硫黄と表で隣り合っている塩素とでは、原子の構造的には電子の数と陽子や中性子がちょっと増えただけですよね?しかもどちらも非金属です。
なのに、なぜ常温での状態がお互い違うのですか?
元素そのものに「状態」はありません。「元素=種類」ですから。
状態を決められるのは「元素の単体」です。
塩素は2つの原子が1本しかない手を繋ぎ合って単体のまま「分子」になれ、分子量が比較的軽いので飛び出してガスになります。硫黄にくらべると結婚したカップルみたいなものです。
硫黄単体ははっきりとした分子の形はあまりとりません。手の数が1本多い2本あり、向きがそろっていない(両手の角度が108度程度である)ため、適当な人と片手ずつつなぎあったりして団子になっているとおもっていいでしょう。ですので二原子でくっついて分子ガスにはなりません。
一人一人がゆるくくっついているため、結晶単体を熱するとどろどろにとけたり、それを冷やすとゴム状単体になったりもします。色は熱しても変わりませんが透明度はかわります。
炭素だと2種類の単体があり(ダイヤモンドと黒鉛)、ダイヤモンドを酸素のないところで高熱で熱すると色も透明度もかわって黒鉛になります。
元素周期律表では、縦にならんだものが手の数が同じ兄弟であり、共通する性質をもちます。
塩素の場合、臭素、ヨウ素も単体が昇華し色のついたガスになります。臭素は焦げ茶色、ヨウ素は濃い紫色。
横方向の隣を比べると、
大きさはほぼおなじでも、手の数が違うので全く違う性質になることが多いです。
手の数とは、むずかしくいうと最外殻電子の数(の、0か8からのズレ)です。
塩素と硫黄の行では、原子番号から2を引いて8で割った余りが最外殻電子の数になります。
塩素と硫黄は、それぞれ4を越える余りがでるので、8からそれをひけば手の数になると言えます。
ただ、イオン化すると最外角電子の数がかわるので、
とりあえず「周期律表の縦ならびは兄弟。」だけおぼえてください。