合意等の契約の拘束力によって相互に拘束されているというべきである。
もちろん、負けた例も沢山ありますけどね。
(ダメじゃん)
また、配転と転籍は全く別物です。「別の事業所」が同じ会社の別支店等なのか、子会社等登記上別になっている会社なのかで扱いが全く異なります。
何にしてもきちんと弁護士等に相談しなければ詳細が分かりませんが、でも、資本主義者の弁護士に相談しちゃいけません。共産主義者の弁護士に相談しなきゃアカン。
(社会主義者でも、まあ、いいけど)
http://roudou-bengodan.org/
第八条
労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。
※1 話を複雑にしたくないので、一般的にどうなのかご回答がいただきたいと考えております。
※2 条件を絞らないと、ご回答が難しいこともあると思いますので。
「労働契約において職種が特定されていない場合」です。
※3 就業規則の条件にもよると思いますので書いておきます。
「職員に異動(配置転換、職種変更、転勤、出向)を命じることができる」となっております。
ただ、「職員に同意を得た上で、関連事業所に転籍させることがある。」とも書かれていて、私の場合は別の事業所に職場変更ともなっています。