小学一年生の甥っ子は、幼稚園で発達障害の疑いを持たれてきました。今年一年生になって担任から面接検査を紹介されました。結果的に病気というほどではないということだったようです。
物欲がすごく強く、欲しいものがあれば嘘をついたり、盗んでも手に入れようとします。未遂で終わりましたが、同級生のモノを何度かポケットやカバンにいれていました。
親へのおねだりは、長時間、嘘と親への悪言とパンチ・キックを交えながら、強引にごね続けます。少し常軌を逸しているようです。親族からも病気なのではといわれました。
親に悪い行為を叱られても、罪悪感がないようです。長時間叱られ諭されても、数分後にははしゃぎまわっています。
また内弁慶で、先生や外の大人や、気の強い同級生には何も言えないところもあります。
ソーシャルスキル指導法の専門家を勧めてみようかと思うのですが、父親の方が専門家に相談することに消極的なようで、望み薄のようです。
このように物欲が強く、嘘が平気で、反省のできない子はどうしたらよいのでしょうか。親族もどうにかしてやりたいと考えています。お願いします。
学習塾に勤めています。
さまざまな発達障害のお子さんを担当するなかで、親御さんの我が子への関わり方を間近で見てきました。
最初にお伝えしておかねばならないのですが、以下に記す内容が「正しい」教育だと主張することは難しいと思っています。
「当面はなんとかなる」「うまくいっているように見える」という対処療法です。
障害の傾向が特に見られないお子さんも本質的には同じですが、子どもは常に身近な大人の顔色を見ながら行動を決めます。自分のやりたいこと(この場合、自分の欲求をかなえるために嘘をついたり暴力を振るったり人のものを盗んだりすること)と、その後にもたらされる結果(怒られる、嫌われる)を天秤にかけて、どちらに重きを置くか決めます。
前者を優先するということは、すなわちその子にとって後者の重みがまだ足りないということです。
ということで、一番即効性があるのは「天秤にかけられたときに他の要素の追随を許さないぐらいに強く記憶に残る叱り方をする」ことです。
どんな子でも「この人(親)を本気で怒らせたらとんでもないことになる」と思わせることに成功すれば、言うことは聞くようになります。
件の親御さんも押したり引いたりさまざまな手を尽くしたうえで対処に悩んでおられるのでしょうけれども、「発達障害気味」という言葉から、おそらくスペクトラム上で微妙なところにいる、いわゆるボーダーラインの子なのではないかと思われますし、であれば、「ものすごく印象に残る叱り方をして、それを切り札にする」ことである程度落ち着かせることはできるはずです。
推測ですが、お父さんが専門家に相談することに消極的でおられるということは、世間一般の「善悪」を一生懸命お子さんに説いて「なぜわかってくれないのだろう…」と悩んでおられるのではないかと思います。
ものすごく大雑把な言い方ですが、発達障害と診断されるお子さんの中には「他者への共感」が非常に難しい子がいます。「善悪」の区別は他者への共感、他者の内情への想像力によって育ちますが、生まれつき、その部分の能力が育つのに周囲よりずっと長い時間を要する脳の構造になっている子がいます。
そこがおそらく、ご両親がもっとも理解せねばならないところなのですが、同時に、受け入れるにはもっとも辛い現実でもあるのでしょう。
障害があっても適切なサポートによって幸せに生きている方はいますし、決して障害持ち=不幸ではないのですが、我が子がそのように生まれついたときにすっとそのように思えるかというと、やはり想像に余りある苦しみや迷いや葛藤、絶望の中でもがいておられる方が大多数です。
「我が子が『フツー』じゃない」という現実を何としても受け入れまいとして、必死に自分だけの力で「しつけよう」としているお母さんもおられました。
そのお母さんが選んだ手段が、上記のやりかたです。
誤解のないよう書きますが、日ごろからこのお母さんは本当に深い愛情を子どもに注ぎ、また同時に子どもの自主性も上手に認めてあげながら、我が子との間に確固とした信頼関係を築いていました。そのお母さんが雷を落とすので、子どもにも非常なインパクトを持って受け止められるわけです。
たとえば人のものを勝手に持って行って使ってしまうようなことが、その子は中学生になってもたまにありましたが、怒られてから「そうだった、これをやると怒られるんだった」と思い出すことはできても「持ち主が困るよ」といった話を理解することは、まだできませんでした。でも彼も学校という集団の中で生きていかなければいけないので、そのように他者に迷惑をかける行為はとにもかくにも極力させてはいけません。厳しく叱り続けることで彼の自尊心が著しく下がるかもしれない、それもわかったうえで、そのお母さんは「これをやると怒られる」という記憶を天秤の上でずっしり重たいものにして、彼の行動のストッパーにしていました。
何度も書きますが、決して推奨しているわけではありません。
「こういうやりかたをすれば、ある程度の効果が出た」
という経験談を紹介していますが、これを「正しいやりかたです」と主張するつもりはありません。
質問者様の件に戻りますが、すなわち、専門知識のない素人では、結局は力で抑えつける以外の方策を取ることができません。子どもの自尊心を損なうリスクを伴う方策です。
しかも、子どもが大きくなるとそれも難しくなります。
いよいよ家族だけではどうしようもなくなったとき、そのときに専門家を頼るよりは、生きづらさ、社会への関わり方の問題がはっきりと見え始めている今から専門家の力を借りたほうが、親も子も、結局は楽になれるはずです。
夜中のテンションで推敲なしで投稿しちゃいます。長文ごめんなさい。
親御さんが、なんとかして気持ちを前に進めることができますように。
発達障害のタイプにもよるとは思いますが、
> 親に悪い行為を叱られても、罪悪感がないようです。長時間叱られ諭されても、数分
> 後にははしゃぎまわっています。
発達障害の二次障害というもので、いつも周りから叱られるため自分はダメな人間なんだという自尊心の低下などが問題になります。
なかなか、育て方で修正することは難しい面もありますが、
発達障害に対する正しい知識を持つことは大切です。
下記リンクはとても分かりやすい資料があります。
http://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/hattatu/hattatu.html#guidebook
そこまでなるってことは親の教育も相当あるでしょうよ。
父親ではなくてその子のことを思うなら、さっさと児童相談所に行くことをお勧めします。