『硬い金属を輪っか上にして、それを互い違いにすることを繰り返せば、縄や紐の代わりになって、しかもすごく強度が高いものができるぞ!』というのは、実に画期的な発想、工夫だと思うのですが、これはいつごろ、どこで発祥したものでしょうか?
ウィキペディアにも書いていません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8E%96
勿論、普遍的な工夫だからこそ世界で同時発生したこともあり得ますが、例えば神話や壁画、埴輪などに登場する古い例があったら教えてください。
(例:「旧約聖書の『サムソンとデリラ』に鎖が登場します」など。)
この質問はブログ記事 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160531/p1 と連動しています。
Googleブック検索で見つけた
Ancient Mesopotamian Materials and Industries: The Archaeological Evidence
著者: Peter Roger Stuart Moorey
という本によればキシュの"A" Cemeteryから出土した鎖があると記述があり、そのワードで検索して
http://digital.library.stonybrook.edu/cdm/ref/collection/amar/id/154562
のPDFファイルで詳細拾えました(182ページというか127/246ページ)
ざっと見たところ、当初の見立てでは紀元前3000年頃のものとされていたようです。
画像も載っていました(.54というか205/246ページの3と5)が、たしかに鎖っぽいものの、今ひとつ詳細が分からないのが惜しまれます(今でも大分ファイル重いので仕方ないんでしょうけれども)
ウィキペディアでも,英語版なら一応書いてあります
Invention
The metal link chain has been in use since at least 225 BC.
すくなくとも紀元前225には金属製の鎖が使われていたとのことです.
出典なども一応記載があります.詳細は英語版のほうを確認してください
オンラインで確認できる情報によると
http://chain-guide.com/breaks/brief-history-of-chain.html
紀元前225頃には水汲みバケツを金属製の鎖で引っ張っていたようです
そこそこ頑丈だったみたいですね
なるほど、最初は吊り輪というわけです。また、木の枝の鎖、毛糸の鎖編み、木から彫り出した鎖、などもあり得るとおもいます。
金は軟らかく加工しやすかったからでしょう。
>>
人が線から鎖を作るようになったのは、おそらくエジプト・メソポタミヤ文明にまでさかのぼり、紀元前2500年には金線を編んでチェーンにする技術があったといわれているそうです。フォックステールのように比較的複雑な構造の鎖も、すでにその頃には造られています。(様々な美術館、博物館で紀元前に製造されたと推定される金製の装飾用チェーンを見ることができます。)
http://www.sugita-ace.co.jp/column/2014/entry801.html
<<
>>
ウルからの出土品にはループ・イン・ループ・タイプの厳密な意味での最初期の実例となるゴールド・チェーンとして知られるものがいくつかがあり、
http://www.albionart.com/wp/wp-content/uploads/2014/04/03b092d587202f3e7435c106f5045e7b.pdf
<<
ただ、金よりも酸化して失われやすいから、桶の取っ手のような物でも、何千年も前の現物が残っている確率は金よりも低い。
青銅だとかなり重くなるのも実用的ではなかった。
何れにしても、本来の用途で使われる鉄製の鎖は鉄器文明の到来まで待つ必要があり、かなり時代が下る事になると思う。
また、鉄は開発当時は高価な新素材であり、その用途は常に武器が優先された。
もっともオーパーツでも発見すれば別だが・・。
慧眼 :-)
http://www.mrdowling.com/603-assyrians.html
>>
Chain mail is a type of armour consisting of small metal rings linked together in a pattern to form a mesh.
<<
この鎖帷子(ヘルメットに浸けても、帷子でいいのかな……)がいつのもの、とははっきり書いていないけれど、1000 BCE くらいのことだろうと。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%94%98%E5%AF%A7#h2-3
鎖鎌と言えば → 忍者
忍者と言えば → カムイ外伝
せむしの忍者が鎖鎌を振るっていたのは、忍法カムイ外伝の第一話だったかと思ったけど、確認してみたら手裏剣遣いだった。
あれは、サスケの方だったかなあ……
なぽりんさんが紹介なさった衣川製鎖工業株式会社のホームページは、すぐれものだと思います。
(No.3のmiharaseihyouさんが挙げられた電子じばさん館のページも「制作協力:衣川製鎖工業株式会社」になってますね。)
なかなかの情報量で、あれこれ興味深いです。
備忘のためにメモ。
http://www2.memenet.or.jp/kinugawa/frame1.htm
http://www2.memenet.or.jp/kinugawa/yume/110805.pdf
http://www2.memenet.or.jp/kinugawa/yume/06121.pdf
それにしても「鎖の起源」という着眼点が秀逸です。素晴らしい。
いろんな分野につながっていて、とても面白いです。
> なぽりんさんが紹介なさった衣川製鎖工業株式会社のホームページは、すぐれものだと思います。
まず「輪」があって、それをつなげた「鎖」ができる。
途中には、輪を数個つなげたものがあるはず。
ですよねえ。
出典が欲しかったなあ >衣川製鎖工業株式会社
途中まで回答は書いたものの、なんとなく手が止まってしまった。
というわけで、まねっこでぼくも備忘の為のコメント。
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英語版の Wikipedia の脚注からたどったページだと、No.1 の回答のように訳すしか仕方ありませんが、もっと大掛かりなものだったみたいです。
>http://www.britishconveyorchain.com/history_chain.php:title>
The development of chain technically began in 225 B.C. when Philo described a chain driven water lift, similar to modern bucket elevators.
