http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html
第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
純粋に、これだけシロート解釈すると「なら憲法上は、皇太子は国政に関わってもいいのでは?」と感じたのですが、この解釈は正しいですか?これは「皇后」「妃殿下」にも広がりますし、もし今後、今上の碁石とされる生前退位があれば、退位された”上皇”にも同じ問題が出てくるかとも思います。この点は、プロの憲法学者、木村草太氏も真面目に懸念しています。http://f.hatena.ne.jp/gryphon/20160725085554 (週刊朝日)
この解釈が正しいか、教えてください。
やや長文の記事を
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160725/p2
に書いており、それとも連動しています。
日本国憲法が第1章で天皇の権能を定め、同時に皇室財産を定めていることからすると、一般には、皇室に属する天皇及び皇族は第1章の定めに服し、第3章以降の基本的人権を必ずしも享有しないという解釈ではないでしょうか。
皇室典範を根拠にして、皇族に対する人権の制限を認める解釈も多いと思いますが、憲法の下位規範たる皇室典範では、そのような制限は不可能と解します。
木村先生は、天皇の地位にあった者についてのみ参政権の有無を懸念していますが、皇族であれば一般に同じ懸念を持たれるところであり、皇太子以下すべての皇族が同様の制限を受けるべきでしょう。
この見解には、財産権の制限規定に精神的自由権を制限する根拠を求めるのは妥当でないとの批判が予想されますが、精神的自由権を一律に制限すると主張しているのではありませんし、立件君主制という国制のあり方に重大な影響を及ぼす点では、財産権も参政権も同様ではないかと考えます。
ただし、個人的には、動物園の見世物のような現在の皇族の扱いには多少疑問を覚えており、憲法改正の対象にする必要がある箇所かもしれないとは、今回の生前退位騒動で感じたところです。