1945年生まれの母が小学校中~高学年で読んだ翻訳SFで、タイトル・作者は不明、記憶にある内容は以下のとおりです。
・地球を逃れ、数百年を掛けて新天地を目指す宇宙船が舞台。
・宇宙船は巨大な円盤状で、中央が操縦室、それを取り巻くように機械室や農場が、それぞれ別々の国のように存在している。
・操縦室は無重力で、吊り輪のようなものに捕まって移動するイラストがあった。
・世代交代が進み、若い世代の中には、自分たちが宇宙船の中にいることすら理解していない者もいる。
・通過儀礼として、成人すると「別の国」に行く。主人公は機械室育ちで農場に行く?
・土星の輪の成り立ちについて説明する描写があった。
母の記憶が誤っていたり、他の小説と混同していたりする可能性がありますが、この作品をご存じの方がいらっしゃいましたら是非教えてください。母の古稀の祝いに贈りたいと思っています。
では、ミルトン・レッサー『第二の太陽へ』はどうでしょう。
石泉社(銀河書房)/少年少女科学小説選集7(1956)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000830594-00
下記にあらすじがあります。
講談社/少年少女世界科学名作全集15(1961)。
『第二の地球へ』に改題されています。原題は"The Star Seekers (1953)"。
http://shinsblog304.blogspot.jp/2008/07/blog-post_08.html
内容から、ロバート・A・ハインラインの代表作
「宇宙の孤児」の翻案と思われます。
http://mozubooks.com/?pid=19679519
こちらは昭和48年刊行ですが、似たような少年少女向けSF全集はたくさんあったので、そのどれかでしょう。
たけじんさん、ありがとうございます。早速調べたところ、これは可能性濃厚!と母に確認したところ、
・操縦室にいる人間は状況を理解しており、主人公に「準備はできているか?」と尋ねていた。
・ミュータントが出てきた記憶はない。船内の様子は平和的だった。
とのことで、どうも違う話のようです。
最終的にどうなったのかは、記憶にないそうです。
Librosさん、ありがとうございます。これなのではないかと思います。なんとかして現物を探してみます。
質問に答えてくださったお二人に感謝です。
が、このような世代宇宙船の話を、宇宙の孤児以外に書いた人物がいるとは思えないのです。
TVシリーズで、「スターロスト・宇宙船アーク」というドラマがあって、そちらはミュータントが出てきません。
設定は結構近いので、こちらと混同しているということは無いでしょうか。
「スターロスト」を調べたところ、カナダのテレビドラマで、本国での放映が1973〜1974、日本では1975年にNHKが放映。ハーラン・エリスンが原案・脚本、しかも製作総指揮までやってる!放映当時から、「宇宙の孤児」と世界観が似ていると指摘されていたようですね。
小学生の時に読んだと言っていることから、これも違うだろう…と思ったのですが、概要をググると似ている部分があります。主人公が農場にいる、各エリアは分断されている、という辺りです。逆に、操縦室は破壊されていた、という点は、記憶にあるディテールと異なります。
何よりも、NHKの放映当時、我が家にはテレビがなかったのです…。その後、再放送があったかもしれませんが、見た覚えはない模様。
しかし、記憶は混同されて新しい記憶を作るものです。子供の頃に読んだ本と、大人になってからちらっと見たドラマが、共通点を軸に混ざることもありえますね。
または、宇宙の孤児に影響を受けた誰かが、子供向けに世界観を借りた物語を作ったとか?何せ60年前(と本人が思っている)の話なので、あやふやで申し訳ないです。