<<
「225 BC に始まった」みたいな言い切りになっているのは、[https://en.wikipedia.org/wiki/Philo:title=フィロさん]がそう書いていたからかな。
Wikipedia に妙に細かく年が載っていたのは、何かに記録されていたからなんですね。
# at least をつけているのは、さすが。
で、"water lift" なんですけれど、多分、こんなやつ。
>http://www.pilotfriend.com/world_facts/world/hang.htm:title>
That meant lifting the water far into the air so it could flow down through the terraces, watering the plants at each level. This was probably done by means of a "chain pump."
[http://www.pilotfriend.com/world_facts/world/images/4.gif:image]
A chain pump is two large wheels, one above the other, connected by a chain. On the chain are hung buckets. Below the bottom wheel is a pool with the water source. As the wheel is turned, the buckets dip into the pool and pick up water. The chain then lifts them to the upper wheel, where the buckets are tipped and dumped into an upper pool. The chain then carries the empty ones back down to be refilled.
<<
斜めに読んだだけだといつの年代か分からないですけど、"first century BC" に書かれたバビロニアの空中庭園でのことのようなので、450~650 BC とかでしょうか。
コメントで id:libros さんが書いている装飾品で使われた金の鎖。
張ってある URL だとどんな装飾品か分からないので、こちらを。
>http://thejewelryloupe.com/a-short-history-of-chains/:title>
[http://thejewelryloupe.com/wp-content/uploads/2011/02/Queen-headdress.jpg:image]
Among the treasures found in the tomb of Queen Puabi, buried in 2600 B.C. in the First Dynasty of Ur (Ancient Iraq) with her favorite jewelry and 52 attendants, were massive amounts of gold ornament, including this elaborate headdress (right) and lots of chains ? often embellished with lapis and carnelian beads. - See more at: http://thejewelryloupe.com/a-short-history-of-chains/#sthash.yblNtYtT.dpuf
<<
世界史とか記憶のはるか向こう側ですが、バビロニアよりも古い時代。
[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2#.E5.88.9D.E6.9C.9F.E3.81.AE.E3.83.A1.E3.82.BD.E3.83.9D.E3.82.BF.E3.83.9F.E3.82.A2.E6.96.87.E6.98.8E:title=ウル王朝]の女王様の装飾品だそうで。
chain mail
アッシリアの軍隊。
http://slideplayer.com/slide/9796316#8
https://prezi.com/o9sbsccq_mg0/ancient-babylonian-mesopotamia/
しかも、先史時台とか旧石器時代だった可能性まであるわけで、その辺りになると考古学者さんとかに頑張ってもらうしかないな。
学問的に存在が確認された文明以前から存在していた可能性が高いと思う。
「蔦を編んだもの」は、「鎖(chain)」ではなく「縄(rope)」ではないかと。
利点としてはチェーンの方が角度の大きな動きに対応しやすい構造です。
金属製の鎖だと針金をつないで輪にしながらつないでチェーンにしていく工程です。
まあ、それはそうでしょうけど、強度を稼げるわけではないし、そうする意味がない。
「角度の大きな動きに対応しやすい」と書いてはありますが、そもそも強度がなければ、何かをつなぐ用途には使えない。
だから、ロープは二重、三重によって強度を増す方向に発展してきたのではないですか。
# 調べずに書いてます。ロープを鎖状にするの?
先史時代の資料や実物は残っていない。
従って調査不可能。
また、鎖の起源は何になるのか?って事を言えば鉄製の物が最初ではないように金製の装飾用の物ではあり得ない。
資料第一主義の弊害と言って、常識で考えればあり得ないけど実物が残っているから・・って結論が間違いだって事は理解して欲しい。
後世の例では輪にしたロープや木製の輪を使っている例もあります。
金属製の製品は支配者階級のみが使う贅沢品で、一般に普及したのははるか時代が下ります。
一般には全て、農具の先に至るまで手近にあるもので道具を作っていた。
木製の鋤で農業やっていた時代の方が長い。
鋤の場合には、
・手で地面を掘り返すには、辛すぎる
・道具を使おう(最初は、木の枝だったのでしょう)
・使いやすいように加工しよう
・金属を加工する技術を手に入れると、強度に勝るそちらを使うようになる
という流れでしょう。
工芸品(装飾品と言っても良い)としては加工の技術はあったかもしれませんが、木製の鋤や鍬を作ることに比べるとかなり難しい技術だと思います。
もしかすると、金属の加工の方が楽かもしれない。
それに、「鎖」の場合には、自然界のお手本がない。
数本の蔦が絡まり合って強度が増す、というお手本はありますから、より合わせて欲しい強度を手に入れる、というのは想像に難くないです。
装飾品を除けば、メソポタミアのあたりの武具で首のあたりを守るのに網状にした鉄を使ったらしい(鎖帷子まではいかない)のですが、そこに至る経緯がよく分からない。
体の方は、日本の鎧よろしく金属などの片を合わせたものを使ってたというような情報はありました。
鎖帷子よりは、手間がかからないからでしょう(武具なので、少量生産というわけにはいかないだろうし)。
動きやすさという意味では、首のあたりを守るのは網状のものの方がよろしい、というのは想像できますが、そこに至るまでの流れがよく分からない。
# という感じで、手が止まってしまったのですが (´・ω・`)
しかし、それが重なったチェインは出土の例がない。
そこまでは調べています。
例えば最古の道具の出土例で言えば多くはモロに刃物ですね。
最初は固い石などを削って、次には叩いて剥がして鋭角の「刃」を得て使っている。
しかし、最古の刃物は木製品だったのではないか?って私は思います。
例えば先の尖った木の棒が武器になったのではないか?ってね。
もちろん、出土例はありません。
動物や魚の骨を利用した槍や銛の先端部の出土品は多い。
ではリングはどうやって「使った」のだろうか?
