古い機器の接続以外にも、遠距離で接続したい場合にもアナログ接続は有効です。
例えばビデオカメラで撮影する映像をリアルタイムで別のところに表示させたい場合、HDMIのようなデジタル接続だと、信号補償なしでは10mかそこらで限界になりますが、アナログ接続なら100mでも補償なしで映せます。
もちろんコストをかけて高品位ケーブルと信号補償機を使えばどうにでもなりますが、画質が悪くても映ればいいだけなら、アナログの方が良いという事になります。
ビデオ信号に限らず一般論として、およそ信号を伝送する場合、そこには必ず「ノイズ」が発生します。
デジタル技術では、ノイズは「信号のエラー」となります。実用化されたデジタル技術ではこのエラーの発生を見越してエラー訂正の技術が併用されていますが、発生するエラーが訂正の限界を超えると、データ自体が「破損」して信号伝送自体が成り立たなくなります。
一方、アナログ技術では、ノイズは「信号の劣化」となります。劣化により画質・音質等の「情報の質」は落ちますが、相当にノイズが大量に入ったとしても、そう簡単には破綻しません。
よって、悪条件下での情報伝送としては、アナログ技術の方がデジタル技術より有利になると言えます。デジタル技術があらゆる面でアナログ技術より優れているというわけではないのです。
いずれにしても画質が悪くて見る気がしなくなる。
大画面に慣れると昔の感動が消えていく。