集団的自衛権無効の却下確定=閣議決定めぐり-最高裁
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507/2015073101067
イマイチ上の記事が話題になってない気がしますが、
集団的自衛権の閣議決定の違憲裁判は敗北判決は敗訴の判例が出てしまいました。
憲法学者や法律家の間では、本国会の安保法案に対して違憲判決がでるという楽観論が優勢だと思うのですが
その根拠はなんでしょう?
当方は、法案自体は明らかに違憲であると確信してますが、
本当に最高裁は違憲判断を出してくれるでしょうか?
また違憲判断が出た場合は、政府は閣議決定を撤回するでしょうか?
それは「棄却」でなく「却下」ですから、集団的自衛権が合憲だとも違憲だとも言っていません。訴えそのものが不適切なのであって訴えの内容を認めないという意味ではありません。
どういうことかというと、抽象論として集団的自衛権が違憲だと言って訴訟を起こしても認められません。ただし、例えば集団的自衛権を「実際に」行使してA国を攻撃したところ、A国の方が日本を攻撃してきてあなたが死亡したとします。この場合に、あなたの遺族が、憲法違反の集団的自衛権を行使した日本国に国家賠償を求めて裁判を起こしたとします。これは訴えそのものが不適切ではありません。これに対してもし「集団的自衛権は合憲であり国家賠償は認められない」という判決を下したとしたらこれは「棄却」です。
別な例として、あなたが借家に住んでいるとして、大家が「相場が上がったから家賃を来月から上げる」と言ってきたとします。それであなたが「そんな事実はない」と言って争ったため、大家がいきなりあなたに対して裁判を起こしたとします。この場合は「却下」されます。相場が上がって家賃を上げることは借地借家法で認められていますが、ただし、裁判を起こす前に調停を前置しなければならないことになっています。それなのにいきなり裁判を起こすことは認められません。その場合は相場が上がったかどうかについては裁判所は何も言っていないことになります。もし調停を前置してから裁判を起こして「相場が上がってなどいない」と言って大家の訴えを退けた場合は「棄却」です。
実際に外国に攻められなくても何かあれば訴える余地はあるかもしれませんが、私はちょっと現在立ち入る余裕がありません。訴えそのものが適切であれば違憲判決がでる可能性は大いにあるとは思いますが、断定はできません。