お題:「謎のメッセージ」
という要素を含むショートストーリーを回答してください。
・本文やタイトルに直接キーワードを使う縛りはありません。
・開催者連想元ネタや質問画像は気になさらないでください。ただの自己満足です。作品に絡める必要は全くありません。むしろ離れてくださるほうが。
・〆切前の加筆・修正はご自由になさってください。大幅に変えた場合はコメント欄などで通知してくださるとありがたいです。
・字数制限は設けません。読みやすく、内容に見合った長さにしてください。
・私個人の好みを前面に押し出した感想(場合によっては講評っぽい何か)を書きます。そんなのいらん、という場合はあらかじめおっしゃってください。
※初心者のかたも歓迎です♪
※お題が易しすぎて物足りないぜ!というかたは、ストーリーの面白さにプラスして楽しめるような、何か手の込んだ仕掛けを盛り込んでください(必須ではありません)。
〆切:2017/6/9(金)の予定です。
続編でござい。
《信号受信》 《信号受信》
アラームが鳴っている。主画面には『水素線信号受信中』の文字が躍っている。
「信号波形は」
『表示しています』
静止軌道に上がっている電波観測衛星の、特別チャンネル”水素線”での受信信号は、最優先で解析される。
62年前のミスを挽回するためだ。地上観測所も、低い軌道の電波衛星も、常に観測しているはずだ。
「解析急げ、こっちは静止軌道から受信するだけタイムラグがある。他の観測所に抜かれるな」
『最有力候補の数値化を表示します。最も論理性が高い、二進数パルス解析です』
画面には01の数字と、解析した記号列が並ぶ。
「自然数と、二乗数、三乗数、素数列だな。」
『我々と同じ3次元の住人と思われます。数学的根拠も一致している推定されます』
「パイオニアに載せたメッセージに近いな。考えることは同じだ」
『論理は共通言語ということが実証されています』
徐々に制御室の椅子が埋まっていく。キーボードを操作したり、音声入力をしたりしている担当者以外の人が、次々と部屋に入ってきている。
「騒がしいぞ、信号が途切れるまで、もう人を入れるな」
『はい』
制御室コントロールのAIが、部屋のドアを閉じ始める。
「これ以上は出て行ってくれ、作業の邪魔だ」
『二次元画像、3次元配列、一次元時系列と予測されるデータ群が、後ろに』
「それぞれ、画像と3次元データと、適当な波長に基準を設けた音声信号に変えてくれ」
画面に、画像が表示される。意味不明なランダムノイズの画像群の中に、星空の様な絵が現れた。
「その上から二番目の左から5番目の画像を拡大してくれ」
画面いっぱいに、モノクロの星空が浮かび上がる。見たことのあるような、無いような星空だ。
『可視光に展開します』
画面には、色とりどりの星が現れた。
「さっきと様子が違うな」
『観測波長域が違います。彼らは赤外波長域からセンチ波付近を中心観測領域にしている模様です』
「これは、信号の発信地からの眺めだな。そこから4面で全天ということか」
『位置情報と思われる数値列です。簡易解析では、いて座方向150光年と推定』
「結構近いな」
『ただし、メーザー発信源は、ふたご座方向からです』
「え、いて座と正反対じゃないか」
『はい、受信した水素線コヒーレント波、いわゆるメーザーの発信源は、ふたご座からです。メーザーは、いて座に向かって発信されています。直進性は保証されていますから、到達地点の誤差は0.001光年程度です』
画面には、全天恒星図とその部分拡大が映る。十字線がその一点を示している。
「どういうことだ?これからメーザーの向かう方向の全天画像があるなんて。発信源周辺の画像を紹介してるんじゃないのか?」
こと座の拡大図も映る。十字線が2セット現れる。
『メーザーの向かう先と、恒星観測画像から割り出した位置データです』
「いて座?そこは、見たことがある。Wow!シグナルだ」
『Wow!シグナルの発信源を加えます』
画面に3セット目の十字線が描かれた。メーザーの向かう先の十字線とほとんど重なった。
「これは!Wow!シグナルの発信位置へ向かってるってことか!」
画面に増え続けていたデータ群が、止まる。
『信号が途絶えました。データが2系統に分かれています』
「どういうことだ?」
画面に数字・式・画像が並ぶ。
『はじめの系列は、数学的基礎、位置情報、画像等のデータ群となり、位置情報がいて座方向約150光年』
「そこまでは聞いた」
画面に二列目のデータが並ぶ
『二つ目の系列も、数学的基礎、位置情報、画像等のデータ群となっていて、位置情報がふたご座方向約31光年』
「同じ系統のデータ群で、位置情報が違うのか」
『はい』
目の前のコンソールから、一人のオペレーターが立ち上がり、こちらを振り向いた。
「あの」
「なんだ?」
「返信、じゃないですかね」
「返信?」
『受信した信号を、同じコヒーレント光に載せて、受信したことを発信箇所に伝え、同じ系列で位置情報を連絡しているということですね』
「そうそう」
『確かに論理的です。当方が受信した場合でも、そのように返信することが最良と計算できます』
携帯電話を操作しながら、こう言っていた。
「とりあえず、観測結果とこの考察を世界に発信する。信号がやってこないなら、対策を考えよう」
『データ解析の結果です』
会議室のスクリーンに、画像、数式、数字等が並ぶ。手の動きに反応して、個々のデータの枠が色づいたり、消えたりする。一つのデータ群を指して、こう言った。