そこまで考えた時、色々な想像が膨らむのです。
リングをどのように利用したのだろうか?ってね。
リングに繊維質の素材でつなぐ民芸品などは珍しくない。
リングそのものは、例えば、多数のフックをつなぐ結節用具になる。
板状の素材をくり抜いて作るリングそのものは比較的簡単に作ることができる。
しかし、「加工」という観点から見れば、チェインの敷居は高い。
石や骨が素材だった場合、硬い素材を接合しなければ二つのリングをつなぐことはできない。
木製品だと強度の問題がある。
ああ、偶然とか異次元空間とかは無しですよ。
金属でも柔らかい金(合金)だと、分厚い板から削り出せば短いチェインなら作れる。
同様に、分厚い木材を立体的にくり抜いてチェインは作れる。
しかし、素材同士の接合が不可能だった場合、長いチェインは作れない。
ではリング単体を繊維素材の輪でつなげば、互い違いの素材でチェインを作れる。
Cリングにして繊維素材でつなげば・・例えば曲玉はもっと大きく曲がっていたんではないか?
ロープでは曲がる際の抵抗が大きいが、チェインだと少ない。
では、それが必要なのはどのような場面でしょう?
>金属でも柔らかい金(合金)だと、分厚い板から削り出せば短いチェインなら作れる。
これは流石に意味不明では。それを言ったら分厚い板を作る方が遙かに大変でしょう。
一般的に金属の利用は自然金・自然銀・自然銅など、精錬不要の材質を叩いて加工したことから始まるとされます。このあたりの易加工材であれば、石で叩くだけでかなり簡単に棒状・線状に加工できますし、それを曲げてリング状にするのも、それを連ねて鎖にするのも、さほど難しいことではありません。
稀少性の高さと実用性(強度)の低さから判断すると、金属製の鎖の場合、実用品よりも装飾品としての利用が先行したと考えるのは、それほど飛躍はないでしょう。
あとは、先行例があろうとなかろうと、加工できる金属の強度が上がれば(上がらない限り)、実用品としての鎖に発展した(発展しようがない)のも間違いないでしょう。
問題点はしたがって、miharaseihyouさんが最初に書かれたとおり、純繊維製の鎖があったのかなかったのか、ではないでしょうか。
ただもちろん、そこらの草を取ってきて編んでも装飾品としての鎖ならば簡単に作れるわけで、人類最初の鎖とはそのような手遊びで作られたものと考えるべきではないでしょうか。
そこから実用品としての繊維製鎖に派生できるかどうかは、確かに難問であると思います。
>>
金属で作った線は金製の鎖が非常に古い時代から装飾品として使用されていました。その作り方は叩いて延ばした金の板を細く切って石に穿かれた穴を通すか、平板に挟んで転がすなどの方法で短い線を作り、それを小さな輪にして繋いだものであったと推測されています。
金属で作った比較的長い線はエジプト第2王朝時代(紀元前3000年頃~紀元前2500年頃)のもと思われるミイラの歯から発見されています。それは入れ歯を両側の歯に金で作った線で縛り付けて固定しているものでした。
http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/zairyou/wire.htm
<<
実用品としての繊維製鎖は、あっただろうと思います。
物を運搬・保存したり、猟・漁をするために網を作っただろうし、その過程で鎖編みもできたでしょう。
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編みの起源は古く、旧石器時代にまでさかのぼる。世界的に見て、発見されている最初期の編み細工は、1本の連続した糸を編んで作った網である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/編み物
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あと、なぽりんさんの同級生のようにたまたま鎖編みを発明して「これすごくね!?」つってお守りにしたり神様に捧げたり、てこともあったかも。
(てなことで、ただいま編み&網の歴史を探求中ですが、ネットで探すとなるとなかなか大変。)
横から「ごめんなさい」でした。
今後、エジプト展や古代文明展などに行ったら、鎖探しに夢中になりそうです。
古代のロマンに思わず熱くなったお題でした。