月刊アフタヌーンで今年、原作 真刈信二/漫画 DOUBLE-Sの『イサック』という作品が始まりました。「30年戦争と呼ばれる激しい戦いの最中にあった神聖ローマ帝国。そこに傭兵として現れたのは「イサック」と名乗る日本人の男!…」
といったあらすじですが、この時代は鎖国直前、南蛮(欧州)と日本の交流が実に活発で、「日本侍が傭兵として欧州に渡った」という設定も、あまり無理はない気がします。だが、私の知る限り類例はあまりありません。
そこで
1:日本人が欧州に渡った…を含め、この時代(戦国~江戸期)の西洋と東洋がチャンチャンバラバラやドンパチを繰り広げるような、フィクションでも史実を基にしたものでもいいので、そういう作品を教えてください。思想的な対決や政治・経済的な対決でも結構です
2:もし自由に発想するなら、どんな設定を考えますか?「ニンジャvs騎士」「秀吉がシャム侵攻」など、色々考えてください。
この質問はブログ記事
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20170206/p2
と連動しています。(既に知っている先行作品もそちらで紹介しています)
1.すぐに思いついたのが荒山徹『友を選ばば』ですが、ブログの方で言及されているようなので、他にあるかな、と記憶を探りましたが、漫画しか思いつきませんでした。幕末だと有名な『レッド・サン』などがあるのですが。
『グラン・バガン』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%AC%E3%83%B3
2001年ごろに週刊少年ジャンプに連載された漫画です。仙石秀久に仕える侍が、シェークスピアなどとともに冒険をするお話です。すぐに打ち切られた漫画ですが、ちょっと『るろうに剣心』に雰囲気が似ていて、設定もユニークなので記憶に残っていました。
『Cimarronin』https://www.amazon.co.jp/Cimarronin-Complete-Graphic-Novel-Gn/dp/1503949508
『スノウ・クラッシュ』のニール・スティーヴンスンがライターを務めるアメコミ(グラフィック・ノベル)です。17世紀、キタズメという侍が、ならず者の神父とともにメキシコに渡り、満州族の姫を助けて冒険する、といった内容の話です。Ellis Amdur という、日本の古武道に詳しい方が武術面の監修をしているようです。
あと、小説で思いついたのは遠藤周作『侍』『王国への道』ですが、西洋と東洋がチャンチャンバラバラ、というイメージではありませんね。
2.戦国~江戸初期というわけではありませんが、源平合戦の頃の日本が丸ごと東ローマあたりに空間転移して、十字軍VSイスラムVSモンゴルに巻き込まれる、みたいな話があれば、読んで見たいです。
架空という範疇で。1.についてのみですが。
『夢幻のごとく』では、織田信長が本能寺で死んでいなかったという設定で、世界統一を目指します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E5%B9%BB%E3%81%AE%E5%A6%82%E3%81%8F
『RED』では、主人公ではないですが、主人公の仲間的なポジションに「西南戦争に参加して敗れ、落ち延びてきた元士族」が登場します。ただし行先は欧州ではなくアメリカです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/RED_(%E6%9D%91%E6%9E%9D%E8%B3%A2%E4%B8%80)
『陸奥の刻 アメリカ西部編』では、ご存じ「陸奥圓明流」の使い手が、こちらもアメリカに渡ります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E5%A5%A5%E5%9C%93%E6%98%8E%E6%B5%81%E5%A4%96%E4%BC%9D_%E4%BF%AE%E7%BE%85%E3%81%AE%E5%88%BB#.E3.82.A2.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.82.AB.E8.A5.BF.E9.83.A8.E7.B7.A8
当時は民族による人種差別が当たり前の時代で、お目出たかったのは日本だけ。
キリスト教の布教という目的があったから少年使節は歓迎されたが、それ以外は迫害されている。
当時の西洋の有色人種差別は植民地の搾取を当然と考えていたから正当化された。
有色人種差別は例のトランプ氏の考え方にも共通している。
商人が貿易を目的に渡欧した例はあったようだ。
その手のマンガや小説はきちんと時代考証したら成立しなくなってしまう。