「このデータだけ特殊だな。なんだろう」
『この一群のデータは、図面・3次元データ・補足する数式・現象を示す画像・元素を示す記号などでできています』
「元素?」
『3次元データに元素指定箇所があります』
「?」
一人のオペレータが立ち上がり、画面に張り付いて眺めている。
「これ、何かの構造です。いわば図面みたいなものです。このまま3Dプリンタにかければ、できあがるんじゃないでしょうか」
「なにができあがるんだ?」
「この画像と数式から、質量を高速で移動させるエンジン的な物ではないでしょうか」
画面のグラフと数式が変形していく。
『亜光速エンジンとして、その加速過程と根本原理の数式の様です。地球の物理学に近似するよう、数式とデータを修正しました。この通りに作動するかどうかは、物理学者の意見やエンジニアの実験が必要と考えられますが』
「これは、おまけか?プレゼントか?このエンジンを使って、会いに来いってことか?」
独り言を呟いていると、さっきのオペレータは他のデータ群に見入っている。
「このデータ群の詳細は?」
画面のデータが切り替わる。
『先ほどのデータ群と同様と考えると、補足が可能です』
「修正するとどうなる?」
画面には、ちょっと特徴的なグラフが現れた。これは、知ってるぞ。
「なんで、ファインマンダイアグラムを追加した?」
『この数式は、時間遡上若しくは超光速を示しているからです。ファインマンダイアグラムに展開すると、この線に沿った移動を可能にすると言っています。つまり、時間軸をマイナス方向に進めます』
「ワープですね。このエンジンを組み立てると、ワープができるんだ。ワープエンジンの図面なんですね、これ」
オペレータは興奮気味だ。
『実際に超光速航法が可能かどうかは、物理学者の回答を待たなければなりませんが、その可能性は大きいと考えられます』
「波動エンジンの設計図をもらって、イスカンダルに行くのか」
『司令、そのジョークは、この部屋の他の人には通じないと考えられます』
http://www.message-movie.jp/
えーと、質問画像はこちらから拝借しました。
flickr
https://www.flickr.com/photos/l-hasard/3682453893
ヘプタポッド文字の応用で円相も解読できるかもやね(違っ!
librosからは回答リクエストを送りません。
本企画がもしお気に召しましたら、関心を持たれそうな方面へ何らかの方法で「かきつばた杯#78やってるらしいよ」と広めてくださると嬉しいです。
ベストアンサー選べないよ!でも選ぶよ!
どうにかこうにか終了いたしました。
ベストアンサーは悩みに悩んで、No.8たけじんさんの続編に。ポイントは原則に則り均等配分としました。減点したくなるような作品は皆無でした。
寄稿してくださった皆様がた、素晴らしい作品を本当にありがとうございます。心よりお礼申し上げます。
長かったような短かったような3週間、とても楽しかったです。ご参加&ウォッチしてくださった皆様も楽しんでくださいましたでしょうか。
>>
キーワードを編集するには、はてな市民である必要があります。
<<
と、編集を受け付けてくれません。これって、現在の私が市民認定されてないということでしょうか。
どなたかに編集をお願いすれば簡単ですが、できれば自分で編集できれば嬉しいです。ご助言お願いいたします。
ブログとかハイクやってると数日後になれます。
> ブログとかハイクやってると数日後になれます。
5/19はキーワード編集できたのに、昨日はできなかったので「もしや市民権剥奪か!?」と焦りましたが、さきほど再挑戦したらうまくいきました。お騒がせいたしました。
これで主催者のミッションはオールクリアですよね。
ぅ終わった~ッ!(心からの雄叫び)
お疲れ様でした。>librosさま。
この度は私の軽率な発言により企画、開催、また沢山の方々のご参加の様子を拝見することができ、光栄であると同時に参加することができなかった悔しさが溢れます。
(再試やら課題やらで時間を取られて上手く話をまとめることが出来なかったのもありますが、、)
すべての作品を読ませていただきましたが、やはり先輩方から学ぶべきところがまだまだ沢山あり、どうせ参加するならもっともっと成長した姿をみせたいなあと、もっと自分の納得のいく作品を書きたいなあと。
長々と言い訳くさい文になってしまいましたが、もう、本当に、
またお会いできる機会があることを祈っています。本当に。
今回はご参加いただけなくて残念です。このような大役を担うきっかけをつくってくださったことに、深く感謝しております。
> 何故か締切を18日までと勘違いしてた
回答期限を「30日後」に設定していたので、紛らわしかったでしょうか。
終了処理でもたついたり、ほかにも、あそこはあーすればよかった等々反省するところはさまざまありますが「こんな私でもそれなりになんとかなった♪」と変な自信がついたので、いつかまた主催者として舞い戻ってくるかもしれません。(あるいは他のかたの主催で、執筆者同士として居並ぶことになったりして。)
人力検索がある限り、かきつばた杯は不滅です。
お会いできる機会はきっとあります。その日を楽しみにしています(^^)
http://q.hatena.ne.jp/1504169520
皆様のお越しを心待ちにしております。
雑談コメントも歓迎です♪
http://q.hatena.ne.jp/1504850568