【0】移民論解題 ~ 居留・租界・棲み分け ~
質問者は、いわゆる「移民」について、どんな予備知識がありますか。
われらが総理の図書室には、祖父の(朝鮮併合に関する)文献がある
はずですが、日頃の言動から推して、立ち読みした形跡もありません。
安倍 晋三 自民党総裁21/25 19540921 山口 /[20060926-20070926/20120926-] 首相90・96
麻生 太郎 自民党総裁23 19400920 福岡 /[20080924-20090916] 首相92/財務相17/金融相18
http://q.hatena.ne.jp/1367942289(20130508 00:58:09)
われらが副総理も、数冊のマンガで「移民」の漢字を目にしたあげく、
列国の政治家にマフィア・ファッション(推定150万円)を披露した
センスだけが、末ながく後世に語りつがれるでしょう。
わたしも、とくに「移民」について学んだことはありませんが、手元
のデジタル書庫(ブクログ)から、つぎの蔵書や資料を検索しました。
これだけをもとに、いっぱしの「移民概論」をまとめてみましょう。
【1】遠来の客たち ~ 綾子 vs ペコちゃん論争 ~
…… 産経新聞に掲載された作家、曽野 綾子氏のコラム《労働力不足と
移民 20150211 透明な歳月の光》をめぐり、南アフリカのモハウ・ペコ
駐日大使は14日までに、産経新聞社宛てに抗議文を送付した。
http://www.sankei.com/life/news/150215/lif1502150017-n1.html
この質問のきっかけとなった事件には、ふたつの視点があります。
その女流作家は、日本文学史上に「才女時代」をもたらして、書けば
売れる、語れば話題になる、一筋縄ではいかない烈女であります。
…… 壊されてみなければ、制度とか道徳とか、一応一時的に人間が作
ったとされているものの成否は、わからないということになります。
── 曾野 綾子《遠来の客たち 19540400 三田文學》芥川賞次点
http://blog.livedoor.jp/maturika3691/archives/5580052.html
三浦 朱門 作家 19260112 東京 /文化庁長官07/夫妻ともカトリック教徒
♀曽野 綾子 作家 19310917 東京 /曾野/籍=三浦 知壽子/籍=旧姓=町田
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19550123 三太郎物語
|
♀Mohau Pheko, 19331113 South Africa /Ambassador to Japan
https://www.youtube.com/watch?v=kHyUrYj6cys (1:25:30)
作家に噛みついた大使も、したたかな才女&烈女のようです。
わたしの推測では、このたびの論戦が、世間知らずのお嬢さま作家が
なにげなく語って、人権一筋の黒人外交官が、あとさき考えず反応した
とは思えません。両女の本棚は、しかるべき文献が並んでいるはずです。
【2】虐殺と破壊の悪夢 ~ 奴隷制度の原点 ~
── バルトロメ・デ・ラス・カサス/染田 秀藤・訳
《インディアスの破壊についての簡潔な報告 19760625-19930625 岩波文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003342712
Bartolomé de las Casas, 14840824 Spain 15660717 81 /カトリック司祭
|
Diego de Landa, 1524‥‥ Spain 1579‥‥ 55 /ユカタン司教
── 《Relación de las Cosas de Yucatán 1566》
http://es.wikipedia.org/wiki/Relaci%C3%B3n_de_las_cosas_de_Yucat%C3%A1n
…… もしマヤと同じように、一六世紀の日本にスペインからカトリッ
ク僧が来て宣教を始め、キリスト教から旧来の宗教に再転向する日本人
六〇〇〇余名を苔刑にし、四〇〇〇余名を拷問にかけ、その結果年間一
五〇余名の死者を出し、異教の本だからと当時の日本にあった書籍の九
〇パーセントを焼きすて、そのかわり日本の文学、宗教、暦法、社会、
習慣などについて、ただ一冊の本を書き残したとする。われわれは、こ
の人物の行為は単に当時の考え方を反映しているにすぎないと容認し、
『万葉集』や『源氏物語』は焼きすてられたけれども、一冊の『日本事
物記』を残してくれたことに感謝すべきなのか。
── 青木 晴夫《マヤ文明の謎 19841220-19880829 講談社現代新書》P80-81
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4061457578
【3】鎖国から開国へ ~ 脱亜入欧と栄光への流浪 ~
…… おお、神よ、この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしてお
り、西洋の人々が彼らの重大な悪徳をもちこもうとしているように思わ
れてならないのである。
|
── 青木 枝朗・訳《ヒュースケン日本日記 19890717-1120 岩波文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/400334491X
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070106 先輩同輩後輩
サンフランシスコの日本人街
http://ameblo.jp/yamatodama2011/entry-11321734710.html
明治39年(皇紀2566年)<50>アメリカの排日運動(20120806)
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2006802.html(No.9 20060305 17:50)
栄光への逃避 ~ 神に選ばれた民族が嫌われるわけ ~
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3646828.html(No.2 20080103 18:25)
|
…… 人類は21世紀に入って、染色体に突然変異を起こしはじめた。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060202 猿の去勢
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20140506 猿の文化史
【4】移民の英雄 ~ 出生地疑惑・二重国籍・晩節・謎の亡命 ~
…… 老人はできるだけ、西陽の当たる部屋を造って貰ったほうがいい。
── 曽野 綾子《戒老録 19721110-19950320 祥伝社》P148/151
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000J7LQ8Y
|
片岡 謙也 元ペルー大統領 19380728 Peru /[19900728-20001117]
フジモリ(旧日本名:藤森/19380602 熊本)Fujimori, Alberto Ken'ya
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20080728 元大統領の幻影
|
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030427 西日のあたる部屋
…… ペルー大使館人質事件で肝心なとき“あんぱん”を配って歩いた。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20040729 クロート・セミプロ・ドシロート
海外で住居や仕事を探す際に話がまとまりやすいから、
そうした環境を整えてくれた先達に感謝、
みたいな話は聞いた事があるけれど、
そうした人たちは現地の文化を取り入れているわけでは無いよね。
また、尊重しているというのが無干渉という意味であるならば、
裏を返せば無関心との意味でしかないわけ。
「自らの文化に現地の文化を取り入れて融合した新しい文化」
みたいのなら探せばいくらでも見つかると思うけど、
やはりそれも尊重とはちょっと違うと思う。
「現地の文化を尊重し取り入れている」っていうのは、
別の言葉で表すと「現地人に同化」っていう意味なのであって、
個人や1家族くらいの少人数ならともかく、
移民というそれなりの規模だと探しても見つからないんじゃない?